【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
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0197話『大型台風にさらされて……』
前書き
更新します。
先日から続いていた台風がついに日本へと上陸したために私達は総出で窓の補強や鎮守府内で栽培している畑などを守る作業を先日までに完了していたために今のところは問題はないんだけど、
「しかし……こんな台風はかなり久しぶりだな」
《そうですね……皆さんも今は部屋に閉じこもってそれぞれ台風が過ぎるのをじっと待っている感じですかね?》
榛名とそう話している私達も今は執務室ではなく自室でラジオを聞きながらも経過を見守っているのであった。
『現在台風は関東付近へと上陸中であり―――……』
と、ラジオからは聞こえてくるので、
「とりあえず、今のところはもう大丈夫かな?」
《はい。この調子でしたら午後にはもうおそらく晴れていると思いますから》
「だけどこの台風の影響で畑が全滅していないといいけどな」
《はい。そんなことがあったら武蔵さんや天龍さん達畑メンバーが落ち込みそうです》
そうだよな……。
まだ外は仕切り戸がガタガタ言っているしもう少し天候の回復には時間が必要だなと思う。
そんな時だった。
ふと、扉がノックされたので誰か来たのだろうと思って扉を開けてみるとそこにはずぶ濡れの藤波と鳥海の姿があった。
って、
「二人とも、どうしたんだ? ずぶ濡れじゃないか?」
「あはは……ちょっと藤波さんと一緒に外に歩きに行かないかという話になりまして出てきたんですけど、出て行った後に重巡寮と駆逐寮が完全に閉められてしまって……」
「すみません司令。少しお世話になります」
「そうか。それはタイミングが悪かったな……少し待っていなさい。タオルを持ってくるから」
それで私は二人分のバスタオルを用意する。
こういう時にたまに私の部屋に泊まりに来る子がいるから事前に用意しておいたのだ。
まだまだ不安定な子もいる事だしな。
たまに部屋に泊まらせては落ち着くまで談話や最近の近況などを聞いては慰めている事もしばしばあるからな。
そんな事を考えながらもバスタオルを出して二人のもとへと持っていく。
それと備え付けのお風呂も沸かさないとな。
このままだと二人とも風邪を引いてしまう。
「ほら。バスタオルだ。二人とも体が冷えているだろう? よかったらお風呂に入っていくか? たまにしか使わないから今から沸かせば入れるけど……」
「それじゃお願いしようかな……?」
「でしたら私も入らせてもらいます。正直言って体もずぶ濡れで風邪を引きそうですし……」
藤波と鳥海の了解を得たので私もお風呂の準備を開始する。
支度をしながらも思っていた事を聞いてみる。
「しかし……こんな台風の中、どうして外に出ようと思ったんだ?」
お風呂を沸かす準備が終わったので後は勝手にお湯が溜まるのを待つだけだしそう聞いてみると、
「……その、鳥海さんと遊びたいなって、思ったんです」
「藤波さんってたまに私のところに来ては遊んでいくんですよ。よく昔の事も思い出すみたいで……」
「あっ! 鳥海さん、恥ずかしいからそういうのは無しで!」
「ふふ、ごめんね」
昔の件か……。
藤波と鳥海の史実の話となると、
「鳥海が沈んだ後に藤波が乗員を救出した件か?」
「司令……知っていたんだ」
「まぁな。そこらへんはこの世界に来てから学び直した事なんだけど……だとすると早霜の事ももしかして後悔しているのか?」
「それは、ないです……理由はどうであれ姉妹を見捨てるなんて藤波にはできません。だから艦長の判断は否定されるものの仲間を救おうとしたんですから悪くは言えません。もち言えません」
そう藤波は言い切った。
それならよかったんだ。
史実で藤波は座礁した早霜から空襲の知らせを受けるも不知火とともに無視して救出しに行って、直前の救出していた鳥海の乗員ともども空襲で失うという悲劇を体験したからなにかと思う所はあると思っていたんだ。
でも、そこら辺を分かっているなら話でしか知らない私が口出しできる事でもないよな。
「……そうか。ならいいんだ。無粋な事を聞いて悪かったな」
「いえ、大丈夫です。……クシュンッ!」
そこで藤波が可愛いくしゃみをしたので、
「ああ、もう。だから言わんこっちゃないな。鳥海、そろそろお風呂も沸いている頃だから入って来なさい。着替えはちょっと大きいけど二人分用意しておくから」
「わかりました。迷惑をかけてすみません提督。さ、行きましょう藤波さん」
「はい。クシュンッ!」
またくしゃみをしながらも二人はお風呂へと入っていった。
さて、これで一応は安心かな?
それで二人がお風呂に入っている間に私はまず高雄の部屋へと備え付けの電話でかける。
『どなたですか……?』
「私だ高雄」
『まぁ、提督でしたか。どうしました?』
「ああ。そちらに鳥海が帰ってきていないと思うけど今藤波と一緒に私の部屋のお風呂に入っているから台風が過ぎた後に還すようにするよ」
『そうでしたか。わかりました。でも、鳥海ったらこんな時にまったく……』
「怒らないでやってくれな?」
『ふふ。わかっています。それでは提督失礼しますね』
「ああ」
それで高雄との電話を切った後に今度は夕雲へとって感じで電話をかけておいた。
これで安心かな?
夕雲なんかはやっぱり心配だったらしく安心した溜息をついていたから。
これで後私がすることは着替えの用意くらいか。
「しかし、鳥海はともかく私の着替えはやっぱり藤波には大きいけど大丈夫だろうか……?」
《大丈夫ではないでしょうか……? パジャマなんですから多少は融通が利くと思いますから》
「それならいいんだが……」
私はその後に二人がまだお風呂に入っているのを確認した後に、
「二人とも。着替えは置いておくからな?」
『わかりました』
『了解です。司令、あり!』
これで私の用事は終わったかな?
しばらくして私の寝間着を来た二人がお風呂から出てきた。
榛名サイズの寝間着だから鳥海は問題はなかったけどやっぱり藤波には大きかったらしく腕がちょっと隠れてしまっていた。
「提督、ありがとうございます」
「ありがとね司令」
「ああ。それじゃ二人とも台風が収まるまでこの部屋で暖を取っていなさい。炬燵もある事だしな」
「「はーい」」
二人はさっそくとばかりに炬燵に入っていた。
うんうん。でもちょうどいい話し相手が出来たからよかったかな?
私も炬燵に入りながらもそれから台風が過ぎ去るまで二人と榛名と四人で色々な会話をして楽しんでいたのであった。
後書き
なんでも話のネタにしていくスタイル。
午後には台風は抜けるそうですけど出かける際には気を付けてください。
風もかなり吹きそうですから怪我したら大変ですから。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
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