ヘタリア大帝国
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115部分:TURN11 エイリス女王その九
TURN11 エイリス女王その九
そのうえで三人でそのケーキを食べながらだ。こうした話をしたのだった。
エリザがだ。笑顔でセーラに言ってきた。
「そういえばセーラちゃんは」
「何でしょうか」
「ずっと前から紅茶派よね」
「はい、好きですから」
「コーヒーは本当に飲まないわね」
「好きではないです」
コーヒーについてはだ。セーラはその整った眉を曇らせてこう言った。
「どうしても」
「そうよね。子供の頃からね」
「コーヒーは苦いですから」
だからだというのだ。
「どうしても」
「そうそう。セーラちゃんにとってはね」
「コーヒーよりも紅茶です」
「まさにエイリス人ね」
「ガメリカではコーヒーかレモンティーですが」
「レモンティーも飲まないわよね」
「ミルクティーがいいです」
ここでもエイリス的なセーラだった。
「それもロイヤルミルクティーがです」
「そうよね。本当に変わらないわね」
「それとです」
「それと?」
「お茶菓子ですが」
今度はこのことについて言うのだった。
「ケーキもいいですし」
「クッキーもよね」
「そうしたものがいいですね」
「そうよね。実は私もね」
どうかとだ。エリザは言う。
「祖国さん達に作ってもらったクッキーがね」
「生まれてはじめて食べた、でしたね」
「そうだったのよね」
こう笑顔でだ。娘達に話したのである。
「セーラちゃんもマリーちゃんもだったわよね」
「はい、祖国殿と妹殿が作ってくれました」
「あの人達が紅茶と一緒に出してくれたのよ」
「あの方々がそうして下さいました」
「私も。女王になりたての頃はね」
エリザはその頃のことを思い出しながらだ。セーラに話す。
「祖国さん達に助けてもらったわ」
「そうだったのですか」
「そうよ。いい人達よ」
イギリス兄妹を人と捉えての言葉である。
「だから。何かあればね」
「あの方々を頼れというのですか」
「そう。私達以外にもね」
彼等もいるというのだ。
「あの人達もそれを願っているから」
「だからこそですか」
「そうよ。頼れって言ってる人の好意は受けるべきよ」
「しかしそれは」
「だから。セーラちゃんはそれができないから駄目なのよ」
責任感の強さ故にそうしているのがだ。セーラの欠点だというのだ。
「頼りなさい、本当にね」
「・・・・・・はい」
「エイリスの危機は私達全員の危機だから」
セーラだけのことではないというのだ。
「だから何でも言って。やれることならやるから」
「わかりました」
「さて、じゃあ紅茶を飲んで」
ロイヤルミルクティーだ。それを飲みながらの言葉だった。
「また頑張りましょう」
「お姉様、僕にできる仕事ある?」
マリーは明るい笑顔で姉に問うた。
「何でも言って。できることなら」
「そうね。マリーは軍事をお願いするわ」
マリーは軍人でもあるのだ。時として艦隊を率いることもある。
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