ヘタリア大帝国
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137部分:TURN13 オフランスへその十
TURN13 オフランスへその十
「ブーーー!総帥万歳ブーーーー!」
「ムッツリーニドウーチェ万歳!」
「万歳だブーーーー!」
こう叫ぶのだった。そしてだ。
その中にいるムッチリーニもだ。明るい声でこう言っていた。
「皆ーーーー、元気ーーーー?」
「はい、元気です!」
「明るく楽しんでます!」
「楽しんでるブーーーー!」
「何の悩みもないんだブーーーーー!」
人間達も豚達もだ。ムッチリーニにこう応える。
「皆総帥のお陰だブーーーー!」
「楽しくやってるんだブーーーー!」
特にだ。豚達がはしゃいでいる。それを受けてだ。
ムッチリーニもだ。明るくこう返す。
「じゃあ今日のムッチリーニはじめるねーーーー?」
「はじめましょう!」
「はじまるんだブーーーー!」
人間も豚も応えてだ。そのうえでだ。
明るく楽しいテレビ番組がはじまった。ムッチリーニの見事な歌に政策発表、後はバラエティの企画が続く。ムッチリーニの水着撮影の映像もある。
番組自体はいい。実に楽しい。しかしだ。
その番組の後でだ。陽気にパスタとワインを楽しむムッツリーニだ。相席している少女がこんなことを言ってきた。
オレンジの軍服はムッチリーニと同じだ。装飾も金色だ。だがマントは白になっており手に持っている帽子はムッチリーニの黒いものではなくイタリン軍の制帽である。
金髪を短くしているが頭の天辺から飛び出た、所謂アホ毛がある。眼鏡の奥の目は青くしっかりとした目である。やや童顔の感じでしかも何か必死な表情をしている。肌は白く目鼻立ちは整っている。だが胸はなく比較的小柄である。
その少女がだ。ムッチリーニに言ってきたのだ。
「あの総帥」
「何、ユーリちゃん」
「ユリウスとお呼び下さい」
その少女ユリウスはその真面目な眉を顰めさせてムッチリーニに返した。
「いつも申し上げている様に」
「別にいいじゃない、これでも」
「よくありません。ただ、です」
「ただって?」
「今日の政策ですが」
「何か問題あったの?」
「労働時間ですが」
ユリウスはこのことをだ。ムッチリーニに対して言う。共にイタリンの料理を食べながら。
「今までは五時間でしたよね」
「うん、それを四時間にしたけれど」
「午前中だけになりますが。それか午後だけに」
「それでいいじゃない」
あっけらかんとした感じでだ。ムッチリーニはユリウスに返す。
「それでも」
「いえ、それでは仕事になりませんが」
「大丈夫よ。だって皆働いてくれてるから」
「そう言われるのですか?」
「だって。皆が八時間働いたらその分働けなる人がいるでしょ?」
「それはそうですが」
「だから。皆が働ける様にね」
その為にだとだ。ムッチリーニはユリウスに対してにこにことして話すのだった。
「四時間にしてその分ね」
「その分ですか」
「そう。皆が働ける様にしたのよ」
「総帥のお考えはわかりました。しかしです」
「けれどなのね」
「それでは本当に労働時間が短過ぎます」
ユリウスが言うのはこのことだった。
「やはり。賃金等の問題が」
「大丈夫よ。お給料は高いし。それにね」
「それに?」
「イタリンって豊かだから」
だからだと答えるムッチリーニだった。
「食べ物も何でも安く一杯買えるから」
「それで困らないというのですか」
「だからいいじゃない」
本当にだ。何の悩みもないといった顔で答えるムッチリーニだった。
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