| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

112部分:TURN11 エイリス女王その六


TURN11 エイリス女王その六

「だが、だ。オフランス軍も我々も艦載機やミサイルを持っている」
「マジノ線を無効化できてもですね」
「我々の戦力があれば」
「バリア艦を。ドクツが持っているかどうかは知らない」
 このことはまだ確かな情報は入っていなかった。ドクツの艦艇は確かにかなり優秀だがそれでもだ。そうした補助艦艇の種類まではまだわかっていないのだ。
 しかしそのバリア艦についてだ。モンゴメリーはこうも言った。
「しかしバリア艦を持って来るとだ」
「その分戦力が落ちますね」
「我々の付け入る隙ができますね」
「その通りだ。攻めることが容易になる」
 まさにそうだというのだ。
「どちらにしろマジノ線は存在自体が脅威だ」
「敵にとっては」
「そう、ドクツにとっては」
「その通りだ。それこそ密かに接近し破壊工作でもするしかない」
 モンゴメリーはもう一つの要塞攻略法を言ってはみせた。
「しかしそれは不可能だ」
「工作員の潜入はですね」
「とてもですね」
「そうだ。既にオフランスでも警戒態勢に入っている」
 ドクツに宣戦布告した、それならばだ。
「だからだ。彼等もだ」
「工作員の潜入は許さない」
 ネルソンが言った。
「何としても」
「幾らオフランスが平和主義に溺れていてもそこまで愚かではない」
 モンゴメリーもそう見ていた。そしてそれは確かだった。
「そしてだ。ドクツ軍の予想進路だが」
「オランダ、そしてベルギーですね」
「ベネルスク三国から攻めて来ますね」
「シュリーフェンプランのままだ」
 かつての一次大戦のだ。そのままだというのだ。
「あそこから攻めるしかない」
「確かにオランダもベルギーも小国です」
 ロレンスはこの二国はこう言い切った。
「おそらくドクツに対して為す術もないでしょう」
「その通りだ。しかしだ」
「進路はわかっていますね」
「そこにマジノ線を向ければいい」
 そうして対するだけだというのだ。そこから来るドクツ軍に対して。
「間違っても他のルートからは来られない」
「ドクツとオフランスの国境にはアルデンヌがあります」
 ネルソンはこの地域のことを話に出した。
「しかしあの暗礁宙域は。小型の一般艦艇ならともかくです」
「軍艦は越えられない」
「だからあの宙域は除外していいですね」
「その通りだ。あの宙域からはドクツ軍は来ない」
 モンゴメリーは断言した。これは彼だけでなく誰もが確信していた。
「絶対にだ」
「その通りです。ではシュリーフェンプランのままですね」
「彼等は来ますね」
「それに対処すればいい。オフランスで終わらせる」
 そうしたいと言うモンゴメリーだった。
「この戦いはな」
「はい、そうしましょう」
「何があっても」
 こう話してだ。騎士提督達も戦略を立てていた。そしてだ。
 セーラもだ。祖国達と話しながら戦略を立てていた。その中でだ。
 セーラは己の執務室、女王らしい見事な装飾のある部屋の中でだ。イギリス兄妹と話していた。その中でだ。彼女はこう二人に言ったのだった。
「やはり北欧はですか」
「負けると思うぜ」
「あそこでは」
「そうですか。勝てるものではありませんか」
「まず空母が使えないんだ」
 イギリスはセーラにこのことを話した。
「ビームだとな。索敵能力で勝っている向こうの方が有利だ」
「そうなりますね」
「そしてです」
 今度はイギリス妹がセーラに話す。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