転生とらぶる
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ペルソナ3
1853話
すき焼きの締めはうどんだという事で結論が一致した昼休みが終わり、午後の授業に突入し、それも何とか乗り切る事に成功する。
一応士官学校を出ているが、当然日本の高校とは色々と違うところも多く、それなりに為にはなる勉強だった。
ともあれ、そんな風に授業が終われば、いよいよ高校生の本領発揮と言える放課後だ。
……勿論、それはあくまでも学生の立場での意見で、教師を含む大人としての立場から考えれば、学生の本分は勉強だという事になるんだろうが。
ともあれ、そんな放課後……今日の俺は、友近に連れられてラーメン屋はがくれにやってきていた。
俺以外にも、順平の姿がある。
本来なら有里も誘おうと思ったのだが、有里は引っ越してきたばかりで色々とまだ忙しいらしく、断られた。
……けど、桐条達の住んでいる寮に入ったって事は、やっぱり盗撮用のカメラとかがある部屋に住んでるんだろうな。
その事を言うべきか、言わざるべきか迷ったが……結局言わない事にした。
そもそもの話、もしそれを忠告すれば何故俺がそれを知っているのかという話になる。
まさか影時間に対抗する為のものだ……と言える訳がない以上、色々と怪しい理由にならざるを得ない。
そんな訳で、結局は言わない事にしたのだ。
「え? アルマーこの店知ってるのか?」
「ああ」
「へぇ……アルマーって、最近こっちに来たんだよな? まぁ、月光館学園に来る前にもそれなりに時間があったんだし、ここを知っててもおかしくはないだろうけど」
友近が少しだけ残念そうに呟く。
どうやら、この店の事を俺に自慢したかったらしい。
まぁ、その気持ちも分からないではない。この店のラーメンは美味いし。
はがくれ丼とかあるらしいけど、今日はラーメンという気分なので、大人しくラーメンを注文した。
ただし、チャーシューと煮卵のトッピングで。
「うわ、マジか。アクセル、お前ってもしかして金持ち?」
普通のラーメンを頼んだ順平が、羨ましそうにそう言ってくる。
友近も順平同様に羨ましそうな様子でこっちを見ていた。
「まぁ、色々とバイトしてるしな」
「バイトって……何か危ないバイトじゃないよな?」
「危なくはないな」
少なくても、俺には。
……いや、死神との戦いを考えれば、危ないと言えない事もないのか?
もっとも、実際にはタルタロスで得た金はゆかりの装備に使っているし、マジックアイテムの類も基本的にはお土産用として保存している。
そう考えれば、やっぱり俺が持ってる金は、あくまでも他の世界の金なんだよな。
……偽札って訳じゃないから、そういう類の罪で捕まったりはしないだろうが。
「何のバイトだ?」
「そうだな、一応夜のバイトって言っておくか」
『マジかっ!?』
順平と友近の2人が揃って声を上げる。
店の中にはそれなりに客がいるのだが、その客達の視線もこっちに集まっていた。
だが、2人はそれを感じていないのか、未だに俺に向けて唖然とした視線を向けている。
……まぁ、普通夜のバイトと言えば、それこそ色々と怪しいバイトを想像するのは間違いないしな。
無難な線で、ホストとかか?
俺がホストをやれば、色々な意味で酷い事になると思うが。
ホストというのは、思い切り酒を飲まされるらしいし。
ともあれ、順平達がどう思っているのかはともかく、俺が夜に働いているというのは決して間違っている訳じゃない。
そもそも、タルタロスに挑むのは影時間……日付が変わってからなのだから。
働いている時間だけを聞けば、夜のバイトの中でも更に遅い時間帯という事に思えてしまうから不思議だ。
「ま、そんな訳で、俺はそんなに金に困ったりはしていない。だから、チャーシューとか煮卵を追加でトッピングするくらいは問題ないんだよ」
これ以上話していると、もしかしたらタルタロスについて話してしまうかもしれない。
そんな風に思い、取りあえず適当に流す事にする。
「羨ましいな。……俺もバイトするかね」
「お? 本気か?」
「ああ。叶先生のようないい女と付き合うには、色々と金が必要になるんだよ」
ふふん、と笑いながら告げてくる友近。
月光館学園に転入してから、2日。
俺も高校生活をしていく中で、叶という教師を何度か見る機会があった。
まぁ、それなりに美人……と言ってもいいのだろう。
勿論俺の恋人のレモン達に比べれば数段劣るとは思うが。
また、この年頃の男というのは年上の女に憧れるという事が多い。
そう考えれば、友近が叶に好意を抱くのはおかしな話ではないだろう。
それが恋心か、あるいは単なる憧れなのかはともかくとして。
まぁ、月光館学園全体で見れば、女教師よりもゆかりや桐条の方が人気があったりするんだろうが。
「ふーん。ま、頑張ってみろよ。相手は教師だから難しいとは思うけど、それも青春っぽいしな」
「……アルマー、お前、妙に年寄り臭いぞ」
俺の言葉を聞いた友近が、何故かそんな風に言ってくる。
年寄り臭いか?
