八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十二話 残暑に入ってきてその五
「ですから」
「それで、ですね」
「そうなっています」
「そのこともあってですか」
「はい、むしろ十二月まで部活をしていますと」
それでだ。
「そちらも推薦でかなり評価されたりするので」
「部活も頑張っていると」
「学生の本分は勉強と部活って考えなんで」
八条学園はだ、だから帰宅部の人は極めて少数だ。
「ですから」
「十二月までですか」
「皆部活を楽しんでます」
「掛け持ちをしている人も多いですね」
「それもいいんで」
うちの学園ではだ。
「ですから」
「掛け持ちの人も多いのですね」
「それもこの学園の特徴です」
「そうですか、いい学園ですね」
「これで結構偏差値もあったりするんですよね」
僕は裕子さんにこのことも話した。
「五七位あって」
「それなりの高さですね」
「高いって言えばそこそこですが」
六〇位からが高いと言うのか、五〇を基本としたら。
「まあそんなところで」
「大学もそれ位の偏差値ですね」
「医学部と法学部は高いですけれどね」
こちらは全国トップクラスだ、高等部にしても特別進学コースはもうそれこそ真ん中で京大の医学部に合格出来る位だ。
「大学もそんなのです」
「高い方と言えば高い方の」
「そうした感じです」
「そうなんですね」
「まあ最近受験も楽になったそうですが」
生徒数の減少やら何やらでそうなったらしい、昔に比べると。尚うちの親父は八条大学医学部出身だったりする。その時はまだ受験も今以上に激しかったらしい。
「何か部活をしてますと勉強もです」
「よくなると」
「部活でストレスを解消して」
そのうえで勉強をするとらしい。
「かなりいいみたいです」
「だからこの学園は部活も盛んですか」
「そうなんです」
「文武両道ですか」
「文化系だと文文両道ですね」
僕は笑ってこうしたことも言った。
「そうなりますね」
「あっ、文化系ですと」
「そうなりますよね」
「そうですね、確かに」
「裕子さんもですよね」
「そうですね、歌劇部ですから」
そうなるとだ、裕子さんも答えてくれた。
「運動もしますが」
「ランニングや柔軟もですね」
「吹奏楽部と同じです」
そうしたことはというのだ。
「身体もあってこそです」
「歌劇は出来ますね」
「体力がなくてはです」
「出来るものじゃないですね」
「それが歌劇です」
二時間ずっと舞台に出て何度も何度も歌う、勿論舞台の中で演技を続ける。かなりの体力が必要なものであることは確かだ。
「ですから」
「運動もですね」
「毎日しています、さっきもです」
「ランニングもですか」
「していました」
そうだったというのだ。
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