転生とらぶる
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ペルソナ3
1841話
取りあえずカメラの類については桐条の言葉を信じる事にして、俺は採寸を終わらせた。
もっとも、メイド達と桐条を居間に残し、俺だけでカメラのあった部屋に戻り、細い糸状にしたスライムで部屋の中を調査してからだが。
ちなみに俺が見つけた以外にも2つのカメラが埋め込まれており、そちらは壊すのもなんなので、取りあえず適当に空間倉庫の中から買い置きしてあるドッグフードとかを置いて録画出来ないようにしておいた。
……にしても、こういう部屋で暮らすってのは相当ストレスが堪りそうなんだが。
桐条は幾月を過剰に信用しているようだから問題はなかったみたいだが、真田辺りはどうなんだろうな?
いや、真田の性格を考えれば、別に部屋の中での生活を見られるくらいは特に問題はないのか?
もしくは、真田も幾月を信頼しているのか。
ともあれ、桐条達には寮に引っ越すようにと勧められていたが、とてもじゃないがそんな気分じゃなくなったな。
そもそもの話、俺の場合は人に見られると困るよう事が色々とある。
その時点で、俺のあの寮に引っ越すという選択肢はなくなった訳だ。
「うそっ! 本当にカメラが!?」
「ああ」
タルタロスの15階、現在行ける中では一番敵が強いだろ階層に、ゆかりの声が響く。
正確には現在行ける中で一番上は16階なのだが、残念ながら16階ではシャドウが出てこない。
そんな訳で、今日は俺とゆかりで15階を探索していた。
本来なら今日も荒垣を連れて来るつもりだったんだが、何か今日は用事があるとかで、タルタロスに来るのを断られてしまった。
真田辺りと何かあるのか?
そうも思ったが、もし真田と用事があるのなら、別に影時間にわざわざ会う必要はない。
今は春休みなんだし、普通に日中会いに行けばいいだけだ。
となると……もしかして、荒垣は秘密の特訓でもするのか?
それはそれで面白そうだい見てみたい気もするな。
「桐条先輩も真田先輩も、よくカメラのある部屋に住む事が出来るわね。怖くないのかしら?」
「俺もそれは疑問に思った。ただ、桐条や真田にとって、幾月はそれだけ信頼出来る相手なんだろうな」
桐条も真田も、月光館学園ではかなりの有名人でファンも多い。
そんな2人の私生活を録画したビデオ……更に着替えシーン付きとかなれば、それこそ売りに出そうとすればかなりの金になりそうな気がする。
幾月がそんな誘惑に負けないよう、祈るのみだ。
……そんな真似をすれば、幾月は色々な意味で危険な目に遭うのは間違いないだろうが。
ともあれ、少なくてもゆかりは俺と同じくカメラが標準装備されている寮に住みたくはないだろう。
荒垣はどう思っているのか、多少気になるが……もしかして、知らないとかそういう事はないよな?
それはそれで面白そうではあるが。
「そんな訳で……ああ、シャドウが来たな。狂愛のクビドだ」
俺の言葉が終わると同時に、タルタロスの通路の曲がり角から空を飛んでいるシャドウが姿を現す。
弓を持っているこの天使型のシャドウは、狂愛のクビドという名前になったらしい。
この前15階で桐条達と一緒に探索した際に遭遇し、桐条グループの方でそんな名前が付けられた。
ちなみにカブトムシ型のシャドウは死甲蟲。ゾンビが2匹一緒になっているのはトランスツインズという名前になっている。
色々と何かシャドウの名称にはルールがあるんだろうが、随分とご大層な事だとは思う。
もっとも、別に俺もシャドウの命名権で桐条グループと争うような真似をするつもりはないので、大人しく桐条グループが付けた名称を使っている。
……もっとも、それは俺のネーミングセンスがいまいちだというのもあるんだが。
それこそ、1匹や2匹程度ならともかく、これだけ次々に新種のシャドウが現れてくると、全てに名前を付けるのは難しい。
それこそ、A-1とか、B-2とか、そんな風に記号を付けるのが精一杯だ。
技術班辺りなら、ニーズヘッグとかを見ても分かるように、色々と命名するのは得意なんだろうが。
「ゆかり」
「分かってる、任せて」
俺の言葉に、ゆかりはショートボウを使って狂愛のクビドに狙いを付ける。
