転生とらぶる
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ペルソナ3
1889話
次の満月まで、俺に鍛えて貰うのはどうかと提案した真田。
ゆかりを鍛えるにしても、15階のシャドウが相手ではもうゆかりの敵ではなくなってしまった以上、それもいいかと思ったんだが……それに待ったを掛けたのは、順平だった。
「うん? どうしたんだ、伊織。アルマーに鍛えて貰うというのは、お前にとっても利益になると思うが?」
「でも、こいつは俺達のパーティじゃありませんよね? 今は協力してますけど、結局最後には別々の行動を取ると思います。そんな相手は信じられません」
「ちょっと、順平! あんたいい加減にしなさいよね! あんたがアクセルに訓練をして欲しくないってのは、ようはアクセルに自分の情けないところを見せたくないからっていう、個人的な感情でしょう!? 今だって、自分が悪いのにアクセルを目の敵にしてさ」
「なっ!?」
まさか順平も、ゆかりにここまで言われるとは思っていなかったのだろう。
唖然とした表情を浮かべていた。
……その順平の隣で、湊の方は特に口出しをせず、どうなるのかを眺めている。
「……そう言えば、伊織がアルマーを目の敵にして、2-Fの雰囲気も悪くなっているという報告があったな」
「っ!? てめえ、アクセル!」
桐条の言葉に、何故か順平は俺を睨み付けてくる。
いや、何でここで俺だよ。
もしかして、俺が桐条にその件を報告した……いわゆる、チクッたとでも思ったのか?
「いや、別に俺は何も言ってないんだが」
「アルマーの言う通りだ。この件は別にアルマーから聞いた訳ではなく、小田桐から聞いたものだ」
小田桐? と名前を言われても一瞬誰か分からなかったが、すぐにそれが誰なのかを思い出す。
以前桐条と一緒にいる時に遭遇した、2年の生徒だ。
あの、偉そうな態度の奴。
確か副会長として、桐条の片腕――あくまでも生徒会に限ってだが――として働いているらしい。
「……最初に聞いた時は、大袈裟に言っているものだと思っていたが……どうやら、その様子を見る限りでは小田桐の報告は事実らしいな」
「そ、それは……」
「伊織。君は一昨日も暴走して明彦と有里の2人を危険な目に遭わせたな? しかも、その理由が有里がリーダーなのが気に入らないという理由で」
「それは……」
事実だけに、言い返す事が出来ないのだろう。
順平は言葉に詰まった様子で、それ以上何を言う事も出来ずにいる。
「正直、このままでは君を私達S.E.E.Sの一員として認めるのは難しくなる」
「なっ!? けど、俺はペルソナを……」
「ああ。君がペルソナ使いとして覚醒しているのは事実だ。だが、それで自分だけが特別な存在になったと思い込み、それを他人にも強要するような事にでもなれば、こちらとしては許容出来ない」
「それはっ!」
桐条の言葉に、我慢出来ないといった様子で順平が何かを言おうとするものの、それ以上喋る事は出来ない。
順平にも、分かっているのだろう。ここでこれ以上何かを言おうとすれば、恐らく桐条が本気で自分を見限ると。
少し前……それこそ、俺達が影時間に活動する前であれば、それこそペルソナ使いが絶対的に少ない事もあり、順平が多少我が儘を口にしても受け入れた可能性はあるだろう。
だが、今は桐条達のパーティには真田という数年の間、共に戦ってきた相棒がおり、現在はそこにペルソナチェンジなどという、正直俺ですら想像出来なかった能力の持ち主がいるのだ。
特にシャドウの場合は、弱点となる属性を攻撃するというのがペルソナ使いとしては大きな攻撃手段となる為、有里のようにペルソナを自由に変える事が出来るというのは、非常に大きなアドバンテージとなる。
その上、桐条達の指揮下にある訳ではないが、協力関係にある俺達は純粋に戦力的に見ると、間違いなく桐条達よりも圧倒的に上だ。
そこまで戦力が揃っている以上、俺達との関係を悪くしてまで順平を手に入れる必要があるかと言われれば……そこは微妙なところなのだろう。
まぁ、その辺りは取りあえず向こうで決めて貰うとして。
「……くっ!?」
結局順平は、それ以上何も言わずに生徒会室を飛び出していく。
そんな順平の後ろ姿を見送っていた桐条は、やがて俺の方を見て小さく頭を下げてくる。
