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ドリトル先生と春の花達

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第五幕その一

        第五幕  小鳥達の言葉
 先生は朝になるとすぐに登校して学園の小鳥達に元気がない様だけれどと聞きました、するとです。
 小鳥の皆はこう先生に言いました。
「ちょっとね、虫の様子がよくないんだ」
「僕達が食べる虫達がね」
「何か春はね」
「今一つなんだ」
「今年はそうなんだ」
「どうにもね」
「それでなんだね」
 先生は皆のお話を聞いて納得しました。
「だから君達もだね」
「何かね」
「今一つ浮かないんだ」
「折角春になったのにね」
「あったかくなって天気もよくなったけれど」
「お花も咲いてるのにね」
 小鳥達もこの春の素晴らしさは満喫していますが。
 それでもとです、こう言うのでした。
「何かね」
「どうにもね」
「気が晴れないんだ」
「御飯が美味しくなくて」
「今一つね」
「ううん、虫の数はどうなのかな」
 それ自体についても聞く先生でした。
「それで」
「それは別に変わらないよ」
「特にね」
「むしろ去年より多いかな」
「そうよね」 
 虫の数自体はというのだ、つまり食べものの量は。
「別にね」
「変わらないよ」
「だから食べる量には困ってないよ」
「そちらは」
「けれど味がね」
「違う感じがして」
「味ねえ」
 虫達のです、先生はこう聞いて思いました。
「それはひょっとしてね」
「ひょっとして?」
「ひょっとしてっていうと?」
「種類かな」
 それの問題ではというのです。
「ひょっとしてね」
「ひょっとして?」
「ひょっとしてっていうと」
「種類かな」
 それの問題ではというのです。
「それは」
「ううん、そうかな」
「いつも食べている種類だけれど」
「蟻とかね」
「他の虫にしても」
「特に変わらないわ」
「そうだよね」
 小鳥達はそこは変わらないというのです。
「そちらは」
「特に」
「それじゃあ虫の環境かな」 
 それではないかとです、先生は考えました。
「虫も環境が変わると身体の感じが変わるから」
「環境っていっても」
「この学園全然変わらないわよ」
「そうだよね、ここ暫くは特に」
「これといってね」
「別に」
「僕もそう思うけれど」
 先生から見てもです。
「それでも何かが変わっていてね」
「それでなんだ」
「虫の味が変わってるんだ」
「そうなの」
「うん、そうじゃないかな」
 これが先生の考えでした。 
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