今までの経験から、基本的に俺の場合はその姿に性格が引っ張られる事が多いんだが。
勿論、それはあくまでもそういう傾向ってだけで、100%完全にって訳じゃないが。
ともあれ、この店のラーメンを食い終わるとこれぞ高校生の放課後といった具合に俺達はゲーセンに向かう。
「よし、行け! そこだ!」
「ちぃっ! やるな!」
友近と少し前に発売した、3VS3でやる格ゲーで勝負してみたり……
「ばっ! 何だよその反射神経!」
「俺のゴールは鉄壁だ!」
順平をエアホッケーで完封してみせたり……
「な、なぁ。何でお前そんなん出来るんだよ……」
何故かあったテトリスで最高レベルまで到達してみたり……
「くそっ! 何でそこで上がるんだよ!」
友近が脱衣麻雀のゲームに負けて悔しそうに吠えるのを見ていたり……
「うおっ! マジか!? これって本当に取れるんだな」
300円使うゲームの景品として最新の携帯ゲーム機をゲットしたり……
ともあれ、そんな風に若干大きな騒動はあったりもしたが、午後7時くらいになるまで、俺達はゲーセンで遊び続けた。
珍しく男だけの放課後だったが、たまにはこういうのもいいだろう。
そんな訳でもう暗くなってきたし、どこかで軽く食べるか、それとももう解散するか……そんな感じで迷いながら、俺達はポートアイランド駅に向かっていた。
「痛っ! おいこら、どこ見て歩いてやがる!」
午後7時くらいという事もあり、当然のようにポートアイランド駅の周辺には人の姿が多い。
そんな中で歩いていれば、注意していないと他人とぶつかるのは当然であり……結果として、友近が歩いている途中で誰かにぶつかった。
「っ!?」
いきなりの怒声に驚いた友近だったが、それでも何かを言い返そうとし……その動きを止める。
何故なら、ぶつかったのがいかにも不良といった姿の奴だったからだ。
もしここで何かを言い返せば、恐らく拳が……下手をすればもっと凶悪なものが飛んでくるかもしれないと、そう思ったのだろう。
友近が驚き、そして相手の姿を見た順平もまた同様に数歩後退る。
それを見て、向こうはこっちをカモだと理解したのだろう。嬉しそうな笑みを浮かべながら、口を開く。
「ま、そう怯えるなって。俺達だってそこまで非道って訳じゃないんだ。ちょっーっと慰謝料を貰えれば、それでいいからよ? な? 持ってるんだろ?」
「も、持ってないっすよ。俺達、さっきまでゲーセンで遊んでたから、金はそこで……」
「はいはい、冗談もその辺にしておきなよ。とにかく、ほら。ちょっとそこの裏まで行こうか。ここで騒ぎになると、色々と面倒だろ?」
そう言い、順平と友近の肩を抱きながら路地裏の方……こいつらの溜まり場のポートアイランド駅の裏側に連れて行こうとする。
そして順平と友近が連れて行かれる以上、当然のように一緒にいる俺も連れて行こうとし……
「げ」
俺に手を伸ばした男が、呻くような声を上げる。
「あん? どうしたんだよ? 折角小遣いが……うげぇ」
「ちょっ、マジ!? なんでこいつがこんな場所にいるんだよ!」
そうして俺を見て呻くような声を上げた男の言葉を聞いた他の2人も、俺の方を見て動きを止めた。
俺はこいつらに見覚えはないのだが、どうやらこいつらは俺に見覚えがあったらしい。
まぁ、普通に考えれば……俺が以前絡まれた不良の誰かって事だろうが。
ああいう類の奴は名前を覚える必要もないという事で、すっかりと忘れていたのだが……どうやら向こうは違ったらしい。
「俺の連れに用があるのか? なら、俺も一緒に行かせて貰おうか。そっちの方が、早く話も終わるだろ?」
「待った! 悪い! お前に喧嘩を売る気はないんだ! 頼む! 俺達が悪かった!」
数秒前までは順平と友近に思い切り絡んでいた男達だったが、その2人と一緒にいるのが俺だと知ると、たちまちその威勢が弱くなる。
「どうした? 話があるんだろう? 俺もしっかりとその話を聞く必要があるしな。……それにしても、最近は暖かくなってきたよな。2月の寒さはもう完全に消えたし」
