| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

385




 松の葉に

  落つる日差しの

   儚きて

 なお恋しきし

    君の影待つ



 秋の陽射しの降り注ぐ空に伸びる松の木…。

 秋の気候は変わりやすく、こんな陽気は長続きはすまい…。

 こうして四季は移り変わるが、松は変わらず深い緑を纏う…まるで私の寂しさが変わらぬように…。

 ずっと変わらぬ彼への想い…今も来るはずのない彼を待ち続ける…。



 想わねば

  憂くもなかりき

   秋の月

 恋に嘆きつ

    虫の音を聞く



 彼のことを諦めれば…想わずにいられたら…こんなに憂いて秋の月を見上げることもなかっただろう…。

 明かすことの出来ぬ恋を嘆けども…如何にすることも出来ぬ世に…


 ただ、秋虫の鳴き声だけが響いている…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