| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

392




 恋しさを

  風に乗せども

   雨に落ち

 地に流ては

   染むるものかな



 彼を想い…恋しさを風に乗せようとも雨に落とされる…。

 想いは雨と共に流れゆき…そうして大地へと染みてゆく…。

 人は死すれば地に還るように…叶わぬ想いも地へ還るものか…。


 この溢れる恋しさはいつか…全て地に還るのだろうか…。



 久方の

  光りに惑ふ

   あかつきを

 眺めて想ふ

    君の影かな



 ずっと雨続きだったが…やっと晴れ間が見えてきた…。

 久々に見る朝焼け…光さえ久しぶりで戸惑っているようにさえ思う…。

 淡い朝の…これから日が上る少し前のこの刻、その薄明かりの中に彼の姿を思い浮かべる…。

 会えない…それでも会いたい…。

 私はどうしたら良い…?


 肌寒い晩秋の朝焼け…求める温もりはどこにもない…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