HUNTER FUNG
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
世界
「・・・」
「・・・・よ」
「・・・ロン」
「シロン」
何度も何度も俺を呼ぶ声に目を覚ますと、赤色の絨毯に石タイルの床、目を上げていくと3段の階段があり登った先に横長のテーブル、上には大きな器の上にたくさん盛られた果物とコップがあり。その奥には一枚の長く白い布をを糞雑衣のように着こなす金色の髪と髭を長く生やした老齢な男性と、大きな葉っぱを持ちながら左右で仰ぐ女性がいた。天井は高く柱と柱の間も広く、ここはオスト帝国の王宮の謁見の間であった。
「なにをぼさっとしておるのだ。シロン」
低い叫び声が響き渡り、左右にいた侍女が目をつぶり震えた。
シロンはその声を聞き、より頭を深く下げた。
怒鳴り声では無く逆に大人しく冷たい声を出したのは、オスト帝国の国王オハチド。冷たい目で相手を見る事が多く、訪ねてきた人はどんなに荒々しく凶暴性な人格な人でも意見が言えなくなるほどの威圧感を持っている。
「あ・・・はい、王様」
汗だくになりながらも、気を失わずにオハチドに向かっていた。
しかしなぜだ、俺はさっきまでイスタロフと戦っていたのではないか・・・頭を打ちどこかおかしくなっていたのではないかと、意識を失いながら勝手に帰参したのか・・・ならまだ国がある王は無事・・・アクロテンは嘘なんだ。
そんな考え事をしている間に、オハチドは新たな言葉を発した。
「シロンよ、お主はこれから東の国へ行き、我が命を待て」
頬杖をつき足を組みながら見られる目線を受け動くこともままならず、返事すらできなかった。と言うより、どこかで聞き覚えのあるセリフだった。
「何をボサボサしている。さっさと行かぬか」
また王の身震いするような冷たい声を出されたので、シロンは慌てて謁見の間の間を後にした。
謁見の間を出ると長い廊下があり、そこを通るたびに幾度となく侍女とすれ違う。
「王宮には侍女がおいと聞くけど、こんなに多いとはな・・・」
何人と言うより何十人の侍女とすれ違ったのだろう・・・だがそんな時、前後を侍女で囲まれながら謁見の間へと進む人がいた。カンドゥーラのような被り物を頭の上から羽織り、服は布を片肩からトーガのように羽織った。長い白髪と顎鬚が特徴的な老体が向かい側から歩いてきてすれ違った。
どこかの法人なかしら・・・。
しかし、初見ではなく一度あの男にも見覚えが・・・と思いながらも王宮を後にし、東の国へと行く途中の山で野宿とった。
眠りについていた俺を、ドーンというものすごい地響きで目が覚めた。
「なんだ・・・地震か」
辺りを見渡していると、王宮に謎の雷が舞い上がっているかと思うと、急に光の柱が立ち上がった。
光の柱はだんだんと大きくなり、やがて周りを光で包み俺を飲み込んだ。
次に目を覚ますと、俺は布製のテントの中にいた。
慌てて起き上がろうとするも、体は傷を多いまた少し痺れた感覚があった。また隣には、壊れかけの鉄鎧があった。
鉄鎧がなぜ・・・これも無意識のうちなのか・・・
シロンは、目を閉じ直して体を休めようと眠りにつく。が長く寝ていたのかなかなか眠りに付けず、寝返りをしようにも身体が痺れて動かせない、また頑張って動かしてもキズが痛くて動かせない。
周りからは見知らぬ男の声がザワザワザワザワとたくさん聞こえてくる。
通りすがりの人々に助けてもらったのか、思いながら頭を落ち着かせようとした。
すると、ダルフやハルやイスタロフのことが気に掛かり出した。
無意識のうちに、国に戻ったとしてもあいつらは止めてくれなかったのか・・・負けた奴はいらないってか・・・それにイスタロフに負けるのはムカつくぜ、クソぉ。王宮に戻った時に聞いておくべきだった。さすがは王の威圧。本当に何も言えなかったあれじゃ国を出て行く時と変わらなかったじゃねえかよ。ちょっと待て、あの光景って俺がオストを後にする出来事じゃねえかよ・・・またあの夢を見ていたってことか・・・するとここは永遠の行軍のテントの中かぁ
その時、外からダルフやハルのような声も聞こえてきた。
