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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第二十八話 イゼルローンを血に染めて


同盟側です。

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第二十八話 イゼルローンを血に染めて

宇宙暦787年年 帝国暦479年9月

■イゼルローン要塞     同盟軍イゼルローン遠征隊

 自由惑星同盟は銀河帝国の最重要の軍事拠点たるイゼルローン要塞を攻略すべく、第4次の遠征隊を派遣した。
遠征隊がハイネセンを出発し回廊内に進入したのは宇宙暦787年9月12日のことであった。
同盟軍参加兵力、第4艦隊14500隻、第7艦隊14300隻、第12艦隊13400隻。合計42200隻兵員439万6000名であった。同盟軍第4艦隊司令官サダ中将、第7艦隊司令官シンクレア中将、第12艦隊司令官ロボス中将であった。

 回廊進入直後の9月13日、第4艦隊旗艦アキレウスでは事件が起こっていた、サダ中将が急性腹膜炎で指揮を執ることが不能になったのだ。
緊急の事でサダ中将は後送され変わって副艦隊司令官クラドック少将を戦時特例で中将待遇とし指揮を任せていた。

 第4艦隊旗艦アキレウス艦橋ではクラドック中将がほくそ笑んでいた。
俺にも運が向いてきた、此所で活躍すれば中将になり艦隊司令になれる、
しかも第4艦隊が先頭だ、戦力も敵の3倍ほどだ勝ち戦になるぞ。

オペレーターの報告で我に返る。
「要塞より敵艦総数凡そ15000隻、敵艦隊此方へ向かってきます」
ふっ艦隊数はほぼ同数いける!

「よし射程に入り次第砲撃する、そのまま要塞まで押しきるぞ」
参謀長が意見する「もっと引きつけてから攻撃をした方が良いですが」
ちっ此奴自分が司令官に成れなかったからと、嫉妬してじゃまする気か。

「参謀長戦いは気勢を持った方が勝つのだよ、消極的な言動は慎みたまえ」
「・・・・」
「敵艦隊射程内に入りました」
「よし全艦撃て」

艦隊から放たれたビームが次々と敵艦に命中していくが、大半がシールドで防御される。
「ちっ弾いたか、全速前進間合いを詰めろ!」
参謀長が苦虫を潰したような顔をしていやがる馬鹿にしやがって。

「敵艦隊発砲、直撃来ます」
突っ込んだ先頭部隊がシコタマ叩かれる、不味い俺の経歴に傷が付く!
「全艦突撃撃って撃って撃ちまくれ!」

いいぞ敵に損害が出てきている、ジリジリ圧力を受け後退していく、特に右翼の敵はばらけ始めているな。
「敵右翼に攻撃を集中せよ!」
右翼の乱れが激しくなってきた、良しいけるぞ。

参謀長がまた余計なことを意見して来やがった。
「司令、第7、第12艦隊と連携を取りませんと隊列が伸びすぎます」
「黙れ!今は押してるんだ。此処で止まれば敵が持ち直す、そんなことも判らんのか!」
 
オペレーターの声が響く。
「回廊危険宙域ギリギリから敵艦隊凡そ2000、我が艦隊左翼に攻撃」
馬鹿野郎余計なことを言いやがるから、見逃したじゃないか!
「敵は最後の足掻きだ、撃って撃って撃ちまくれ!」

「第12艦隊ロボス中将より入電『先走るな隊列を立て直しつつ後続部隊との連携を保て』」
「司令敵の動きを見極めませんと」
「返信はどうなさいますか?」
「無視しろ!」
「司令ロボス中将が最先任です命令に従わないと」
「黙れ!俺に意見するな!」
「しかし」
ちっ!勝ったら参謀長は真っ先に首だ!五月蠅い奴はいらん!

「ロボスが先任だろうが、艦隊司令官は俺だ!今は同格の中将だ関係ない!」
ロボスの奴俺だけ手柄を立てるのに嫉妬してるらしいな。

「敵壊走を始めました」
「ようし行けるぞこのまま敵艦隊と追走して要塞に肉薄しろ!」
要塞砲は此で使えんよ。
「司令!!」
「なんだ?」
「敵艦隊天頂方向へ急速上昇、要塞表面から光が!」

「司令急速後退をトールハンマー来ますー!」
「直撃来ます・・・・・・・・・・!!」

馬鹿な俺の野望が・・・・・・・・・・

次の瞬間第4艦隊旗艦アキレウスはその周りにいた僚艦共々原子の粒として消え去った。


 第12艦隊旗艦ペルーンではロボス中将がその閃光を見ながら唸っていた。
クラドックの阿呆が!
「参謀長第4艦隊の残存部隊に速攻で後退せよと命令出せ」
「はっただちに」

「トールハンマー第2波来まーす!」
またも沈む第4艦隊の各艦、最早組織的な動きも出来ない状態でバラバラに撤退してくる。
「第4艦隊生き残りの最先任を探して撤退指揮を行わせろ」

悲鳴のようなオペレータの声が響く。
「敵艦隊天頂方向から再度攻撃来ます!」
「要塞表面から敵艦隊出現しました」

「参謀長敵は更に艦隊を隠していたらしい、不味いぞこれは。」
「司令官閣下いかが致しますか?」
「第4艦隊残存はティアマト星系まで後退させろ、第7、第12艦隊で敵を防ぎつつ後退だ」

「第4艦隊分艦隊旗艦タケミカヅチ確認」
「阿呆の旗艦じゃないか、誰が指揮を執ってる?」
「パストーレ准将です」

「パストーレに第4艦隊を纏めてティアマト星系まで兎に角逃げろと連絡しろ!」
「諒解」
「第7艦隊のシンクレアに連絡を」

「シンクレア此は不味いぞ、敵の数が予想以上だ」
「確かに、阿呆のせいで作戦も滅茶苦茶だ」
「さすがにもう無理だろう」
「だな」
「俺とお前で繰り引きながら後退だ」
「判った」

嵩にかかって追撃してくる帝国軍特に、イゼルローンから出てきた艦隊は凄い勢いで追ってくる。
しかしロボスとシンクレアの逆檄に会い戦果を余り挙げられずに終わった。

同盟軍の4回目のイゼルローン攻撃は失敗に終わった。
同盟軍の損害
第4艦隊旗艦アキレウス以下6437隻、兵員61万3877名
第7艦隊1177隻、兵員7万5887名
第12艦隊1261隻、兵員8万4522名

またしても同盟軍の敗北に終わった。
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ムーア+(ホーランド÷3)=クラドック中将と言う感じ。
 
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