歌集「春雪花」
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恋しさを
風に乗せども
雨に落ち
地に流ては
染むるものかな
彼を想い…恋しさを風に乗せようとも雨に落とされる…。
想いは雨と共に流れゆき…そうして大地へと染みてゆく…。
人は死すれば地に還るように…叶わぬ想いも地へ還るものか…。
この溢れる恋しさはいつか…全て地に還るのだろうか…。
久方の
光りに惑ふ
あかつきを
眺めて想ふ
君の影かな
ずっと雨続きだったが…やっと晴れ間が見えてきた…。
久々に見る朝焼け…光さえ久しぶりで戸惑っているようにさえ思う…。
淡い朝の…これから日が上る少し前のこの刻、その薄明かりの中に彼の姿を思い浮かべる…。
会えない…それでも会いたい…。
私はどうしたら良い…?
肌寒い晩秋の朝焼け…求める温もりはどこにもない…。
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