「みんな聞いてくれ、俺は征政権の十二支の1人になることになった」
と中央に座った我峰が言った。2.5m位の身長に鎧甲冑。スキンヘッドの髪型だが、両肩から白い牙のような白髪の後ろ髪がよりそう。袈の話では牛を片手で持ち上げるほどの怪力を持ち、戦場では大名家の血筋ながらも先陣を駆け抜けていくほどの豪傑。戦の集結に伴い、長男ではなく跡継ぎ争いに巻き込まれるのを面倒とみ、旅へと出て行き。その後にイスタロフと出会って、永遠の行軍を作った。
「征政権の十二支・・・」
とイスタロフと馮今が難しそうな顔をして言った。
征政権
ユルシア大陸を南西にゴビドの海を超えた先に島がある。コルマト島。古代からの権力者が住む人工の島。金、技術、医療、力、産業、農業、工業など火の文明が一番に発達した国。また古代人類が捨てた最後の島とも言われている。大陸のあらゆる権力がこの島にあると言っても過言ではないのが征政権。
軍隊か国家権力か業界王しか居住を許可されない島である。
十二支
神から12の獣に位をあげられたと、言われる獣。子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の獣である。
征政権によって公認された12人。コルマト島への住民権が許され、またいろいろな業種での行為を特別に許された。が稀にある集会には必須参加の義務があり、出席しないと即多額賞金での指名手配がされる。
このメンバーになるには、「影響力」が一番重視されることが多く各界の有力者を選ぶことが多い。この中には、氏族や武家や格闘家や商いなどのその道などで強い支配力や権力を持つもの達の集まりである。
「す、すごいじゃないですか。さすがは我峰さん」
重たくどんよりとした空気の中、1人歓喜の声を上げるものがいた。
肌黒く背丈は2mはあるのに、身体は細く手足も細長い男が、大きく両手を広げて喚いた。だが
「おい、シュルスやい。静かにしなさんか。そう嬉しいことではない。首領がこのギルド「永遠の行軍」を抜けるのか残るのか、進退を決めているのだ」
この白髪の男。ホワイン。
名のある剣の使い手として有名。また永遠の行軍の中でも尊敬の念が強く影の長ともいえる存在だ。
「あ・・・・う」
ホワインに言い止められ、シュルスの浮き足になったお祭り気分も沈静し、また部屋にどんよりとした空気が流れた。
「そのことなんだが、俺は加入をすることを決めた。そしてギルドは継続するが、中途半端でケジメが付かないため、ギルドの長であるイスタロフに首領の座も譲ろうと思う」
我峰は、真顔でみんなに言い終えると、イスタロフの方をゆっくりと見た。
「・・・・そんな見んでくれ、結局のところギルドは辞めず、また一緒に走れるのだな・・・」
イスタロフは、気落ちしたように下を向きながら、目を細め声も小さくなりながら言う。
そんな中を目を覚まし、空気の力で体を浮かしながら踏ん張りその場に加わる、シロンの姿がある。
イスタロフ・・・
「まだ走れる」
イスタロフの言葉に、我峰が反応する。イスタロフとは大きく違いハッキリとした言葉で。
「ふん、ならいっか。ぜははははは」
さっきまでとは大きく違い。イスタロフは、シュルスの時みたいにいつもどおりにすっと立ち上がり大笑いをした。それにつられてか
「にひぃ、がはははははは」
と袈も馮今も大笑いをし、シュルスも一緒に笑い出す。ホワインは大笑いはせず口元を緩めるように、クスッと笑う。気付くと永遠の行軍の人達が全員笑っていた。
「え、なに。なになに。あんなけでみんな理解したの」
周りの人達が急に笑い出すことに、ダルフとハルは怯え動揺をした。がダルフは真意を理解するや納得したかのように笑顔になった。
「面白いこれがギルド。このように決まり事やリーダーがやることに言葉などいらずに協調し合うなんて面白い」
ダルフの中には何か燃えるものがあった。
俺らはそれから永遠の行軍のキャンプ場で3日間滞在した。理由はシロンの回復を待っていたことだ。
