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『叙情4』

作者:零那
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『蠍』



あの日の夜空は決して忘れない。真夏の夜、遺された皆でアンタレスに誓った。涙を拭い、前だけを向いて歩くって...。

諦めずに前を向けって口癖、忘れることはない。ずっと、いつでも味方で居てくれた。蠍は強いから大丈夫だって、ムチャクチャな言い分も許せた。

いつだって死ぬべき奴は死なない。死ななくて良い人ばかり死んでく。そんな現実を目の前に強くなんて居られない。

自分を失ってしまう事の無いように常に言い聞かされてきた。いつかこんな日が来ると解ってたかのように...。

蠍は毒をもって悪を裁く。今は不可能でも、必ず悪を裁く日が来る。必ずだ...。そう言い続けてくれた。重い荷物を少しずつ持ってくれていた。

そんな君が...


 
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