提督はBarにいる。
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ハロウィン間近!カボチャレシピ特集・その4
カボチャを使ったデザート、ね。まずは定番のカボチャプリンから行くか?
《スパイスが隠し味!滑らかカボチャプリン》
・カボチャ:200g
・砂糖:55g
・卵:2個
・生クリーム:150cc
・牛乳:150cc
・シナモンパウダー:小さじ1/4
・ナツメグパウダー:小さじ1/8
・ジンジャーパウダー:小さじ1/8
・バニラエッセンス:数滴
(カラメルソース)
・砂糖:40g
・水:大さじ1
さて、作るか。カボチャは種とワタを取り除き、火が通りやすいように適当な大きさにカット。蒸し器で17~8分蒸すか、耐熱容器に少量の水と一緒に入れてラップをして、柔らかくなるまで電子レンジで5~8分加熱する。加熱し終わったら少し冷まして、素手で触れる位になったら皮を剥く。
カボチャ、砂糖、卵、生クリーム、牛乳、シナモン、ナツメグ、ジンジャーパウダー、バニラエッセンスを一緒にミキサーに入れて撹拌し、プリン液を作って濾す。ここで大事なのは材料のチョイス。生クリームは動物性の物を選ぶように。植物性の生クリームだと焼くときに失敗するぞ。動物性の生クリームが無ければ、牛乳で代用できるので牛乳の分量を300ccに。砂糖は上白糖でもグラニュー糖でもきび砂糖でも、なんなら黒砂糖でもOKだ。それぞれに味わいが変わるので、好きなものを選ぶといい。個人的にはきび砂糖とかのミネラル分が多い方がオススメだな。味に深みが出る。
プリンの下に敷くカラメルソースを作るぞ。砂糖40gと水大さじ1を鍋に入れて火にかけ、加熱していく。この時のコツはかき混ぜずに鍋を傾ける程度にする事。かき混ぜて空気を含ませると飴みたいになっちまうからな。加熱を続けていくと大きな泡と水蒸気が出始め、更に加熱を続けると泡が小さくなるにつれて水蒸気ではない煙のような物が出始める。こうなってくると砂糖が焦げてキャラメル化が始まった証拠だ。鍋を傾けつつ、焦がしすぎないようにして全体が色付いて来たら、プリンを焼くのに使う耐熱容器にカラメルソースを入れ、急いで傾けて容器の底全体に広げる。冷めると固まっちまうから手早くな。全体に広がりきらなくても焼いてる内に均一化するから、出来る限りでいいぞ。
カラメルソースを敷いたら、オーブンの天板にお湯を張って130℃のオーブンで湯煎焼きにする。余熱はしなくてもいいぞ?焼け過ぎるからな。焼き時間はじっくり1時間だ。
さてと。カボチャプリンを焼いてる間にもう一品。今度は和菓子風デザートと行こう。
《アイスでもホットでも!カボチャのみたらし団子風》※分量3人前
・カボチャ:150g
・薄力粉:大さじ2
・片栗粉:大さじ2
・牛乳(又は豆乳):50cc
・砂糖:大さじ1
・塩:ひとつまみ
(みたらし餡)
・水:150cc
・酒:50cc
・醤油:大さじ4.5
・砂糖:大さじ3
・ハチミツ:大さじ1
・片栗粉:大さじ1
さて、作っていこう。カボチャは適当な大きさに切ってレンジでチンするか茹でるかして柔らかくする。加熱して柔らかくなったら、熱い内にカボチャの皮を取り除いて150g分をボウルに入れてフォークやマッシャーを使って潰す。今回はカボチャでやってるが、さつまいもやジャガイモでも出来るぞ。
カボチャが潰れたら薄力粉、片栗粉、砂糖、塩を加えて捏ねるように混ぜる。粉っぽさが無くなってきたら牛乳を少しずつ加えて生地をのばしていく。かなり弛い生地になるが、茹でれば片栗粉が固まるので安心してくれ。
