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ヘタリア大帝国

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33部分:TURN3 新生連合艦隊その十一


TURN3 新生連合艦隊その十一

「ドクツ第三帝国では実際にです」
「実際に?何だってんだよ」
「潜水艦なるものを発明中だとか」
「ドクツっていうとあのドクツかよ」
「レーティア=アドルフ提督の」
「あのアイドルの率いてる国かよ」
「あの人はまさに天才です」 
 それに他ならないとだ。小澤は田中に話した。無論共にいる南雲にもだ。
「ただ可愛いだけではないですから」
「万能の天才っていうけれどな」
「あの方が今のドクツを支えておられ」
「その潜水艦もかよ」
「そうです。開発されているとか」
「潜水艦ってのが実用化されたらどうなるんだ?」
 田中は腕を組み考える顔になって述べた。
「一体全体よ」
「とりあえず田中さんの今の指揮の様になるかと」
「それにかよ」
「はい、潜るお魚が参考になるかと」
「まだ実際に戦ってねえからわからないけれどな」
 だがそれでもだった。田中はだ。
「まあとにかく今の俺はだな」
「そうです。潜って下さい」
「わかったぜ。それじゃあな」
「じゃあそろそろだね」
 二人の話が一段落したところで南雲が彼等に声をかけてきた。
「一旦食堂に入ろうかい」
「はい、お昼の時間ですね」
「飯食うか」
「今日は金曜だからカレーだよ」
 南雲は微笑みだ。それが出るというのだ。
「何カレーかね、今日のカレーは」
「私はシーフードカレーなら嬉しいです」
「俺はカツカレーだな」
 二人はそれぞれ好きなカレーを言う。
「海軍と言えばカレーですが」
「ガツーーンと力がつくカレーが一番いいんだよ」
「あたしはビーフカレーかね」
 南雲はこれだった。
「それを貰おうかね」
「何かそれぞれですね」
「カレーって一口に言っても様々だからね」
 南雲はこう小澤に返した。
「鶏肉のもあれば豚肉のもね」
「はい、そしてシーフードも」
「あるからねえ」
「で、俺のカツカレーだってそうだよな」
 田中はここでもこのカレーの話をする。
「あんなのよく考えたよな」
「確かプロ野球選手が考えたのです」
「えっ、そうなのかよ」
「はい。洋食が好きな人で」
 小澤は田中にそのカツカレーの起源の話をはじめた。
「カレーもカツも大好きでして」
「それで一緒に食う為にかよ」
「そうです。御飯の横にカツを置いて」
 それからだった。
「その両方の上にルーをかけてです」
「で、カツカレーの完成か」
「そうなりました」
「成程なあ。カツカレーって韓国起源じゃなかったんだな」
「あの方はカツカレーも起源だと仰ってたのですか?」
「いや、確かまで言ってねえけれどな」
 韓国の趣味は起源の主張なのだ。とにかくありとあらゆるものを自分が起源だと主張するのが韓国なのだ。それはもう日課にさえなっている程だ。
「言いそうだろ。それでも」
「はい。あの方は」
「韓国さんにも困ったもんだね」
 南雲はこう言っても顔は明るく笑っている。
「山下のお嬢ちゃんや平良の旦那が優しいしね。韓国に」
「誰か突っ込むべきです」
 小澤が韓国にしたいことはこれだった。
「あれだけ突っ込みどころ満載の方はおられません」
「っていうかマジで突っ込み待ちじゃねえのか?」
 田中はやや怪訝な顔になって韓国のその起源の主張について述べた。
「そうじゃねえとちょっとなあ」
「行動が理解できないですか」
「祖国さんよりもずっと年上とかも言うしな」
「確か十万歳」
「そんな昔に国家なんてあったのか?」
「なかった筈です」
 小澤は無表情で述べた。
「ですから例によってです」
「無茶苦茶言ってるだけなんだな」
「そうみたいです」
「で、韓国さんも食堂にいたらね」
 どうなるかとだ。南雲はその場合を二人に話した。
「あれだね。カレーの付け合わせに福神漬けとかじゃなくて」
「キムチだな」
「それですね」
「だろうね。あの旦那はキムチがないと生きていけないからね」
「何かと厄介な御仁だよな、本当に」
「妙に愛嬌があって憎めないので余計に困ります」
 そんな話をしながらだ。三人は食堂に行きそれぞれのカレーを食べるのだった。彼等は艦隊司令になってもそれでもだ。そこに奢り等はなく普段の彼等のままだった。


TURN3   完


                   2012・2・13
 
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