アニマを有している人間は普通の人間よりは回復が3日で終わる。なぜかと言うと、アニマが一日の睡眠で完全回復し、そのアニマが一日で元通りに治してくれる。が死者や損失となっては魂の半物であるアニマでも応用しきれないので、回復しない。そしてキズと完治の差が激しいほど後日の反動が大きい。今回のシロンのキズは重傷とまで行かなかった分、体を動かすリハビリ程度とアニマ回復で終えた。
アニマは万能にも思われがちだが、アニマは人類の唯一の救済手口とも言われる生存手段だ。この世界には人類以外に、獣族、妖族、魔族、虫族、天族、魚類族、鳥類族などの桁外れの生命がいる。そんなのと比べると例えアニマを持っていても、使い切れなければ普通の人と変わりない。
「よし。俺の体も回復したし、俺のせいで3日間も日を無駄にした。さっさと旅に行くか」
シロンは自分のせいで永遠の行軍に長居させたのではないかと思い、旅支度を済ませ出るように急かせる。が、これといって次の目的地が決まってないので動かず、またもうすぐ昼頃になるので、ご飯を食べながら先遣隊が帰ってきても遅くはないと思い待つ。
不定の位置のギルドだが、給食担当の人間はいるみたいだ、他にも武具などを扱う鍛冶屋、アクセサリーなど扱う工芸屋、亭主みたいに植物専門、医師などがいる。ある意味ギルドより遊牧民族だ。だが他のギルドはこんなにもいない。むしろ必要ないのだ。商業系ならまだしも、武闘派は戦闘員と僅か数名に事務能力さえあれば十分らしい。
このギルドは走ることが目的なギルド、なので武闘派も多く武闘派系のギルドだが、走ることが好きなら武闘派じゃなくても歓迎なのがイスタロフのって人間である。ちなみ女性も少人数であるがいるが、女性用の永遠の行軍は永遠の行軍ではなく、永遠の風(フロー)と呼ぶ。
料理担当ソルスもいるので味は美味しく、さらにいろいろな地域を回るのでその地域ならではの食材や調理や料理に触れることもあり、アケニアやブテンなどの料理は勿論。神宮や華凰、さらにはマルナスの料理までいろいろな品を作ってくれるのが、堪らなくて出発しなかった理由だ。
大きな器に、白く濁ったスープにベタつきが強くコテコテとした背脂が浮く中に、緑の細長く何層かの筒状の植物を無数に刻んで山盛りに積まれ、丸く輪切りにして焼いた肉厚を載せている。中には小麦粉を研ぎながら弾力性のある塊にして、棒で伸ばして固めを繰り返し細長く刻んだの何十本と沈んでいる。熱々を頂く。
日に日に違う料理を出してくれるが、こんな熱々のでは、手づかみやホークなどでは掬えない。ので箸という木材を加工したので食すらしい・・・が、最初にこの箸を体験したときはろくに飯にありつけない。手づかみをしようとすると、マナー違反と言う文化や食材に失礼などを言われて、説教を受けた覚えがある。そのおかげもあり、今日は箸で飯を食べれるまで至った。
真新しい料理にあうが、その品をどのようにありつくかは数多くの手段がある。初日の夜は、フライ。次の日の昼は、お膳。夜は、焼き魚。前日の昼は、鮨。夜は、おでん。そして今・・・スープ系・・・難題過ぎる。
前日の鮨は、魚の切り身をご飯と言うコメを炊くした物の上に載せて食べる料理。手づかみで食べれるものだが、10品中の半分は手づかみで良く、最初の半分は箸で食べることと言われる。が、最初に箸で食べたらそのまま、全品を箸で食べ終えていた。ある意味自信を持てたが、夜のおでんでは、悪戦苦闘に陥った。
大きな釜鍋に、魚と海藻で出汁をとり、中に白身魚の練り物、大根、コンニャク、芋、肉、ゆで卵などを一つの鍋で一斉に煮込む。あとはそこから各自箸で掴み取って食べる。
昼に使った魚を残さず全て使いまわす。創意工夫がこなされていると感じる。だが、それは食べるとは別物だ。白身魚の練り物は、固形物となっており、掴め易く食べやすい。
大根は、茹でなければ硬いのだが、茹でると中の繊維質が弱くなるのか崩れやすく千切れる。が、最悪突き刺して食べれるので問題も無く。むしろ繊維質が崩れるのならその分味が染みてると思えて美味しい。
コンニャクは、固形物であるのだが・・・プルプルとしていて掴みづらく、口元へと運んでいけたかと思いきや、箸が滑り抜け落ちてしまう。が三回に一回は箸を刺さずに口元へ持っていける。