生地をよく練ってまとまってきたら、鍋にお湯を沸かす。団子の生地を丸めて成形してお湯に落として茹でていく。生地が弛くて上手く成形できない時は、スプーンを使ってお湯の中に落とすようにする等、各自工夫してくれ。
大体1分も茹でれば団子が浮き上がってくるので、浮き上がってきた団子を網杓子等で掬い、冷水を張ったボウルに入れて冷ましておく。
みたらし餡を作るぞ。小さめの鍋に上記のみたらし餡の材料の全てを入れ、片栗粉のダマが無くなるようによくかき混ぜる。ダマが無くなったら、ゴムへら等でかき混ぜつつ強火にかける。
温まって泡立って来たら火を弱め、とろみがついたら火から下ろす。この時かき混ぜる手を休めると、焦げ付いて苦味が出てしまうので、なるべく手を止めないように注意。
温かい状態で食べる場合は団子だけを冷蔵庫で冷やしておき、器に盛って熱い状態のみたらし餡をかけて。冷やして食べる場合は粗熱が取れてからみたらし餡も冷蔵庫で冷やしてから盛り付ければ完成。今回は持ち帰りの為、冷やしておく。
「店長、プリンが焼き上がりましたよ」
「あいよ、今行く」
カボチャ団子を作っている間に、プリンが焼き上がった。大きい型で焼いた場合には粗熱を取ってからしっかりと冷蔵庫で冷やし、食べる前に容器の縁に沿ってナイフを入れ、皿にひっくり返してカットし、お好みでホイップクリームやフルーツを添えて。まぁ今回は土産物用に小さい容器に小分けにして焼き上げたから、そのまんま食べられるがな。
「ほらよ。『カボチャのプリン』と『カボチャ団子』だ。プリンの方は粗熱取っただけで箱詰めしてあっから、一度冷蔵庫で冷やしてから食いな」
「ありがとうございます、皆で美味しく頂きますね」
土産のデザート2品を詰めた箱を受け取り、赤城はホクホク顔で笑っている。
「じゃあ、また来ます。ご馳走さまでした」
そう言って赤城は店を出ていった。
「珍しいですね、『また来ます』なんて」
「あん?」
早霜がしきりに首を傾げている。
「普段赤城さんはお店を出る時、『また今度』って言うんですよ。あんな他人行儀な言い方……」
「ま、そういう気分の時もあるんだろ。っと、いらっしゃ……あら?」
早霜との会話の最中、ドアベルが次の客の来店を告げる。出迎えの挨拶をしようとして、俺は固まってしまった。なにせ、ドアの前に立っていたのは。
「今晩は提督、南国とはいえ夜は流石に冷えますね」
先程まで店にいた、赤城だったのだから。
「どうしたんです?提督も早霜ちゃんも。私の顔に何か付いてます?」
硬直する俺と早霜を見て、はて?と首を傾げている赤城。
「いや……赤城。忘れ物でもしたのか?」
「え?何がです?」
「いや、だってさっきまでお前この店にーー」
「何を寝惚けた事を言ってるんですか」
ピシャリとそう言ってきたのは、赤城と共に来店した加賀だった。
「私と赤城さんは、今しがたリランカ島海域の定期掃海から帰ってきた所ですよ?お店に来られる筈が無いでしょう」
「じゃあ、さっきまで居た赤城は……」
「店長、私……店内が薄暗くて赤城さんの顔を確認出来ていません」
そうか細い声で呟いた早霜は、顔面蒼白でガタガタと震えていた。そういやもうじきハロウィンだ、ハロウィンはあの世から霊がやって来るというが、まさか……。
「あら、今日はカボチャ尽くしなんですね!私、カボチャに目がないんですよ♪」
赤城はカウンターに腰掛けると、嬉しそうにそう言った。俺と早霜はまるでホラー映画のビデオを再生して見ているような、得体の知れない寒気に襲われていたが。こんな不思議な夜も、たまには……いや、勘弁して欲しいな。
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