ちなみに、そんなゆかりの前には、当然のように子猫の炎獣が存在していた。
ゆかりを守る為に俺が出した物だが……不意にその炎獣が跳躍する。
同時に狂愛のクビドが射った矢が炎獣に咥えられ、受け止められる。
そんな炎獣の行動と同時に、ゆかりはショートボウから矢を射り、次の瞬間には狂愛のクビドの胴体に矢が突き刺さる。
そう言えば桐条達と協力関係を結ぶ事で良かったのは、ゆかりの使う矢の心配をしなくてもいい事だろうな。
一応材料費くらいは支払う必要があるが、店で買うよりは相当安く矢を補給する事が可能になった。
もっとも、正式に向こうと合流するのであれば矢の代金は必要ないとも言われたのだが……残念ながら、こっちにその気はないので、矢に関してはそんな具合で買い取る予定になっている。
ちなみに魔法の籠もった宝石とかそういうのも、俺達が良ければ向こうで買い取ってくれるらしいが……俺達が自分で使う分もあるし、何よりホワイトスターに帰る時のお土産は多ければ多い程いいので、今のところそれは考えていない。
そんな事を考えているうちに、ゆかりと狂愛のクビドの戦いは一方的なものになっていった。
向こうが射る矢は全て炎獣が防ぎ、逆にゆかりの射る矢は次々に向こう命中するのだから当然だろう。
これは勝負がつくのも早いな……そう思っていると、不意に狂愛のクビドがゆかりから距離を取る。
「ディア」
その言葉と共に、狂愛のクビドの身体にあった傷が回復していく。
ちっ、回復魔法持ちか。
しかも空を飛ぶ回復魔法持ちとか、厄介以外のなにものでもないな。
しかも、狂愛のクビドの使える魔法は、それだけではなかった。
「ラクカジャ」
ゆかりと距離をとった事により、矢を回避しやすくなった狂愛のクビドは再度魔法を使う。
一瞬その身体が光に包まれ……何だ?
ラクカジャというのは、俺も初めて見る魔法だ。
具体的にどのような効果があるのかは分からないが、それでもゆかりは攻撃魔法ではないと判断したのだろう。再度ショートボウで矢を射るが……
「嘘っ!?」
ゆかりの口から、驚愕の声が上がる。
当然だろう。狂愛のクビドがゆかりから距離を取った……つまり若干ではあるが矢の威力が落ちたのだが、それでも矢が与えた傷が先程と比べると大きく弱まっていたからだ。
先程は矢の半ばまで狂愛のクビドの身体に突き刺さっていたにも関わらず、今回は突き刺さったのは鏃だけだ。
どう考えても、狂愛のクビドの防御力が上がっていた。
なるほど。ラクカジャってのは防御力を上げる魔法か。
その効果が物理攻撃だけなのか、魔法攻撃に対する防御力も上げるのか、その辺は分からない。
だが、中々に便利な魔法であるのは間違いない。
……この世界の魔法を習得出来ないってのは、ちょっと残念だな。
「イオ、ガル!」
弓での攻撃では効果が薄いと判断したのだろう。
次にゆかりが選んだのは、物理攻撃ではなくペルソナを使った魔法攻撃。
牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女。ゆかりのペルソナのイオだ。
そのイオから放たれた風の刃は、狂愛のクビドの身体を斬り裂いていくも……致命傷とはならない。
皮を裂く事は出来ても、肉や骨には傷を与えられないといったところか。
イオの能力を考えれば、魔法の威力も落ちているな。
先程のラクカジャは物理防御だけではなく魔法防御も上げるのは確定、と。
「くっ! なら、イオ!」
弓も魔法も効き目の薄い狂愛のクビドを相手に、ゆかりが取った手段は単純なものだった。
それは、突撃。
そう、狂愛のクビドとイオでは、その大きさはかなり違う。
いや、イオの本体――鎖で縛られた女――だけなら、そこまでクビドと差はないのだが、そこに巨大な牛の頭蓋骨があるとなると、質量差は圧倒的なものとなる。
そして狂愛のクビドは基本的に空を飛んでいるシャドウである以上、真っ直ぐ正面から突っ込んでくるイオに抗う術はない。
いや、空を飛んでるんだから回避しようと思えば出来たのかもしれないが、少なくてもこうして見ている限り向こうは攻撃を回避するようなことはなく……次の瞬間、牛の頭蓋骨とタルタロスの壁に挟まれ、消滅する。
「……弓とか魔法より、イオの突撃の方が攻撃力が強いってのは……ちょっと意外だな」
「出来れば、もう少しスマートに倒したかったんだけど」
