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ヘタリア大帝国

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143部分:TURN14 マジノ線攻略その五


TURN14 マジノ線攻略その五

「マジノ線の前に出る」
「で、おいら達はそのままマジノ線に向かうずらな」
「しかしそれでも」
「私達は攻撃は仕掛けない」
 シュテテルンは二人に告げた。強い声で。
「絶対にだ」
「攻撃を仕掛けるのはあの人達ずらな」
「僕達ではなく」
「そうだ。あの方達ならやってくれる」
 また強い声を出してだ。シュテテルンは言った。
「あの場所を突破してだ」
「そうずらな。けれどずら」
「よく考えつかれました」
 ルーマニアとブルガリアは今度はこう言った。
「あんなことはこれまで誰も考えつかなかったずらよ」
「その時点で驚きですが」
「私も驚いている」
 こう言いながらだ。何故かだ。
 シュテテルンは硬い感じだがそれでも整っているその顔に紅を入れてだ。そのうえで言ったのである。
「あの方はな。やはり名将だ」
「ドクツの誇るずらな」
「まさにですね」
「そうだ。あの方ならばやってくれる」
 確信の笑みさえ向けてだ。シュテテルンはルーマニアとブルガリアに話す。
「では兵を進めてだ」
「ああ、オランダとベルギーをやっつけるずら」
「そうしましょう」
「全軍戦闘用意」
 シュテテルンの命令が下った。
「いいな、そうしてだ」
「よし、わかったずら」
「攻撃開始ですね」
「ベートーベン提督、そしてギリシア殿にも伝えてくれ」
 彼女が率いるのは五個艦隊だった。ベートーベンは指揮下にあるのだ。
「敵軍を今より叩く。そのうえでだ」
「うむ、マジノ線に向かおう」
「そうするんだな」
 ベートーベンとギリシアもモニターに出て来た。そのうえでシュテテルンに対して応える。
「ではこのままだ」
「敵に向かう」
「敵の数は多い」 
 シュテテルンは言う。このことを。
「だがそれでもだ」
「そうだ。戦術と兵器の質だ」
 それが大事だと言うベートーベンだった。
「ましてや彼等はまだ旧態依然の戦術と兵器だ」
「我々はそこを衝きます」
 シュテテルンはベートーベンに答えた。
「そうしますので」
「では主力は貴官が率いだ」
「はい、提督は陽動をお願いします」
 こう話してだ。そのうえでだった。
 シュテテルン率いるドクツ軍は動きはじめた。まずはだ。
 シュテテルンとルーマニア、ブルガリア、ギリシアの四個艦隊が連合軍の八個艦隊に向かう。それを見てだ。
 ベルギーはだ。目を丸くさせて己の旗艦の艦橋から言った。
「何や!?あの速さは」
「はい、あれがです」
「ドクツ軍の速さです」
「あんな速い艦隊見たことないで」
 こうだ。ベルギーはエイリスの提督達に述べた。
「まるで流星やないか」
「そうです。そして攻撃力もかなりのものなので」
「御気をつけ下さい」
「数はこっちが優勢やけどな」
 ベルギーはこのことを頼りにしていた。だが。
 オランダはだ。こう妹に言ってきた。
「油断すな」
「それはわかっとんで」
「そんでも。この戦は」
 どうかというのだ。
「負けることが前提だ」
「そやな。ポッポーランドも北欧連合も負けてるんやな」
「どっちも数では優勢だった」
 そうだったというのだ。
「そんでもだ」
「負けてるさかいな。どこも」
「そんで勝てるっちゅうと」 
 自分達はどうかと言うオランダだった。
 
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