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レーヴァティン

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第二十八話 団長の依頼その一

        第二十八話  団長の依頼
 進太が冒険そして戦いに加わることを彼等の会話で決めてからだ、そのうえでだった。また進太から言ってきた。
「ではこれより」
「騎士団の団長さんにか」
「お話をしましょう、この役目が終わってから」
「塔の見張りがか」
「はい、これが終わってからです」
 こう久志に言うのだった。
「団長に挨拶をして」
「そしてか」
「旅に出ましょう」
「そうなるか、あっさりいけそうだな」
「そう思ってると駄目だよ」
 源三が話が順調に、彼が思っているよりもそうなっていることで楽観的になっている彼に言った。
「急にだよ」
「何かが起こるっていうのが世の中だよな」
「好事魔多しっていうじゃない」
「だよな、何でも流れは急に変わるからな」
「都合よく進んでいたら」
 そう思っていると、というのだ。
「これがね」
「悪い流れになるんだよな」
「そういうものだから」
「これからもか」
「油断したら駄目だよ」
「そこで、だよな」
「失敗するからね」 
 それが世の中だからだというのだ。
「注意しないとね」
「上手くいっている時こそ」
「悪い時以上にね」
「そうした時はどうしてもな」
 久志はこれまで生きて来た物事が上手くいっている時を思い出した、そうした時はというと。
「いけてるって思ってな」
「無意識のうちにね」
「浮かれてな」
「周りが見えなくなるね」
「ああ、そしてな」
「そうした時こそね」
 まさにとだ、源三は久志に話した。
「悪いことが起こるんだよ」
「不注意からな」
「若しくはやって来る禍にもね」
 それにもというのだ。
「普段以上に対処出来ていなくて」
「ダメージが大きくなるよな」
「そうだよ、だから」
「事態は急転する」
「そうした事態も招いてしまうよ」
 好事に浮かれて油断してだ。
「本当に要注意だよ」
「その通りだな」
「実験でもね」
 源三は今度は錬金術から話をした。
「上手くいっていてね」
「そこで油断したらか」
「失敗するんだよ」
「錬金術の実験は危ないよな」
「科学、化学のそれと思っていいよ」
 かなり近いものだというのだ。
「だからね」
「その油断が、だよな」
「下手をしたら命に関わるよ」
 そこまで危険だというのだ。
「だからね」
「油断は大敵か」
「錬金術でもね」
 そうだというのだ。
「僕は錬金術からこのことを学んだから」
「それで今言うんだな」
「うん、お部屋が爆発したりとか」
「それ死ぬよな」
「そういうことになるから」
 実験によってはとだ、源三は久志に話した。
「本当にね」
「注意が必要ってことか」
「上手くいっている時こそね」
「今だってな」
 今度は正が言ってきた。
「ひょっとしてな」
「団長さんがか」
「気まぐれでもな」 
 以前に進太に言った時と考えを変えてというのだ。
「駄目だとかな」
「言うこともか」
「零じゃないからな」
「そうした方ではありませぬが」
 進太は正の今の話に真面目に突っ込みを入れた。 
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