マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第19話(改2)<美保計画>
前書き
なぜか美保鎮守府をかばう様な事を言う武蔵様。そして技術参謀は美保と意外なつながりがあった。
「『美保計画』も私が中心的に押し進めたのだ」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第19話(改2)<美保計画>
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武蔵様は言う。
「美保の提督殿」
「はい」
いきなり声をかけられて緊張する私。実は、こんな間近で武蔵様と相対するのは初めてだ。
彼女は言う。
「もし友軍でなければ……そして、お前たちが美保鎮守府でなければ私は迷わず憲兵に突き出していた」
憲兵という言葉に一瞬、ドキッとした。だが今は突き出されないようだ。
(それはなぜ?)
そう思っていると彼女は続けた。
「提督殿は、どこの出だ?」
(なぜそれを聞く?)
少しヘンだなと思いながら私は応えた。
「境港です」
すると急に武蔵様の表情が和んだ。
「そうか、ひと目で分かったぞ。地元の護りは、やはり地の人間が良いな」
「え?」
出身って、ひと目で分かるものなのか?
(それに私の顔を見るなり武蔵様が和んだように見えたが、これはどういう事だ)
私は緊張すべきなのか、どうなのか……少々混乱するな。
そんな私には構わずに彼女は続けた。
「提督のご命令で、その参謀を川内がずっと監視していた。到着早々に調子が悪いと言いながら病室を抜け出して鎮守府内を探りまわっていたが一体、何の真似だ?」
技術参謀が応える。
「だから私は省の技術将校だと」
そこで武蔵様の眼光が厳しくなった。
「将校が、なぜ改めて遠方の工廠を引っくり返すような事をするのだ?」
「それは……」
一瞬、返事に詰まる技術参謀。
だが直ぐに意を決したように続けた。
「信じられないかも知れないが私たちは過去から来た。そして私の使命は艦娘の量産化なのだ」
「えぇ?」
艦娘量産化の核心人物が今、私たちの目の前に居るのか。
しかし武蔵様は腕を組んだ。
「それは何度も聞いた……個人的には美保の連中は信じても良いのだが、お前と美保を結びつけるものはなんだ? それになぜ美保の連中を使う」
ここで一呼吸を置いた彼女は改めて親子を見た。
「お前と、この駆逐艦娘が親子だと本当に信じて良いのか?」
ここまで聞いているだけで謎が謎を呼んで混乱してくる。
(つまり寛代と参謀は親子ってことか?)
私が悶々としている間に技術参謀が口を開いた。
「そうだ。私は艦娘だ……いや『だった』というべきかな」
「え!」
その場に居た全員、いや寛代と武蔵様を除いた私と艦娘は驚いた。
危うく卒倒しかけた私は、もう頭が限界に近い。
だがさすがに武蔵様は動じなかった。
「本省に艦娘の制服組が居るという噂は私も知っていた。だが、まさかお前が、その張本人だったとはな」
その言葉に私もハッとした。
(そういえば先日、美保に視察に来た、あの青年将校も同じことをチラッと言っていたな)
だが、それを聞いても私自身が信じられなかった。遠い中央でのことだから雲の上の話かと思っていたのだ。
先ほどより、かなり穏和な表情になった武蔵様は言う。
「その小さいのが、お前の娘か。そして今、その子だけが美保にいるわけだな」
その言葉に参謀が応える。
「そうだ。決して艦娘を軽視する訳ではないが、もし彼女たちが量産化されれば、この娘を戦乱に巻き込まずに済むかも知れない。私はただ、その想いを胸に単身、中央で開発を続けてきたのだ」
「なるほど」
武蔵様は長い髪の毛をいじっている。
寛代の顔を見つめながら参謀は続ける。
「それもやっと目処が立ってきた。だからオリジナルの艦娘を集中させる『美保計画』も私が中心的に押し進めたのだ」
(えぇ? そうだったのか)
これは初耳だった。いや機密事項ではないのか?
少し焦った私を尻目に技術参謀は話を続ける。
「いよいよ量産化も最終段階に入り、その実証実験を、このブルネイで行うつもりだった。しかし、ここに来る途中で謎の嵐に巻き込まれた。そして気がついたら、ここに居たわけだ」
「ふふん」
武蔵様は顎に手を当ててうなづいている。
寛代の髪の毛を撫でながら参謀は言った。
「ここが未来と仮定してだが……私の時代では艦娘の量産化もまだ不安定だ。特に魂の定着が難しい。だが、ここでは既に実用化されている時代ではないか!」
武蔵様意外の面々は、その気迫に押されるようにして無言だ。
彼女は続ける。
「だから、この技術を何とか過去に持って帰ることができれば量産化も完成して人類の深海棲艦への強力な切り札になる」
「それで、この記者と技師と一緒に調べていたのか」
武蔵様は眼光鋭く他の二人を見つめていた。
美保の艦娘たちは、武蔵様に見詰められるたびにビクついている……可哀想に。まるで蛇に睨まれたカエルだな。
傍で見ている私の頭の中は理解を超越して大混乱の真っ只中だ。それでも整理すると。
1)美保鎮守府は艦娘量産化のため
2)技術参謀の寛代を護りたい一念
……で、計画が進められていたのか。
技術参謀は補足する。
「もちろん、私の娘の為と言うのは動機の、ごく一部に過ぎない。わが国や世界の防衛のためにも艦娘の量産化は不可欠だ」
武蔵様は、黙って聞いていた。全員、無言だった。
参謀は改めて寛代を抱き寄せた。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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