八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十話 最後の花火その三
「それだからこそね」
「それだけ蚊が怖いんだね」
「毒蛇や蠍程じゃなくても」
「それでも怖いね」
「そうよ、だから蚊取り線香も置いたの」
「これだけ置けば大丈夫でしょ」
ダオさんは置いた上で火を点けた蚊取り線香達を見つつ言った。
「蚊はね」
「そうね、これだけあったらね」
ラブポーンさんも応えた。
「安心していいと思うわ」
「じゃあこれで心置きなくね」
「花火はじめましょう」
「三人でね」
こう話してだ、三人でそれぞれ先に火を点けてそこから花火が出る持つタイプのそれをはじめた。そうして遊んでいてだ。
ダオさんは自分が持っている花火の先が燃えるのを見ながらだ、僕とラブポーンさんにこんなことを言ってきた。
「正直ダオって打ち上げ花火の方が好きなのよ」
「ああ、あっちの方がなんだ」
「ダオは好きなのね」
「ええ、けれどね」
そちらの方が好きと言いながらこうも言ってきた。
「こっちの花火も好きなのよ」
「嫌いじゃないんだ」
「ええ、これはこれで風情があって」
その燃え盛る花火達を見つつ僕に答えてくれた。
「それでね」
「嫌いじゃないんだね」
「そうなの」
こう話してくれた。
「見ていて楽しくなるから」
「あの花火は派手でね」
ラブポーンさんも自分が持っている白く激しい火花を噴き出しているその花火を見ながらダオさんに応えた。
「こちらの花火は風情があるわね」
「そうよね」
「派手っていうかね」
「こうした時に遊ぶものよね」
「皆でね」
「そうしたのよね」
ダオさんはまた言った。
「こうした花火は」
「ええ、それでだけれど」
「それで?」
「いえ、次は何の花火を出そうかなってね」
「そのことも考えてたの」
「何がいいかしら」
ダオさんのその目を見て尋ねていた。
「それでね」
「そうね、ロケット花火とか?」
「そっち?」
「そうする?」
「じゃあ次はね」
ラブポーンさんはダオさんに応えて話した。
「打ち上げ花火ね」
「それにしましょう」
「あとね」
「あと?」
「ねずみ花火もね」
ロケット花火以外にもというのだ。
「出しましょう」
「ロケット花火の後は」
「全部使うけれど」
今持っている花火はというのだ。
「次はね」
「ロケット花火、そしてねずみ花火」
「それでまたこうした持つ花火」
「それでいくのね」
「それで最後は」
その時に遊ぶ花火はというと。
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