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ヘタリア大帝国

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147部分:TURN14 マジノ線攻略その九


TURN14 マジノ線攻略その九

 マジノ線にも伝わった。それが伝わる頃にはだ。
 ドクツ軍はマジノ線を突破していた。それでフランスが仰天して叫んだ。
「おい、嘘だろ!」
「私もそう思ったのですが」
 フランス妹がだ。その仰天する兄に報告する。その彼女も驚きを隠せない顔になっている。そしてその顔でだ。兄に対して報告しているのだ。
「ですが間違いなく」
「事実なのかよ」
「はい、彼等はアルデンヌを越えました」
「あの宙域を軍艦でかよ」
「合わせて五個艦隊です」
 エルミーの艦隊のことは知られていない。
「そしてその五個艦隊がです」
「ここに向かってるってのかよ」
「はい、後方からです」
「くそっ、何てこった」
 フランスは無意識のうちに舌打ちした。そしてだった。
 そのうえでだ。こう言ったのだった。
「まさかそこから来るなんてな」
「幸いこのマジノ線を越えなければパリには向かえません」
 その場所に位置しているからだ。彼等とて愚かではなくそこに布陣しているのだ。
 だからだ。フランス妹もこう言ったのである。
「ですから」
「ああ、ただ後ろから来るのならな」
 それならばだと返すフランスだった。
「ちょっと場所を変えるか」
「布陣の場所をですか」
「ベネルクス方面から来る軍に対して」
「そうだ。そうするか?」
「それがいいですね」
 フランス妹もだ。兄の言葉に対して頷いた。かくしてだ。 
 マジノ線は少し移動してだ。ベネルクス方面、アルデンヌ方面それぞれから来る敵に対せる場所に布陣した。無論そこに位置する艦隊もだ。
 そこに移動させてからだ。フランスは同盟国達に言った。
「これで大丈夫だぜ」
「ああ。ただな」
 ここでイギリスがフランスに対して言った。
「まさかな」
「ああ。アルデンヌを越えるなんてな」
「そんなことができるとは思わなかったぜ」
 イギリスも驚きを隠せない顔だった。
「ドクツ軍はそこまでできるんだな」
「そうですね。恐らくですが」
 イギリス妹も冷静な顔だがそれでも言った。
「私達がマジノ線を動かすのは想定していたでしょうが」
「それでもだな」
「はい。あえて、見せる為にもです」
 ドクツ軍がアルデンヌの様な場所も突破できることをだ。見せる為でもあったというのだ。
「仕掛けてきたのでしょう」
「そうだろうな。やってくれるな」
 フランスはまだ驚きを隠せない様子だった。
「ドクツの奴等、よくもな」
「やってくれるな。ただな」
 ここでイギリスがまた言う。
「このマジノ線だけはな」
「そだな。そう簡単にはな」
「越えられへんで」
 オランダとベルギーもだ。マジノ線自体には絶対の信頼を置いていた。そうしてだ。
 迫るドクツ軍についてもだ。こう言うのだった。
「ここで勝つ」
「マジノ線があるさかいな」
「それじゃあ迎え撃つか」
 フランスが最もマジノ線を知っている。何故かというと。
 そのマジノ線を造ったからだ。だからこそ自信があるのだ。
 だからこそだ。今は落ち着きを取り戻してこう言えた。
「勝とうぜ」
「ああ、それじゃあな」
「勝ちましょう」
 イギリスとフランス妹が彼に応える。かくしてだ。
 連合軍はそのままマジノ線と共に布陣する。その彼等にドクツ軍が迫る。
 その中でだ。彼等は合流し一つになった。ロンメルはマンシュタインに対してモニターから言ってきた。
「敵も馬鹿ではありませんね」
「そうだな。我等がアルデンヌを突破したと見ればだ」
「ああしてパリの前に陣を移してきました」
「あわよくばパリを急襲するつもりだった」
 その考えもだ。マンシュタインは持っていたのだ。
「しかしだ」
「ええ。やはりですね」
「マジノ線は攻略するしかない」
「それじゃあの娘には働いてもらいましょう」
「デーニッツ提督」
「はい」 
 マンシュタインが言うとだ。モニターにエルミーが出て来た。
 
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