テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
プロローグ
前書き
どうも、はじめましての方ははじめまして、久しぶりの方はお久しぶりです、夕影です+
本日から此方でもこの作品を投稿していきたいと思います+
これから宜しくお願いします+
「「「――ありがとうございましたーっ!!」」」
――木製の道場に、多くのそんな声が響き渡る。
此処は至って普通な高校の普通の剣道部の普通な道場であり、ちょうど今練習が終わった所であった。
「おう、乾!お前、中々今日は練習にせいが出てたじゃねぇか!!」
「そ、そうですか!?ありがとうございます!」
剣道部の部長の急な言葉に思わず礼をする。
僕の名前は乾 衛司<イヌイ エイジ>。高校二年で剣道部に所属しているんだけど…実力はそんなに高くはない。
言うなれば一般二年剣道生が剣道二段で僕が剣道一級。言ってて切なくなるレベルだ。
「んで、どうしたんだ?何か良いことあったのか?」
「いえ…あったというか今日はその…『発売』ですし」
「…あぁ、成る程」
僕の一言に、部長が納得したように頷く。そう、今日は僕が待ちに待ち望んだ『テイルズシリーズ』の最新作、『レディアントマイソロジー3』の発売日なのだ。『レディアントマイソロジー』はシリーズでは1、2の両方をしたので、今日を待ち遠しく待っていた。
「相変わらずお前のその…『目標があれば一直線』な性格を剣道に向けられんのか?」
「はは……すいません…」
「ったく……お前今日はもう道場の掃除いいから帰っていいぞー」
「……え?」
部長の不意のその一言に思わず留まる。それって……
「さっさと買いに行ってこい。部員想いな俺を有り難く思え」
「あ、ありがとうございますっ!!」
部長のその一言に礼をすると、更衣室に入り直ぐ様着替え、道場を出てゲーム屋へと向かった。
――――――――――
―――お買い上げありがとうございましたー
店員さんの毎度よく聞く言葉をバックに店から出る。僕の手には勿論袋に入ったゲーム『レディアントマイソロジー3』
「あはは、楽しみだなー」
財布は不満足だが心は大満足な気持ちで早く家に帰って楽しもうと思い、自転車に乗ろうとする。
――そして気付いた。
「…ん?…あれは……」
視線の先に、横断歩道に落ちたボールと、それを拾いに行こうとする小さな子の姿が見えた。
信号の色は…ちょうど赤に点滅しかけだ。
「おーい、危ないぞー!」
流石にほおっても置けないので、とりあえず自転車を下りて子供の方に駆け寄る。大丈夫だ、このぐらいなら間に合うか。
――そんな時だ。
やけにスピードを跳ばした車が向こうに見えた。
「―ッ…もしかしてスピード違反っ!?くっ…、早く走って!」
走りながら子供に声を上げる。子供は今気付いたのか迫ってくる車に目を合わせ、停止する。
「くそッ……間に合えぇぇぇっ!!」
足に力を込めて、全力で走る。
間に合わないか…ならッ!!
「――ッ……ごめんっ!!」
車が子供にぶつかるギリギリ手前で、子供を突き飛ばし道路から押し出す。
力加減出来なくて謝りたいけど…なんとか間に合ったか…。
――ドゴンッ!!
そう思ったのも束の間、体に強い衝撃と、視点がグルグルと代わるのを感じた後、地面に叩き落とされた。
痛いとか、そんなんじゃない。
もっと鋭い痛覚が体を襲っていた。
周りから悲鳴や助けを呼ぶ声が聞こえる。
子供は……無事みたいだ。泣いてるけど…。
体を動かそうとするけど、言うことを聞かず動かない。
そして徐々に視界が暗くなってきた。
――ぁ、僕死ぬんだー。なんか…意外に馬鹿みたいに冷静だなー、僕。
死ぬんならせめて……『マイソロ』したかったなー……。
――そんな考えの後、僕は……意識を落とした。
――――――――――
「――あれ…?」
とある世界の、とある船の甲板にて、一人の少女が何かに気付いた。
「……変にカモメが多いけど…ねぇー、そこに何か居るのー?」
そう遠くない海の上の一点にカモメが集まっているのを見ると、少女はそこが見える所まで歩み寄り、そこを確認する。
「……あれは……人…?」
少女が確認したのは…海面を浮かぶ、人の姿。思考が少し停止してしまうが、再起してからの少女の行動は早かった。
「…っ!?み、みんなーっ!だ、誰か人がーっ!?」
少女はそう叫びながら甲板から船内へと走っていった。
――巡り会う事のない筈の、出逢い。
――物語の幕は、開く――
ページ上へ戻る