ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

広大なフィールドで行われるファーストステージ
一人残されたミライは負けられない状況に追い込まれてしまう
そんな中始まったファイト
ミライは焦りからうまくファイトを進められずいたが 

「ミツキ………タツマ………」
チームメイトの二人が破れたことで何としても負けられなくなったミライ
現在の所有ポイントを確認していると
「っ！」
近くにファイターがいることを示す通知、ミライが顔を上げると目の前から歩いてくる宮永アカリの姿があった

Turn::22 祈る光

「おっと、ここで新導ミライ選手と宮永アカリ選手のマッチング」
放送席もこの一戦に注目していた
「もしここでミライ選手が破れてしまった場合、チームフォーチュンライトは失格となってしまいます」
「このプレッシャーは大きいぞ、並のファイターならプレッシャーに負けて、本来の力を発揮できず負けてしまうこともあり得る」
真剣な表情で中継画面を見つめるクロノ
「ミライ選手のお父さんとしては気が気でない感じですかね」
実況の言葉にクロノは目を丸くするが
「今の俺には何もできませんよ、できるのはただこのファイトを見守ることだけです」
観客席にいるトコハもクロノと同じ気持ちで胸の前でこぶしをぎゅっと握っていた
「ミライ………」

「「スタンドアップ！ヴァンガード！」」
惑星クレイ、ユナイテッドサンクチュアリの光の神殿
まばゆい光に照らされたこの場所で対峙するミライとアカリ
「クロノ・ドラン・G！」
「リトルウィッチ ルル！」
アカリのクランはオラクルシンクタンク
魔術や占術に長け科学的推測も交え情報を集める神聖なユニットたち
「ライド！神宮衛士 ツナガイ」
ツナガイはスキルを持たないパワー8000のユニット
効果を持たない分他のユニットよりもパワーで優れ特にこうしてライドすれば相手の速攻に対する抑制力になる
「ライド！クロノエトス・ジャッカル！クロノ・ドラン・Gは移動、ヴァンガードにアタック！」
クロノエトス・ジャッカルがツナガイに杖を振り下ろす
【クロノジェット・ドラゴン・G】トリガーなし
「ダメージトリガーチェック」
【神宮衛士 アスハ】トリガーなし

「この場面でツナガイにライドしたことが生きてくる」
「と、言いますと」
クロノの言葉に実況は首を傾げていた
「互いのヴァンガードのパワーが互角なら、攻撃側はファーストヴァンガードを斜めに下げ、同じグレードの2枚目や、リアガードにいることに意味のあるトリガーなんかをコールして速攻を仕掛けることが出来る、けどこの場合ファーストヴァンガードを下げる位置が真後ろに限定され、リアガードをコールしたとしても手札を無駄にするだけになっちまう」
「なるほど、だから抑止力、ですか………」
先程のことも踏まえてクロノの説明を理解し頷く実況

「神宮衛士 アスハでヴァンガードにアタック」
アスハの手にある2丁拳銃が乱射されクロノエトス・ジャッカルへ向かっていく
【ダーク・キャット】トリガーなし
アスハの放った弾丸が次々クロノエトス・ジャッカルに直撃していく
【スチームメイデン メラム】トリガーなし
「クロノビート・バッファローでヴァンガードにアタック！」
轟音を上げながらアスハへと向かっていくバッファロー
「ドライブチェック」
【クロノセラピー・ハムスター】ヒールトリガー
「ダメージ1枚回復」
腕を勢いよく振り上げた後アスハに全力で叩き込むクロノビート・バッファロー
【ローズレッドウィッチ クク】トリガーなし

「おっと、静かなファイトでしたがここにきて動きがありました、ヒールトリガーによってお互いのダメージは2対0、これでミライ選手かなり優勢となってきましたね」
「まだだ」
確かにダメージだけ見ればミライ優勢に見える、だが

