ヘタリア大帝国
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216部分:TURN21 富嶽その六
TURN21 富嶽その六
「あの方の準備もできているかな」
「今ここに来られます」
柴神についてもだ。日本妹は答えた。
「では」
「待たせた」
その柴神も来た。普段の服とは違い日本帝国の神主の服になっている。
その服で来てだ。東郷達に話すのだった。
「では帝も来る」
「祭壇の用意はできています」
秋山が柴神に答える。
「後は帝が来られるだけです」
「そうか。それではだ」
「何時でもはじめられます」
「富嶽を防がなければ何もできない」
柴神は真剣な面持ちで述べた。
「だからだ。今回もだ」
「はい、何としても防ぎましょう」
東郷もだ。戦いの場と同じく真剣な面持ちになっている。
「戦いの前に」
「よし、はじめよう」
「お待たせしました」
その帝も来た。服はあの紫の和服ではなかった。
白く丈の長い絹のドレスだった。質素だが所々にそっとした感じの装飾がある。そのドレスに金色の仏具を持っている。それは。
「サンコショですね」
「はい」
日本はたどたどしく言葉を出したエルミーに答えた。
「あれを両手に持たれてです」
「儀式を行われるのですか」
「その通りです。それではです」
帝は祭壇に入る。そうしてだった。
音楽隊、和楽器の伴奏と共に舞をはじめる。そうしてだ。
静かに詠唱をはじめる。長門のモニターには恐ろしい、古代魚に似た巨大な怪獣が銀河にいた。その大怪獣を見てだ。エルミーは日本に問うた。
「あれがですね」
「はい、富嶽です」
「確かに巨大ですね」
「惑星程の大きさがあります」
日本の言葉は誇張ではなかった。確かにモニターを見る限りそれだけの大きさがある。
その富嶽を見ながらだ。エルミーは息を飲んだ。
「あれが星を襲えば」
「ひとたまりもありません」
「そうですね。だからですか」
「帝がおられます」
そしてだとだ。日本はエルミーに話す。
「そのうえで防がれているのです」
「そうですね。それでは」
「今ああして舞われ」
それ自体が儀式だった。
「そのうえで」
「そうです。それでは」
「富嶽を」
富嶽は星に近付いていた。長門はその富嶽の前にいる。そうしてだ。
富嶽にもその舞と音楽が入ってきたのか。それを受けて。
次第にその動きを緩めゆっくりと反転して。それからだ。
何処かに泳ぎ去ってしまった。そこまで見てだった。
エルミーは唾を飲み込んでから。こう言った。
「去りましたね」
「はい、今回も助かりました」
「日本帝国はいつもあの大怪獣と対峙しているのですか」
「その通りです」
日本もモニターから消えていく富嶽を見て言う。
「今その研究を開始していますが」
「富嶽に対しての研究ですか」
「調べてみたところ富嶽は銀河に一匹しかいません」
「一匹だけ!?」
「そうです。大怪獣自体もです」
銀河に何匹かいるその大怪獣達もだ。どうかというのだ。
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