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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0228話『佐渡の着任』

 
前書き
更新します。 

 





第二海域を攻略した翌日に私は択捉、松輪、対馬の三人と正門へと集まっていた。

「少し嬉しいかもです。対馬が来たばかりですのにもう佐渡も来てくれるんですから!」
「そうだね、択捉ちゃん……」

択捉と松輪がそう言って笑顔を浮かべている。
そう、今日は第二海域攻略完了のあかつきに大本営から報酬艦として択捉型海防艦の佐渡が私達の鎮守府へとやってくる日なんだ。

「……司令。対馬も先日に救出していただきありがとうございます……ふふふふ」
「そ、そうか。それならよかった」

対馬は少しだけ不思議な笑い方をするけどこれが素なんだろうな。慣れないといけないな。
そんな感じで車が来るのを待っているんだけど、

「まだ来ないようですから少しだけ雑談でもしていましょうか司令」
「そうだな、択捉。それじゃ対馬の話でもしようか」
「対馬の事ですか……? 司令も対馬に興味がおありなんですね……うふふふふ」
「そ、そうだな……。うん、仲間になったばかりなんだから知っておくのもいいと思ってな」
「そうですか……」

少しだけ妖艶さも感じられる笑みを浮かべる対馬。この容姿でこんなに精神年齢が高いと少しだけちぐはぐな感じだよな。
択捉と松輪が普通の女の子をしているから余計にそう感じられる。
それで少しだけ調子を狂わされるもそれからは択捉達も対馬の性格を把握してか私に話を合わせてくれてなんとか色々と聞き出すことが出来た。
うん、少しだけ有意義な時間だったな。
すると前方から一台の車が走ってくる。
おそらくあれが噂の佐渡が乗っている車なんだろうな。
車が正門の前で停止して運転手が降りてきた。
その人はいつもうちの鎮守府に艦娘を送り届けてくれる軍の人だったので、

「お久しぶりですね、元気そうでなによりです」
「そういう提督さんこそまた活躍していて羨ましい限りですよ。ははは!」

軍の人はそう言って軽快に笑う。

「それでは話もなんですので大本営からの贈り物をお届けに参りました。さ、降りてきなさい」
「わかった! おっちゃん、ここまで送ってくれてありがとな!」

車の中から少しやんちゃそうな音色が感じられる声が聞こえてきた。
そして中から思った通りな感じの活発な少女が出てきた。

「あたしは佐渡様だ! よろしくな、司令!」
「ああ、よろしくな佐渡」
「いっひひ。優しそうな指令でよかったぜ。って、おわっ! えとにまつ、つしもいるのか!?」

佐渡は私の後ろで待機していた三人を見つけて驚きの表情を浮かべている。
みんながいるのに驚いたんだろうな。その気持ちはわかる。
佐渡の反応にまず択捉が前に出て行って、

「ええ。久しぶりですね佐渡。会えて嬉しいですよ」
「お久しぶりです、佐渡ちゃん」
「対馬も昨日に配属になったばかりですが……少しだけ先輩ですね、うふふ」
「そっかー! みんながいるならこりゃこれから楽しくなりそうだなー」

佐渡はそんな感じで笑みを浮かべている。

「それじゃ指令。佐渡様はこれからどうすればいいかい?」
「そうだな。それじゃ択捉、それに松輪に対馬の二人も最近新設した海防艦専用の寮へと案内してやってくれ」
「わかりました! それじゃ国後さんと占守さんにも知らせてきますね! さ、行きましょうか佐渡」
「おうよ! えと、案内頼むぜ。それじゃ指令、また後でなー」
「わかった。後で君の荷物も届くだろうから届いたら知らせるよ」
「ありがとな!」

四人はそれで笑みを浮かべあいながら海防艦寮へと向かっていくのであった。
それを私と軍の運転手さんとで見送りながら、

「しかし……艦娘というのは不思議なものですね。あんな駆逐艦の子よりもわりかし小さい姿で戦えるのですから」
「それには同感です。それでも過去の艦船の時代の記憶を持っていますから侮れませんからね」
「そうですな。あんな子供の姿をしていますが私よりも年齢は上なのですから見た目では判断しかねますしね」
「それもそうですね」

そんな感じで運転手さんと雑談をしながら少しの時間が経過して、

「それではそろそろ私も帰らせてもらいますね。また報酬の子が出ましたら送りに来ますので」
「はい。その時もまたよろしくお願いします」
「では失礼します。これからも頑張ってくださいね、珍しい女性の提督さん」

運転手さんはそんな感じで正門から車に乗って去っていった。

「珍しい女性の提督さん、か……やっぱり女性は少ない方なんだろうな」
《そうみたいですね。久保少佐も珍しい部類なんでしょうね》
「そうだな。七海ちゃんも海軍に入るって言っているけど狭き門なんだろうな」
《いつもたまに町で会う女の子ですね》
「ああ。提督になるために勉強しているけどまだまだ小学生だから先の話になる感じだよな」
《七海ちゃんが不安ですか……?》
「いや? 後輩になるのなら色々と教えてあげたいとは思っているよ」
《そうですね。きっと、七海ちゃんも喜ぶと思います》
「この作戦が終わったら町に会いに行ってみるか……」
《提督? 少し死亡フラグが立ちますからそういう発言はやめておいた方がいいですよ?》
「おっと……そうだな。いかんいかん、まだ気を緩めていい段階じゃないからな」

榛名とそんな会話をしながらも明日からは第三海域の攻略をしようと私は考えていたのであった。




 
 

 
後書き
前半は佐渡様で後半は榛名との会話でした。




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