「すまないな。正直、伊織があそこまで意固地になるとは思わなかった」
「いや、気にするな、順平の気持ちも、分からない訳じゃないからな」
俺が知る限り、順平は特にこれといった特徴もない、平凡な人物だ。
まぁ、クラスのムードメーカー的な存在であったり、帽子や髭といった風に若干特徴的な風貌をしてはいるが、言ってしまえばそれだけの存在でしかない。
そんな平凡と呼ぶに相応しい順平が、いきなりペルソナ使いとして覚醒したのだ。
そうなれば、今の順平のように自分が選ばれた存在だと思って他人に優越感を抱いてしまうのは、おかしな話ではないだろう。
言っちゃ悪いが、一種の麻疹のような感じだ。
寧ろ、そういう意味では順平みたいに自分の力にのぼせ上がらなかった、ゆかりや有里の方が珍しい。
桐条や真田、荒垣といった面子がペルソナ使いとして覚醒したのは相当前の話なので、その3人がどう思っていたのかは分からないが。
「……前から思ってたけど、アクセルって妙に順平に甘くない?」
不機嫌そうにそう言ったのは、俺の隣で話の成り行きを見守っていたゆかりだ。
いや、不機嫌そうではなく、完全に不機嫌だな。
明らかにその表情には『私、不愉快です』といった感情が見て取れるのだから。
「そう言ってもな。……こういうのは自慢するような事じゃないが、俺の場合は今までが今までだから、友人ってのが少ないんだよ」
その言葉に全員が納得した表情を浮かべるが……ゆかりとそれ以外の面々では、納得の意味合いが違うだろう。
ゆかりは俺が異世界から来た存在であると知っているが故に、友人が少ないというのは何となく理解し、それ以外の面々は俺がペルソナとは違う技術体系を持つ裏の存在だからこそ、友人が少ないと……そう理解したのだろう。
まぁ、友人が皆無という訳ではないんだけどな。
だが、某エンデュミオンの鷹を始めとした友人は、あくまでも俺がシャドウミラーの一員としての存在だからこそだ。
それに比べると、順平は俺を同年代の一般人として認識してくれた相手だ。
そういう意味で、俺がどこか順平を甘く見てしまうというのは、おかしな話ではないのだろう。
「アクセルの考えが分からないでもないけど……結果として、それが順平の態度をあのままにしている理由なんじゃないの?」
「かもな」
一応寮での模擬戦や、タルタロスでの模擬戦といった具合に、順平の伸びた鼻をへし折るといった行為は行っている。
だが、それでも俺にどこか甘さがあったのは、間違いのない事実なのだろう。
「伊織については、こちらでも手を回しておこう。それより、実力を伸ばす件についてだが……アルマーの使っている魔法の習得というのは、やはり難しいか?」
どこか雰囲気が悪くなったと考えてか、桐条がそう話題を変える。
その話題に真っ先に反応したのは、予想外な事にゆかりだった。
有里もいつもの無気力そうな様子ではなく、好奇心を浮かべてこちらを見ており、真田は近接戦闘ではなく魔法という事もあってか、あまり興味を向けてはいない。
「あの魔法については、初心者用の教本を渡しただろ? 正直なところ、あの教本に書かれている以上の効率的なやり方は、分からないぞ?」
正確には魔力が充満している魔法球の中であれば、普通にネギま世界の魔法を勉強するよりも、効率よく魔法を習得出来る可能性もあるのだが……残念ながら、魔法球がない以上、そんな真似は出来ない。
……魔法球と言えば、技術班は今頃どうしてるんだろうな。
幸いな事に、W世界の機体は向こうに置いてきてあるから、恐らく今頃W世界の技術解析を行っているんだろうが。
ただ、W世界の技術で使えそうなのって、ガンダニュウム合金くらいなんだよな。
ゼロシステム暴走の危険が高いし、MDはぶっちゃけメギロートとかの方がAIは賢いし。
ああ、でもウイングゼロのツインバスターライフルの火力は……ただ、あれってエネルギー充電式なんだよな。
動力炉から直接エネルギーを持っていくのなら、ブラックホールエンジンでエネルギー切れの心配はないんだが。
もっとも、ツインバスターライフルはでかすぎて、近接戦闘をやる時にかなり邪魔になりそうだが。