「私の全力はここから、深き紅の戦乙女、暗雲を引き裂け！ライド！」
杖を持った赤い髪のユニット
くるりと回って見せると杖を構えた
「スカーレットウィッチ ココ！ルルのスキル、グレード3にライドした時、リアガードに移動し、リアガードに登場した時、ソウルブラスト2を支払い1枚ドロー、そしてココのカウンターブラスト、ソウルのカード1枚以下なので2枚ドロー」
一気に手札を増やしてきたアカリ
大量の手札を揃える戦術はオラクルシンクタンクの得意とするところ
特にアカリのウィッチデッキはこのようにスキルを連携させ瞬間的に手札を増やすことが可能になる
「神凪 シナツヒコをコール、ルルのブーストでヴァンガードをアタック」
シナツヒコが両手を構えると光で彩られた鉄扇のようなものが浮かび上がり
飛び上がったシナツヒコが両腕を勢いよく広げその光を飛ばしてくる
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
「ココでヴァンガードにアタック！ソウルが0なのでスキルでパワー+3000」
ミライは手札を見た、ここでガードすることもできるが
「（こんな序盤からガードしていたら手札がなくなる………長期戦は向こうが有利………）ノーガード！」
「ツインドライブ」
【ロゼンジ・メイガス】ヒールトリガー
【エメラルドウィッチ ララ】トリガーなし
ココの放った真紅の光がクロノビート・バッファローの巨体を飲み込む
【ディレイドブレイザー・ドラゴン】トリガーなし
手札を一気に増やしダメージも回復
これで状況は一気に逆転、しかも
「スタンドアンドドロー………っ」
ミライはドローしたカードと手札を見て眉を顰める
今の彼女の手札のほとんどはグレード0
これは明らかに長期戦を狙いに行く手札だ
だが長期戦は向こうの得意とするところ
自然と手に力が入っていた

「ミライ………」
そんなミライを中継越しにトコハが見守っていた
あまりよくない手札に仲間たちがドロップゾーンに行ってしまったこの状況
プレッシャーがミライにのしかかっていた

「ストライドジェネレーション！超刻龍 ファンロン！」
この状況を打破するためミライは思い切った作戦に出ることにした
「ストライドスキル！スチームテイマー アルカをコールしてタイムリープ！ディレイドブレイザー・ドラゴンをスペリオルコール」

「おっと、何と完全ガード能力を持つアルカをタイムリープのコストに使ってしまった」
「手札が良くないのか………けど、ファンロンの効果で回収できる、一概に無謀とも言えない」

「クロノ・ドラン・Gのスキル、山札からルガル・ウレをスペリオルコール、ディレイドブレイザー・ドラゴンのスキルで自身をタイムリープ、クロノジェット・ドラゴン！」
スキルを駆使して一気にユニットを揃えてきた
しかも使った手札はここまでアルカ1枚のみ
「ドキドキ・ワーカーをコール、そのドキドキ・ワーカーのブーストでルガル・ウレがアタック！」
ルガル・ウレの蛇が牙をむいてココに襲い掛かった
【スカーレットウィッチ ココ】トリガーなし
「ファンロンでアタック！ドキドキ・ワーカーのスキルで1枚ドロー！パワー+5000」
ファンロンの攻撃が光の筋となってココへ向かっていくが
「ジェネレーションガード、来光神鷹一拍子、更にサイキック・バードでガード」
二体のユニットが翼を広げココを守ろうとする

「えっ？ここでガード！？」
「ギアクロニクルを相手にする場合、中盤のストライドに特に警戒しなければならない、手札を一気に使わないで済むうちにダメージを少なくしてあとの攻撃に備える、カウンターブラストを使わないなら間違った選択肢じゃない」
思わず素で驚く実況にクロノが助け舟を出す
ネクステージを筆頭に2回目のストライドは強力なユニットが多い
それらに対抗するなら早い段階でガードしておくのはありだ