肉は、赤身などの部位では無く、スジと言う部分で脂身に近いような食感のあるがうっすらと赤身もある変わった肉。これはブヨブヨの脂身のような部分でもつかみやすく、大根と同じで味が染みていた。
問題と言うか、最悪な印象と敗北感を味わったのは、ゆで卵である。蒸した卵で、ゆで卵らしく。固形物かと思って安心していたら、全体が丸く角ばった所も無く滑り放題。ツルツルとしていてつかみづらく、鍋から掴み上げたかと思ったが、油断をするとすぐに滑り落ちてしまい。鍋の熱い汁を撒き散らし顔に掛かったときは、悲惨な思いをした。・・・この俺が熱で苦しむとは・・・また油断もせずに口に運ぶと、ゆで卵が口の中で爆ぜる。あれは飛び跳ねるほどに驚き、生きているのでは・・・と思った。ゆで卵は蒸されながら鍋で熱を感じているときに空気が発生して外との圧力差が生まれる。そのまま口の中に持って歯で噛みちぎると、中の空気が圧力で熱々の黄身を飛び出す。
そんな昨日もあって、今日のシロンが旅に出たがる理由だ。
さて、このスープはどうするものか・・・
周りを見ていると、スープの中の細長いものを掬い上げ、それに息を吹きかけて食べている。
それを真似して食べようと箸を取り、掬い上げる。と白く細かなそれを見ていると、食欲を湧き立てられて息を吹きかけずに口の中に運んでしまった。口の中に入れると、熱々しく悶えた。
「ダルフ、今回は周りをちゃんと見てから食べ始めたのに、なんで麺を冷まさなかっただ」
と厨房からソルスが腕を組みながら訪ねた。
「め、麺」
「その細長いのよ」
とダルフは、器から麺を掬い上げた。
「それが麺。麺も熱々、スープも熱々のラーメンなの、背脂強いから余計に熱い。火傷するぞ」
とソルスの言葉と同時に、周りにいた人たちが大笑いした。それを見たシロンは息を吹きかけ十分に冷ました。ハルは箸で掬い上げた麺をスプーン受けながら息を吹きかけ冷ます。ダルフも息を吹きかけて食べる、緑の刻みも麺やスープと一緒に消えて行き、輪切りの焼肉は固みありジューシーで美味しく。最後に白濁の背脂スープを飲み干す。
「ごちそうさまでした」と3人揃って言うと、ソルスが「お粗末」と言い返してきた。昼ご飯を食べ終えると同じく先遣隊も戻ってきた。
先遣隊と言うと軍で戦場の物見ぽいが、そう荒々しくも無くただの情報収集係だった。
「うわぁなんて美味しんだ。今日はラーメンですか」
とシュルスはダルフとシロンの間から顔を出した。
「こらシュルス、行儀悪い」
シュルスの行いに、ソルスは喝を入れる。
シュルスは謝りながら、手洗い場から戻ってきて椅子につき、ラーメンを食べ始めた。ラーメンを食べていると、シュルスが言った。
「そういえば、すぐそこの街にスットマンていう、あんたらのお目当てがいたよ」
ガッタ・・・
「スットマンだと。そいつは今どこにいる。」
ラーメンを食べているシュルスの肩を掴みかかり、訪ねる。
「うわぁああ、汁が溢れるよ」
「行儀悪い」
ドン
シュルスはラーメンの器を支え、ダルフはソルスに木の棒で頭を叩かれた。
「う、うううう」
「すぐそこの、ハニルって街だよ。なんかごたついていたし、俺らは先遣隊。物事にかかわらずに穏便に済ませるのが任務だからね。すぐに戻ってきたけど」
「ハニル・・・近いな。どんくらい前だ」
ダルフがさらにシュルスに追求する。
「え、ええ。さっきだよ。太陽がまだ動いてないよ」
「なら、1時間も経って無い。まだ間に合うぞ」
とシロンが太陽から逆算して時間を読み取った。
「よし、ハニルに行くぞ」
ダルフの声に、シロンやハルは呼応し荷物を持ち上げ、キャンプを後にしハニルに向かった。
「おい・・・お前があいつらを行かせたんだ。それ食ったらあとを終えよ。袈には、俺から言っておくで」
シュルスに向かって、ソルスは言う。がシュルスは「なんで」と言い返したものの、ソルスの言葉には逆らえず、ラーメンを食べ終えたらハニルへと向かって行った。
「まったく、この街は全然ダメですね。全くなっちゃいない」
腕を後ろに組みながら市民の元へ歩き、市長の周りをぐるぐると廻りながら語る。
「この街は、陸路の交易や交通の重要地点ですよ。なのにこの街の都市管理と言ったら・・・まぁ言っても無駄ですかね。言ってできるくらいなら、もう出来ているもの」