ともあれ、ビーム兵器の効率とかは今までよりも良くなる可能性があるか。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、魔法を効率的に習得出来る方法がないか考えていたんだが、やっぱり思いつかないな。地道な努力が一番だと思うぞ」
ゆかりの言葉に、取りあえずそう誤魔化す。
まぁ、誤魔化す為の言葉ではあったが、それも決して嘘という訳ではない。
実際、魔法球がない以上、地道に習得していくしかないのだから。
「うーん、ちょっと興味深いんだけどね。アクセルが使ってる魔法ってかなり便利そうだし。特に転移魔法って、凄いじゃない」
まぁ、その気持ちは分かる。
恐らくネギま世界の魔法の中でも、便利さという点では1,2を争うくらいに便利な魔法なのではないだろうか。
もっとも、戦闘で使うには転移するのに時間が掛かるという欠点があるし、転移出来るのは影のある場所という制限はあるが。
その辺りを考えても、使い勝手という点では便利極まりない。
実際、俺もこの世界ではアパートから月光館学園まで朝の混雑した電車に乗ったりといった真似をしなくてすんでいるのも、この転移魔法があるからだ。
「言っておくが、転移魔法ってのは難易度的に相当高いぞ? それこそかなり上級者でなければ使う事は出来ないくらいに」
実際、ネギま世界でも転移魔法を使う事が出来る者というのは、かなり限られている。
フェイトやエヴァといった連中でようやく……といったところなのだ。
「ふーん。だとすれば、やっぱり私はペルソナの方に専念した方がいいのかもしれないわね」
「……俺が使っている魔法も、いいところはあるんだけどな。それこそ、影時間じゃなくても問題なく練習が出来るとか」
ペルソナは影時間ではない時にも使用は可能だ。
だが、やはり影時間ではない時にペルソナを使うというのは、色々と抵抗もあるだろう。
それに比べると、ネギま世界の魔法を勉強するのは特に場所とかも必要はない。
そう考えれば、習得出来るのなら習得しておいた方がいいのだが……
「うーん、アクセルの気持ちは分かるけど……アクセルの使っている魔法って、魔法媒体だっけ? それが必要なんでしょ? 私の場合、弓と矢と召喚器で、もう手一杯なんだけど」
「……なるほど」
考えてみれば、それは当然か。
俺のように空間倉庫の類でもあれば話は別かもしれないが、ゆかりにそんな事を求める訳にはいかないしな。
「そういう意味では、アルマーの使っている魔法を一番使いやすいのは明彦という事になるな」
桐条の言葉に、その場にいた全員が真田に視線を向ける。
基本的に武器を持たず、素手で――革グローブとかは使ってるが――戦っている真田だ。
召喚器以外に、魔法媒体を持っていてもおかしくはないのだ。
……ただ、問題なのは真田にどれくらいの魔法の素質があるかという事だろうが。
また、真田の性格を考えれば、折角魔法を習得しても使わないという事は十分に考えられる。
「俺はいらん。魔法の修行をするくらいなら、身体を鍛えた方がいい」
案の定、真田の口からはそんな言葉が出る。
まぁ、実際真田にとってみれば、魔法というのはあまり好まない代物なのだろう。
ネギま世界であれば、身体強化魔法とかあるんだが……その辺りが初心者用の教本に載ってる筈もないし。
そうなると、ホワイトスターに繋がるのでなければ自力でその魔法を開発する必要がある。
ネギならまだしも、真田にそんな真似はまず不可能だろう。
であれば、真田が自分の訓練に力を入れたいという気持ちは分からないでもない。
「私も、出来ればアルマーの使っている魔法を覚えたいのだがな。何にしろ、時間がない」
その言葉に、うわぁ……といった表情を浮かべる。
「桐条君は、生徒会長の仕事もあるからね。生徒っぱい頑張って貰わないと」
……精一杯と生徒を掛けたのか? ちょっと無理があるような気がするんだが。
今までのやり取りを聞きながら、ようやく口を開いた幾月だったが、その内容がこれじゃなあな。
部屋の中が寒い……それこそ少し前の季節に逆戻りしたかのような光景に、幾月以外の面々は思わず溜息を吐くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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