少し不満そうな表情を浮かべているゆかりだったが、俺から見ればあの突進も十分攻撃力の高い攻撃手段だと思う。
牛の頭蓋骨を使っているだけに、突進とかの攻撃方法と相性はいいのかもしれないな。
ただ、それをゆかりに言えば、間違いなく納得はしないだろうが。
「まぁ、それでも倒したんだからいいだろ。……にしても、回復魔法と自分の防御力を上げる魔法を持っているシャドウか」
ただ、防御力を上げてもイオの突撃は防ぎきれなかったみたいだが。
……うん、何だかイオって普通に敵に突撃している方が十分強力な攻撃だよな。
それこそ、下手にガルを使うよりも物理攻撃の方が強いし。
ガルを使えば魔力を消耗するけど、突撃なら魔力の消耗もない。
こうして考えれば、その大きさの関係もあって間違いなくイオは物理攻撃向きのペルソナだ。
「前に見た時は、そこまで強力なシャドウには思えなかったけど……いえ、こういうのは強力じゃなくて厄介な、と言うべきかしら?」
「だろうな」
狂愛のクビドは、特別に強いシャドウという訳ではない。
だが、しぶとさという一点においては、かなりの能力を持つ。
そう考えれば、ゆかりが言う厄介という表現は、これ以上ない程に似合っている。
「で、どうする? もう戻るか? それとももう少しここで戦っていくか?」
「……もう少し戦っておきたいんだけど、それでもいい? あの16階を封じているのがいつなくなるのかは分からないけど、あの封印がなくなって先に進んだ時、シャドウに敵わないなんて事にはなりたくないし」
決意を込めた顔でゆかりが頷く。
実際、ゆかりにとってタルタロスの攻略というのは、そこまで力を入れる必要はないと思う。
父親の真相を解明したいという気持ちがあるのであれば、それこそ桐条グループとの間で話を進めていけばいいのだから。
それをしない辺り、色々と自分に思うところがあるのだろう。
もっとも、原作が始まるまでに出来るだけゆかりの訓練をしておきたい俺としては、まだまだ足りないと思うんだが。
……そもそも、原作が始まった時のゆかりの強さがどれくらいなのかが分からないし、原作が始まった時に実は過去に死んだキャラとしてゆかりが出てこないとも限らないので、出来ればもっと鍛えたいところなんだが。
まさか、原作が始まった時、実はゆかりは全く戦闘とか経験をしておらず……召喚器を頭部に向かって撃とうとしても撃てないとか、そんな事はないよな?
召喚器は、いわば模型とかモデルガンとか、そんな感じの代物だ。
擬似的な死を体験する為に、作りそのものは本物と寸分違わぬ代物となっている。
ただし、銃口は完全に塞がれているので、実際に武器として使うには鈍器として使うしかない。
まぁ、金属の塊である以上、鈍器としては十分な性能を持ってはいるのだが。
鈍器として使うのかどうかはともかく、召喚器として使う以上、自分の頭部に向けて撃てなければ意味がない。
銃口が塞がれている以上、自分に向かって撃てないなんて事はないと思うんだが……いや、何だかんだと怖がりなところもあるゆかりだ。そんな風になってもそこまでおかしくはないのか?
もっとも、それはあくまでもifの話でしかない。
少なくてもこの世界では、ゆかりはペルソナを召喚するのに戸惑ったりするような事はないのだから。
「そうか。じゃあ、もう少し戦っていくか。……ちなみにゆかりは、どんなシャドウが戦いやすい?」
「え? うーん、そうね。死甲蟲はちょっと戦いにくいわね。向こうの外殻が固くて、普通にやってるだけだと矢が通らないし」
「あー……だろうな」
カブトムシ型のシャドウの死甲蟲の場合、イオの魔法を使って倒すか、外殻の隙間……関節部分を狙って矢を射るなりしなければならない。
イオ最大の攻撃方法、突撃や押し潰しとかでも、死甲蟲を相手にしてはダメージを与えられるかどうかは……微妙なところだろう。
そう考えれば、やっぱり狂愛のクビドとかの方が戦いやすい相手ということか。
そんな事を考えながら、俺とゆかりはもう暫くタルタロスでシャドウ狩りを続けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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