シベリアンハイキング
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タルクセナート
声の主
納屋に響いたその声の主を探して辺りを見回す。すると、この納屋は中央が一階から三階まで吹き抜けになっており、そこに梯子が掛かっていて登り降りする構造になっている。よく見ると、三階から誰かが顔を出している。暗い納屋の中にあって屋根板の隙間から漏れた光が丁度その顔の主を照らした。と、次の瞬間ユスフは猫の様な俊敏さでもって、納屋の外に飛び出した。倒れこむように着地、一回転して上体を起こすと、すかさず脇から拳銃を抜く。先程の三階から覗いていた男の横に猟銃をこちらに構えた数人が目に入ったからだ。「はっはっはっ。いや全くすまない。悪気はない。冗談だ。許してくれ。」暗い納屋の中から先程の顔を出していた男が、静かに歩いて出てきた。ユスフは拳銃を向けたままゆっくりと立ち上がった。「あんたが協力者か?」ユスフが聞く。「と言うことは、やはりあなたが彼等の言っていた掃除係ということですな。」 男は答えた。
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