レーヴァティン
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第三十話 返還と賠償の後でその四
「炎で何でも焼き尽くすな」
「そうした凄い剣だよね」
「ああ、この剣でな」
それこそとだ、久志も答える。
「これまで勝ってきたさ」
「何百もの戦いを」
「千はいってるか、もう」
「その間その剣刃毀れ一つしてないね」
「何でも燃やして何でも切ってな」
ただその炎で燃やすだけでなくだ、斬る方にも優れている剣だ。それで多くの戦いに勝ってきたのだ。
「そうしてな」
「そうだよね、けれどね」
「御前がこれまで盗んだ宝にはか」
「そこまでの力はないんだよ」
「一流であってもだね」
ここで言ったのは源三だった。
「超一流じゃないんだね」
「そうそう、おいら達が持ってるみたいな」
「賢者の石とかね」
「そういうのじゃないんだよ」
自分がこれまで盗んだ宝はどれもというのだ。
「おいら達は神々の力だけれどね」
「あの鎧にしても」
今度は進太が言った。
「神から授けられましたが」
「それでもだよね」
「人に授けられたもので」
「神様自体が使うものじゃないね」
「そうでござるな」
「そういうことなんだよ」
「神そのものの力」
正も言った。
「俺達が持っているのは」
「そう、おいら達はその神の力をね」
「使いこなしてるんだな」
「それが出来てるとね」
まさにというのだ。
「世界もね」
「救えるか」
「神の力が完全に備わっている」
「そこまでのものじゃないとか」
「この島も世界もね」
それこそというのだ。
「救えないんじゃないかな」
「確かに。私達の最後の敵は魔神です」
順一はこのことから言った。
「魔神、神ですから」
「神を倒そうと思えばね」
「神の力をです」
「揃えないと駄目なんだね」
「私達にしましても」
「神様の使う様な道具ばかり持っているね」
「武器にしても」
そちらの場合もというのだ。
「持っていますが」
「それでもだね」
「私が考えますに」
順一はこう前置きして述べた。
「やはり多い方がいいです」
「そうなんだね」
「はい、そしてです」
そのうえでというのだ。
「その全てを使いこなし」
「そうしてだね」
「私達自身も強くなり」
「この島も統一して」
「軍勢もです」
そちらもというのだ。
「整えてです」
「魔神とは戦わないと駄目だね」
「そうかと」
こう淳二に話した。
「私が思いますに」
「やることは多いね」
「はい、しかし」
「そうでもしないとだね」
「魔神には勝てないでしょう、ですが淳二君のしたことは」
今度は彼のその怪盗としての行動の話にもなった。
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