『は?』
不意に話題を変えた俺に、不良の男達は理解出来ないといったような視線を向けてくる。
それは不良達だけではなく、順平と友近の2人も同様だった。
まぁ、普通ならいきなりの話題転換に、そうなってしまうのはおかしくないだろう。
だが……その話題は、別に何の意味もない訳ではない。
「この暖かさなんだし、一晩くらい全裸で路上に転がっていても、風邪とかは引かないよな?」
そう言った瞬間、不良達の顔が見るからに青くなるのが、夜でも理解出来た。
俺が何を言いたいのか、向こうも理解したのだろう。
慌てたように、俺から……そして順平と友近から距離を取る。
「は、ははは。俺達は別に……なぁ?」
「あ、ああ。冗談、冗談だからそんなに怒るなって、な?」
「そうそう。冗談なんだよ冗談」
口早にそう言ってくる不良達を見回し、俺は満面の笑みを浮かべてやる。
……なのに、何故か不良達は余計に引き攣った視線をこっちに向けていた。
「じゃあ、俺がこれからやるのも冗談だ。お前達が気を失っている間に全裸になって、標識や電柱に派手に飾り付けられるのも、冗談だよな?」
そう言い、先程よりも更に深い笑みを浮かべている。
その瞬間、不良達はまるでテレパシーか何かでタイミングを合わせたかのように、その場で踵を返して走り去る。
チームワーク抜群だな。
無言で走り去った不良達を見送り……そこで、順平と友近が目を大きく見開いて俺を見ているのに気が付く。
この状況の2人を写真に撮れば、『驚愕』とかいうタイトルが付けられるだろう。
携帯で写真でも撮るか?
そんな風に思いながら、俺は口を開く。
「いつまで驚いてるんだよ」
「あ、ああ。……けど、アクセル。お前って一体何者なんだよ?」
「何者って言われてもな。俺がこっちに来たのが2月くらいなのは覚えてるよな?」
「あー……うん、大体そんなくらいだったか?」
「で、その時もああいう奴等に絡まれた訳だ」
今の俺の姿は、15歳くらいの年齢だ。
年齢にすれば、中学3年。
勿論それでも外国人の俺は、傍から見ればそれなりに迫力があるようにも思えるのだろうが……ともあれ、絡まれるには十分な要素が揃っていた。
「……それで、あいつらに勝ったのか?」
「多分な」
「多分?」
何を言ってるのか分からないといった様子を見せる順平だったが、そもそも俺はあいつらとどこで戦ったのかは覚えていない。
顔に見覚えがあるような、ないような……そんな微妙な感じなのだから、恐らく俺に絡んできてボコボコにした奴に間違いはないだろうが。
そう説明すると、順平と友近の表情にどこか呆れの色が含まれた。
「アクセル、お前ってもしかしてかなりアウトローな奴か?」
「そう言われてもな。向こうから絡んでくるんだから、仕方がないだろ? やられっぱなしになる訳にもいかないし」
「あー……まぁ、いいや。とにかく今日はアルマーのおかげで助かったんだから。な?」
「いや、けどよ……ったく、分かったよしょうがねえ。アクセル、サンキュー」
順平が俺にそう言うと、続けて友近も俺を見て感謝の言葉を述べてくる。
「ま、気にするな。こっちは色々と訳ありだからな」
「……だよな。そもそも2月にここに来て、それで2ヶ月くらい学校にも来ないで適当にすごしてたんだし」
順平が俺の言葉に何か含みを持たせるように、そう告げてくる。
いやまぁ、それも決して間違いって訳じゃないんだけどな。
「とにかく、だ。今日はもう遅いし、この辺にしてそろそろ帰らないか?」
「だな。これ以上はもう遊ぶ気分じゃなくなったし」
友近の言葉に順平も頷き、こうして高校生らしい放課後は終わりを告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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