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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『男子部屋/岩さんと卓球勝負あるある』7-3

「そんな血相変えてどうした小野」

平然とレディに話しかける最藤君って小野君!? このレモン柄レディが小野君っなのかい!?
小野君と最藤君の顔を交互に見る。二人ともこくこくと首を縦に動かしている。そ、そうなのか……髪型が違うしメイクもしていないから全然分からなかったよ…。女性は化けるというけど本当だねーとまったり話している場合ではないらしい。鬼の形相の小野君が「とにかく来てだし」と走り出してしまった。
口では「めんどくせーな」と言いながらもマッサージチェアから降りて最藤君と飯野君も後を追いかける。もちろん僕様もね。

「ここだしっ!!」

先に到着していた小野君が立っていた場所。そこは。

「俺達の部屋じゃないか」

僕様達が泊まる予定だった客室でした。この部屋になにがあると言うんだい? と小野君に聞いてみたけど、中を見てだし!! の一点張りで全然話を聞いてくれない。イラついた最藤君がもういいっと引き戸を開ける

――そこには

「―――」

うつ伏せになり倒れている千代紙君の姿が。こちらに向けている顔、瞳からは涙が流れ、口からは唾液が垂れている。彼女の利き手、上へあげられた右手の人差し指はなにか茶色い液体が付着、その下の畳には茶色い液体で

≪バナ(よこぼう)

と書かれていた。こ、これはっっっ!!!

「殺人事件じゃないか!!!?」

叫んだのは鬼……みたいに怖い顔の岩君だった。君の声は山でヤッホーと叫ぶ登山家並みに大きいね。今は夜更けだ。だから声のボリュームは下げてくれたまえ。頼むから。

「どうせ死んだふりか何かだろ。ほら起きろアホ」

「ああっむやみに触ったら」

最藤君が寝ている千代紙君を起こそうと近寄る…が様子がおかしい。彼女の手首に触れ脈を確かめたあたりからかな、ピタリと固まって動かない。どうしたのだろう。

「止まってる」

「はい?」

「脈が止まってる」

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇええ!!!?」」」」

まさか商店街のくじ引きで当てた旅行でこんな、友を一人失うことになるなんてっ!!

「みんなを集めてください」

「飯野君っ!?」

「っ。きっとこの中にっ」

震えているのかい? 千代紙君を失った悲しみで震えているのだねっ?

「ぷっ。犯人がいるはずですからっあははっ」

「笑うの我慢してただけ!?」

「いや~だって~。いくらネタに詰まったからって殺人事件はないでしょ~?
 旅館=殺人事件なんてもう使い古され過ぎて誰も使いませんよ~」

「そんな裏情報はいいんだよ! 卓球ネタしようと思ってたけど、実は卓球したことないし、そもそもルールすら知らねぇーや、やめぴっ☆ ってなったことは言わなくていいんだよ!!」

「おまえが今バラしているけどな」

し、しまったぁぁぁぁっぁあああ!!


※詰まった時は無理矢理に切り上げ別の話をすり込もう。 
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