「トリプルドライブ」
【クロノエトス・ジャッカル】トリガーなし
【ラッキーポッド・ドラコキッド】ドロートリガー
「ゲット、パワーをクロノジェット・ドラゴンに与えて一枚ドロー、サードチェック」
【クロノジェット・ドラゴン・G】トリガーなし
「グレード3の十二支刻獣がめくれたのでルガル・ウレのスキル！タイムリープ」
クロノジェット・ドラゴン・Gが姿を現しココへ向かっていく
「ダーク・キャットでガード」
クロノジェット・ドラゴン・Gの攻撃は防がれたもののクロノジェット・ドラゴンが真っ直ぐココへと向かっていく
この攻撃までガードする余裕はなかったようでノーガード
クロノジェット・ドラゴンの蹴りがココの腹を直撃し大きく後退る
「二体のクロノジェットは山札へ戻り、ルガル・ウレとディレイドが帰還、ターン終了」
手札を増やしながら連続攻撃でアカリの手札を削った
一見うまく立ち回っているように見えるがまだ油断はできない
「ストライドジェネレーション、フローラルウィッチマスター ミミ」
ストライドしたミミは光を纏いながらクロノジェット・Gを見下ろした
「スキル発動、手札のアクアウィッチ ネネをドロップし、あなたは手札を2枚捨てるか、1ダメージ受けるか選ぶ」
その言葉にミライは一瞬ためらうが手札を捨てることを選び2枚のラッキーポッド・ドラコキッドをドロップゾーンへ送った
「サイキック・バードをコール、スキルでドロー、エメラルドウィッチ ララをコール、スキルで手札を1枚捨てドロー、サイレント・トム、ネビュラウィッチ ノノをコール」
ユニットを並べ攻勢に転ずるアカリ
サイレント・トムはグレード0でのガードを封じる強力なユニット
今はまだパワーが不十分だが早々に対処しなければその存在は後々響いてくる
「ルルのブースト、シナツヒコでアタック」
「ガード！」
シナツヒコの放った光を受け止めるクロノボレー・ラビット
「ノノのブーストしたフローラルウィッチマスター ミミでアタック」
強烈な光がクロノジェット・ドラゴン・Gに浴びせられる
【神凪 シナツヒコ】トリガーなし
【ネビュラウィッチ ノノ】スタンドトリガー
「シナツヒコをスタンド、パワーはサイレント・トムへ」
【神宮衛士 ツナガイ】トリガーなし
「ダメージトリガーチェック」
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
「ソウルブラスト、ノノを山札へ、シナツヒコでアタック」
「ディレイドでインターセプト！」
シナツヒコの放った光をディレイドが受け止める
細かく刺さった光に悲鳴のような声を上げていた
「ララのブースト、サイレント・トムでアタック」
「ジェネレーションガード！遡る時乙女 ウルル！スキルでメラムとドキドキ・ワーカーをデッキに戻す」
何とかイーブンの状態を保ったままアカリのターンを守り切った
だが状況は苦しいままだ
それに精神的な面でアカリは落ち着いているのに対しミライは仲間たちを救いたいという肝から焦りと不安が先ほどから拭えずいる
「（落ち着いて………不安なのは私だけじゃない………手札6枚………あれを今あるカードで削り切るなら）」
大きく深呼吸してアカリを見据えるミライ

