ドリトル先生と春の花達
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第四幕その一
第四幕 日笠さんの決心
先生は研究室で動物の皆にこんなことを言われました。
「今日は暖かいね」
「やっと春らしくなってきたよね」
「これまで寒かったけれどね」
「急に温かくなってきたよね」
「そうだね」
先生は皆に笑顔で応えました。
「そうなってきたね」
「そうだよね、やっとだよ」
「今年は日本の春にしては寒かったけれど」
「それがやっとだよ」
「暖かくなってきたよ」
「春になってきたよ」
このことを実感していました、そして先生も数学の論文を書きながらそのうえで皆に応えました。
「簿記もそう思うよ」
「先生もだよね」
「やっと春になってきたって思うよね」
「実際にそうなんだね」
「うん、あまりにも寒くて」
春、三月にしてはというのです。
「困っていたよ」
「けれどそれがだね」
「やっと暖かくなってきたから」
「先生も嬉しいんだね」
「この暖かさが」
「うん、この暖かさだと」
先生は論文をかきながらにこにとしています、そのうえでの言葉です。
「桜もね」
「例年通り咲くから」
「順調にね」
「そうなるしら」
「そうかもね、桜を見て」
そうしてというのです。
「お酒を飲んだり和歌も詠む」
「風流だね」
「それがね」
「全くだよ、日本の風流を楽しもう」
是非にというのです、そう言っていましたが。
先生はここで、です。皆にこんなことも言われました。
「先生かなり桜が好きになったけれど」
「そこも日本的だけれど」
「何ていうのかな」
「日本人みたいな考えでね」
「行動もそうなってきているね」
「幾ら先生に合っているにしてもね」
「何かね」
先生が言うにはです。
「頭の中で考える言葉はね」
「考える言葉?」
「それって何?」
「だから思考に使う言葉だよ」
それだというのです。
「誰でも考えるね」
「うん、僕達にしてもね」
「いつも考えてるしね」
「寝る時やぼーーーってしてる時以外はね」
「色々考えるよね」
「何かと」
「その時に使う言葉?」
「それのこと?」
「そう、考える言葉はね」
まさにそれはというのです。
「それぞれの言語を使うね」
「ああ、英語とかだね」
「そうした言葉だね」
「そうだよ、言語はね」
まさにそれはというのです。
「喋る、書く以外にも考えることにも使うね」
「うん、確かに」
「言われてみれば」
「そうだよね」
「私達にしても」
「僕はイギリスで生まれ育ってきたから英語を使っていたんだ」
思考にあたってというのです。
「けれどそれがね」
「それが?」
「それがっていうと」
「日本語になってきたよ」
頭の中での思考のそれがというのです。
「そうなってきたよ」
「ああ、そうなんだね」
「思考に使う言葉も変わってきたんだね」
「英語から日本語になってきた」
「そうなったんだ」
「それが本当にね」
とてもというのです。
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