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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『アホの子達が一か所に集まると…』1-4

「会長さんと合流したのは、(りょく)さんと美希(チンクル)さんと偶然カフェで会ったからですよ~。
 そうでしたよね~。」

と言っている飯と一緒に緑屋とその隣にいる、ちんちくりん(背の小さい子)、朱雀に視線を向ける。
なにを怒っているのか朱雀は頬を膨らませ

「飯野先輩! 自分は緑色の全身タイツのおじさんじゃないです!! 変なあだ名で呼ばないでくださいっ!!」

飯に怒鳴っている。……緑色の全身タイツのおっさん…?? なんじゃそりゃ?
どこかのイメージキャラクターか何かか? やれ可愛いとかなんとか、キモカワイイとか訳の分からない事を教室とかで、女子共が変なキャラクター相手にキャーキャー言っているのをよく見かけるが、つまりそうゆうこと??

「ピッタリだと思いますけどね~? そんなに嫌なら~、(りょく)さんにいつも引っ付いている金魚の…「チンクルでいいです! そっちでお願いします!!」」

あははっ♪ と笑っている飯…怖いなこいつ。女子につけるあだ名で、金魚の……はないだろ、さすがにっ。
全身タイツのおっさんか金魚の……この二つしか選択肢がない朱雀も可哀想言えば可哀想だけど……。飯の言っている事なんて無視すれば済む話なのに、良い奴だな朱雀。

「で、お前らはなにしてたんだよ」

飯のせいでずれた話を元の話に戻す。このままほっといたら一向に話が進まない。

「自分達は前の5人のような変態じゃないですからっ!」

「え? ナルシーって変態だったの!!?」

「ご、誤解だよっ。僕様は好きで変態な行為をしている訳じゃなくてっ」

「黙ってろアホ共っ、話が進まないだろうが!!」

ギャーギャー騒ぐアホ共を黙らし、朱雀から話を聞く。

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◇「映画デートの帰り道」

本当に濡れ衣です。自分達はただ、しーさんが前から見たいと言っていた【実写版 白夜叉~万事屋よ永遠なれ~】を観に行っただけですから!!
映画を観終わって、あー面白かった、楽しかったー、言っている他のお客さんと混じって映画館を出て来たところからです。

「白夜叉、面白かったですねっしーさん♪」

原作の少年漫画は読んだことなかったですけど、さすがはしーさんお勧めの映画! とっても面白かったです♪キャラクターは全く分からなかったけど、江戸なのにちょっと現代的な設定とお下劣な下ネタとのバランスが良かったです。
まさかあの俳優さんがあんな事を言うなんて/// ファンの方々は怒らないんでしょうか? 大ヒットしてると、いう事は多分大丈夫だったんだと思いますけど……

「そこらへんはどうなんでしょうね、しーさん?」

「…………」

「しーさん?」

なにか一人でぶつぶつ独り言を言っているしーさん。なにを言っているんだろう……と耳を近づけてみると

甘栗(あまぐり)(しゅん)は確かにかっこいい、かもしれない。でも彼は違う。
 僕らの銀さんではない。彼はまだ銀さんを演じるだけの器ではないと思う。
 いやそもそも、この世界に銀さんの代わりを出来る者なんているのだろうか。
 もしいるとしたら、中の人。杉田(すぎた)さんくらいしかいないのではないだろうか。
 イベント会場とかで銀さんコスをしているのを拝見したことあるけど、あれは声優さんがキャラのコスしているという観点から見れば………うんたらかんたら」

うわ~映画館あるあるその9「上映終了後にドヤりながらなんか語ってるヤツ」だぁぁこれぇぇえ。

【上映終了後にドヤりながらなんか語ってるヤツ】

 上映中というリミッターが外れた彼ら自称映画通に恐れるべき物など何も無い。
 恐らく興味本位で付いて来たであろう友人に感想やにわか仕込みの知識に基づいた弁舌を振るう。
 例え的外れな内容だろうが関係ねえ!
 「あくまで友人に話している」という体を利用し、全く関係の無い観客に対する「俺こんな事知ってるんですよ」アピールも勿論忘れない。
 誰も自分の感想なんて聞きたがっていないとは微塵も思わず、出口まで他人を付き合せる。そう、それこそが彼らの映画館に来る目的なのだ。
 ここ数年はアメコミ原作の映画に出没したとの報告が多数寄せられている。
 
【byグーグル先生】


マジかっ。しーさんて↑上に書かれているようなタイプだったのっ!?
そ、そういえば一緒に映画を観に来たのって今日が初めてだったかも……うわ~だからかっ今までいくら誘っても一緒に来てくれなかった理由(わけ)は……。

「どうしたの? 美希」

「え?」

熱弁し終わって満足してくれたのかな? やり遂げたって顔でしーさんの顔が近くにありました。
うん。まぁ……

「お疲れ様です、しーさん」

「?」

よく分からないといった風のしーさんの事はそっとしておくとしよう。
これ、相手をするとまたスイッチが入って喋り出す奴だから、多分…。話題を変えないと……なにか映画以外でいい話題ないかな……なにか…。

「大和殿?」

「へ?」

考え込んでて気が付きませんでした。
いつのまにやら最近出来たオープンカフェに辿り着いてました。しかもそこで飯野先輩がメロンソーダー片手にセレブ感出してゆったりしていました。なんでだろ……なんかムカつく。

「こんにちは~(りょく)さん美希(チンクル)さん」

「こんにちは」

「ど、どうも…」

この人苦手です。会長相手にも平気で喧嘩吹っかけますし、そもそも何考えているのか分からないないし、変なあだ名付けて来るし……とにかく嫌いです。大嫌いです。

「お二人はデートですか~?」

「はいぃぃ!!?」

な、ななななにを言っているんですかぁぁあこの人はぁぁぁああ!!
自分としーさんは女の子同士ですよ!? ただの幼馴染ですっ。そ、そんなデッ、デデデデ、デートだなんて、そんなことあるわけっ///

「違う。映画を観に行った帰りだよ」

あっさり答えるしーさん。うん。そーですよね、はい。分かってましたとも、ええ。

「大和殿は…休憩?」

「そうですね~。それと応援ですかね~」

は? 応援って誰を……飯野先輩が見つめる坂の下の方に視線を向けてみると……あ。

 
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