「（ミライの目つきが変わった………精神的に追い込まれて気持ちを持ち直したか）」
そんなミライの様子を見てクロノは笑みをこぼしていた

「それでこそ私たちの娘よ、行け！ミライ！」
今まで不安そうだったトコハの表情も笑顔に変わった

「ストライドジェネレーション！超刻獣 スプリット・ペガサス！」
嘶きと共に現れたスプリット・ペガサス
いつもならこのGユニットは序盤で使っていたが………
「ヒストリーメーカー・ドラゴン、クロノエトス・ジャッカルをコール！スプリット・ペガサスのスキルでネクステージを表に、ルガル・ウレをデッキに戻し、スチームメイデン メラムとスチームスカラー ジジをコール、ジジの効果で1枚ドロー」
スキルで盤面を整え攻撃の準備を行うミライ
「（あの布陣………彼女の狙いは！）」
「ジジのブースト！メラムでアタック」
剣をボード代わりに突っ込んでいくメラム
「サイキック・バードでガード！」
そんなメラムに向けてサイキック・バードが突っ込んでいく
「メラムのスキルで自身を山札へ送りドキドキ・ワーカーをスペリオルコール、クロノエトス・ジャッカルのブーストしたヒストリーメーカーでアタック！スキル発動、ジジをタイムリープしてルガル・ウレをスペリオルコール！」
「（これ以上手札は使えない！）ノーガード！」
ヒストリーメーカー・ドラゴンの剣でココが切り裂かれる
【アクアウィッチ ネネ】ドロートリガー
「ゲット！ダメージトリガーの効果で1枚ドロー！パワーはヴァンガードに！」
「ならこのままスプリット・ペガサスでアタック！ドキドキ・ワーカーのスキルでパワー+5000！1枚ドロー！」
「完全ガード！」
調停者 アメノサギリがスプリット・ペガサスの攻撃を防いて見せる
「トリプルドライブ」
【クロノクロウ・モンキー】トリガーなし
【クロノジェット・ドラゴン】トリガーなし
【クロノファング・タイガー・G】トリガーなし
「ルガル・ウレでサイレント・トムにアタック」
「シナツヒコでインターセプト」
ミライの猛攻をしのぎ切ったアカリ
いつの間にか彼女も余裕がなくなってきている
そしてミライは今のターンの攻撃で舞った汗が彼女の赤い髪を輝かせていた
「ストライドジェネレーション！フローラルウィッチマスター ミミ！ネビュラウィッチ ノノを捨てて再び効果発動！」
手札を捨てるかダメージを受けるかの二択
だがミライは迷うことなく選択した
「受けるわ、1ダメージ」
「なっ！」
白い光が雷のようにクロノジェット・ドラゴン・Gを撃つ
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】
※ミミの効果で受けたダメージではトリガーは発動しません、トリガーではありませんが念のため
「エメラルドウィッチ・ララをコール、1枚ドロー………くっ」
どうやら引きが良くなかったようだ
「ルルのブーストしたララでヴァンガードにアタック！」
「ノーガード、ダメージチェック」
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
「フローラルウィッチマスター ミミでアタック！」
サイレント・トムが残った状態でのアタック
トリガー次第では窮地に陥ってしまう
だがミミの攻撃に割って入った存在にアカリは目を見開いた
「ジェネレーションガード、時空竜 ヘテロラウンド・ドラゴン、サイレント・トムを山札へ戻しシャッフル、山札の一番上のカードをコール」
シャッフルで出てきたカードはダーク・キャット
その効果で互いに1枚ずつドローする
「さらにラッシュ・ボアでガード」
「トリプルドライブ！」
【調停者 アメノサギリ】トリガーなし
【神凪 シナツヒコ】トリガーなし
【ネビュラウィッチ ノノ】スタンドトリガー
「スタンドしたララでアタック！」
「クロノクロウでガード」
「ララのブーストしたダーク・キャット！」
「クロノクロウ、クロノエトスでガード」
追撃もすべて防ぎ切ったミライ
もうその表情に先ほどまでのような焦りはなかった
「ストライドジェネレーション！」
ギアグルービーが稲妻を奔らせ姿を現す
「ファンロンとネクステージのスキルを獲得、ルガル・ウレでヴァンガードにアタック！」
「シナツヒコでガード！」
ルガル・ウレの蛇を鉄扇でたたき落とすシナツヒコ
「ギアグルービーでアタック！」
「ジェネレーションガード！来光神鷹一拍子！更にノノでガード！」
ミライの渾身の攻撃を防ぎにかかるアカリ
「トリプルドライブ」
【クロノファング・タイガー・G】トリガーなし
「グレード3の十二支刻獣！」
「タイムリープ！クロノジェット・ドラゴン！」
クロノジェット・ドラゴンが再び姿を現す
これでミライは残ったヒストリーメーカーと合わせあと2回アタックできる
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
「なっ！」
更に左右のリアガードにクリティカルが
これでアカリは左右のリアガードどちらも防がなくてはならなくなった
「まだよ！私はダメージ4！まだ1枚受けられる」
「獲得したファンロンのスキルでジジをスペリオルコール！更にネクステージのスキル！再び立ち上がり我が運命を導け！クロノジェット・ドラゴン・Gでヴァンガードにアタック！」
真っ直ぐ向かってくるクロノジェット・ドラゴン・G
ノーガードで受けるならばここしかない
「ツインドライブ！」
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
【ドキドキ・ワーカー】クリティカルトリガー
「そんな！」
「いっけー！」
クロノジェット・ドラゴン・Gの渾身の攻撃がココを殴り飛ばした
【スカーレットウィッチ ココ】
【アクアウィッチ ネネ】

ドロップゾーンへと落ちていくアカリ
入れ替わりにタツマとミツキがドロップゾーンから復帰してくる
「ミライさん………」
俯く二人をミライは黙って抱き寄せた
「おかえり、二人とも」
ファーストステージはまだ始まったばかり
ミライたちの挑戦はある意味ここから始まったと言えるだろう 

次回予告
「次こそは俺らも活躍してやるぜ」
「いつまでもミライさんに頼ってばかりじゃいられないですから」
「ふふっ、期待してるね」

turn:23 戦士たちの挽歌

「けど、まずはお昼ご飯ね」
「なんかもどかしいけどな、ミツキが失った分のポイント取り返さないといけねぇし」
「なんかむかつく言い方、っていうかお互い様ですよね」