ぐるぐると回っていたが、目の前で止まり見下ろしながら喋る。
「・・・・くぅ」
市長は言いたいことを言い返せずに、ただ歯を食いしばるしかなかった。
「何も言い返せないようでは、必要ありませんね。暗騎、刎ねなさい」
と軍隊の奥の方に構えていた。黒い騎士甲冑に身を包まれたのがゆっくりと歩いてきた。両手には剣を備え付けている。
「・・・」
暗騎は市長の横で止まり片腕を振り上げた。その行為に市民はざわめく「やめろ。殺さないで。帰れクソ政務官」と叫ぶが誰ひとり聞く耳を持たなかった。
暗騎の腕が振り下ろされた瞬間、微かに「バァーン」という音が鳴る。
ドォーン
暗騎と市長の元で爆発が起こった。が両者は無事で市長を刎ねようとした腕は、市長とは真逆の方向に延びており。暗騎を狙らった弾丸を斬り払いし身を守った姿をしている。
「・・・」
暗騎が辺りを警戒している好きにダルフが市長を連れて離れていた。その間に2発の弾丸が暗騎を襲いていたが、全て斬り払いで躱される。
「てめぇ何かってに市長殺そうとしてんだ。クソ政務官」
市長を離れた場所に降ろし、戻ってくる際にジャンプして戻ってきて、スットマンと暗騎を睨みつけながら言った。
「何を言っているのかい、私は政務官。その権限を十分に持っているのですよ。あなたこそ私に刃向かってただで済むと思ってないですよね」
スットマンはメガネを直しながら喋る。
「ああ、わかってるさ。今日貴様をぶん殴れるのだからな」
スットマンは少しムカついたかのように、顔にシワを寄せる。
「排除しなさい」
スットマンのその言葉に忠実なように、暗騎は猛スピードでダルフに襲いかかった。瞬く間の煌く剣を躱し体勢を立て直すが、間も無く5連撃が襲う。切り傷にはいたらないが服には切り裂かれた跡がある。
「くそぉ、なんてデタラメな攻撃だ。動作に制限がなさすぎだ」
暗騎に炎をぶちまけて距離をとり、一息つく。が一瞬を詰められ片手が大きく振りかぶった。
キーン
ダルフのピンチをシロンが槍で受け止めて救った。
「おいおい、戦場経験無いのか。お前にはぶが悪そうだ。代わりに俺がやってやる」
「じゃあ、頼んだ」
ダルフはシロンと代わるや、飛び出し。スットマンに襲いかかった。
「うおおおお」
スットマンはダルフの急な襲撃に慌てたが。ダルフの前に突然現れたマルナス軍の軍人の奇襲によって救われた。
「お、おおお。よくやったリバロ少佐」
突然現れたリバロは、ランダの戦い方と同じように実戦式光弾をアニマ生成をし、ダルフに向かって連射し続けた。ダルフは手に炎を纏い躱したり斬り払いしたりして距離を詰めた。
ダルフは、右足で回し蹴りをするも躱されるが左に溜めた炎を放つ。がバリヤーを張って身を守りながら近づきパンチを返す。そんな攻防が続いていたが。
ダルフは大きな炎の球「豪炎」を出し押し技で倒そうとしたが、それに対抗したリバロが光弾を複数同時連射し押し負ける。ダルフが何発も光弾を受け外へと弾き飛ばされ、動けなくなる。それを見たシロンは不意を突かれ、顔の中心、鼻頭の上の位置から左斜め下の右頬にかけて切り傷を覆った。傷を多い動けなくなり、暗騎が止めを刺そうと腕を振り上げる。そこへハルが、2人を助けようと援護射撃をするが女の力では男2人を担げなかった・・・
そんな時シュルスが駆けつけ、シロンを暗騎から救い出した。ハルはダルフを担ぎ、煙幕弾を放って逃げ去った。
「追え、絶対に取り逃がすな」
リバロはダルフ達に追っ手をつかせる用に指示をするが、スットマンが止めた。
「まぁいいですよ。追わなくて」
メガネを直しながら、周りを見渡して言う。
「しかし、このまま取り逃がしては、我々のメンツが立ちません。市民への支配力を無くします」
リバロは、今後の統制の事を考えて申し立てるが、スットマンはその言葉を軽く流す用に言い返した。
「いいですか、市民は駒です。駒などに時間を割いている必要なのはありません。まず我々にはそれよりも重大な要件があります。パーティ(征政権の会議)に、」
リバロはその言葉を聞くと、大人しくスットマンの言葉に従い。軍を戻し、ハニルの街から王都へと移動をして行った。
ページ上へ戻る