DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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大好物はシスター?………いいえ、美女全てです!
ともかくも怒りを静めたお父さん。
でもジジイはビビって静かになった。
良し!
「…でもごめんなさいお母さん」
アルルママが出してくれたケーキとお茶を飲みながら、雑談していると突然アルルさんが謝りだした。
「何を謝る事があるの?」
ダーリンの親父が騒いだから?
「お父さんが余所で子供を造ったなんて…あんな状況で伝えるべきでは無かったのに…ごめんなさい」
そうねぇ…
世間一般ではタブーな事柄だもんねぇ…
「やっぱり余所で浮気しちゃったんだ。…うふふ、良いのよアルル。多分そうじゃないかと思っていたから」
どうやらここでも私はマイノリティーだ。
「た、多分って…お母さんはお父さんが浮気をする事が分かってたの!?」
「うん。だって…初めて出会った時のあの人の言葉は…『美しいお嬢さん、今夜俺のベッドに空きがあるので、ご一緒に夢の園へと出かけませんか?』だったし!」
あれ?
ついさっき聞いたぞ、その台詞。
「はぁ!?」
「ど、どっかで聞いた事ある様な台詞だなぁ…」
呆れるアルルさんと、白けた目で師匠を見るウルフ。
「『夢の園』か…うん、良い表現だ!今度使おう!」
「父さん!!」
どうやらアルルパパもマイパパと同類のご様子。
お兄ちゃんは苦労が絶えないわね。
「ぐっ………頭が痛くなってきた…あのクソオヤジ…」
「あらあらアルル…言葉が悪いですよ!それに、そのクソオヤジの成分から生まれてきたんですからね!」
真面目っ子は不真面目っ男を罵るが、その不真面目っ男にゾッコンラヴなママさんは、プクッと頬を膨らませ怒ってみせる。
もうそこそこなお歳のハズだが、それを感じさせないラブリーママ。
「う、羨ましいですねぇ…リュカ殿もオルテガ殿も、英雄と呼ばれる御仁には美女が寄ってくるようですね!」
「こらラングストン!アルルパパは知らんが、僕は英雄じゃないぞ!勝手に奉り上げるな!」
「いえいえ…『英雄色を好む』って言いますから、リュカ殿は間違いなく英雄です!」
あはははは、英雄要素はそこかい!
「でもティミー…私にも分かってきたわ。ロクデナシの血が混じっているという事が、どれほどに恐ろしい事かって…」
「はぁ…強く生きようねアルル…」
マヂでお似合いカップルね…
「大変だなぁ2人とも。ま、頑張ってね!」
苦労の原因の99%はアンタなのに、どうして他人事の様に話せるの?
「何で他人事なんですか!?アナタの所為で僕は苦労してるんですよ!自覚を持って下さい!」
「知らないよぉそんな事…世の中に美人が多いのが悪いんだ!僕は自分の心に従って生きているんだよ」
どんな理屈だよ!
「いけしゃあしゃあと言いやがってコノヤロー!」
「あれ?最近ティミー君てば反抗期?パパに対して乱暴な言葉が多いけど…?」
おいおい…ここまで出来の良い息子は居ないだろう…
「お父さん…自覚してなかったんですのね…大分以前から、お父さんの女癖の悪さには反抗的でしたわよ、お兄ちゃんは…」
「女癖って…みんな良い女ばかりだよ!」
「そ、そう言う意味じゃなくてね…」
女の善し悪しじゃなくて、女に手を出すという善し悪しだ!
「そうだよマリー!リュカさんの女の趣味は最高だ!アリアハンに戻って、久しぶりに孤児院へ挨拶しに行ったけど、シスター・ミカエルはやっぱり美人だ!彼女の娘さんも、両親の血を引いてるから、将来絶対美人になるね!」
なぬ!?ウルフがお父さんの肩を持った!?
「へー…お前、何時の間にミカエルさんに会ったの?美人だよねぇ~……………あれ?今、娘って言った?何それ??」
え、またですか!?
「ま、まさか…ウ、ウルフ君、その娘さんて…」
「さぁ…ハッキリとは言いませんでしたが、愛した男性は1人だけみたいでしたし…俺の知る限りでは、シスター・ミカエルは複数の男性とお付き合いできるような性格ではないですからねぇ…」
ほぼ決定じゃん!
しかも、また妹かよ!
「やべ~…1年以上前の事だから油断していた。そっか…こっちの世界で3人目か…」
何でお前は冷静なんだよ!
「ウ、ウルフ君…頼むから嘘だと言ってくれ…頼むから、これ以上腹違いの妹が増えた等と言わないでくれ!」
情報提供者に懇願するお兄ちゃん…よくグレないわよね?
「リュカさん…ティミーさんがあんな事言ってますが…当事者としてはどうなんですか?」
当事者意識が無いから聞くだけ無駄じゃないの?
「あれ!?その言い方からするとお前…嘘吐いただろ!本当はミカエルさんに会ってないだろ!」
え!?
「ちっ…本当はリュカさんを困らせたかったんだけど、必要以上にティミーさんが慌てちゃったよ…ゴメンねティミーさん」
何と此度の家族増加騒動はマイダーリンの狂言だった!
「う、嘘だったんだな!な、何でそんな嘘を吐くんだよ!?」
半泣きで憤慨するお兄ちゃん。
「俺の憧れていた女性を、いとも簡単に寝取った男に復讐をしたかったんだ!けど、張本人はさほど取り乱さなかったし………上手く復讐出来ないもんだなぁ…」
しょうもない理由での狂言に、被害者お兄ちゃんもグッタリ。
「しかし流石はリュカ殿ですな…一挙手一投足において、他人を巻き込む天性の素質!学びたい物ですなぁ…」
新たな娘騒動も一段落し、お父さんを尊敬する様に馬鹿にするラン君。
…それとも馬鹿にする様に尊敬してるのかしら?
「安心なさいラングストン君…貴方はその素質を持ち合わせているわよ。リュカに嫌がらせを出来るのは、貴方ぐらいなもんよ!」
そうよね~…具無しピザは最高だったもん!
「おぉ、ビアンカ様!お褒め頂き恐縮の極み!」
1ミクロンも褒めてねーよ!
脳みそ腐ってるのか?
(ゴツン!)
「ビアンカに褒められたからって、いい気になるなよ!言っておくが僕の奥さんなんだからな!お前に気があるワケじゃないんだぞバ~カ!」
褒められてねぇって言うのに、ヤキモチを妬くお父さん…
「ほ、褒めてないわよ……」
お母さんの呟きは虚空に消える…
「しかし、そうなりますと気になりますねぇ…もしかしたら、嘘から出た誠という事に………」
そうよね…
会いに行ったって事が嘘なのだから、出来てないとは限らない…
「やっぱりラン君も気になっちゃう?私も弟妹が増えているのか気になっちゃって…確かめに行く?」
私とラン君が互いに頷き立ち上がる。
そして当事者のお父さんと、寝取られ被害者ウルフを連れて、早々に教会を目指して歩き出す。
気が付けばお母さんもハツキさんも、カンダタ・モニカさんまでもがついてくる始末。
あぁ、勿論ラーミアも…
ゾロゾロと・大人数で・押し寄せて・会ってみようぜ・浮気相手に
うん。良い短歌が出来た!
でもお母さんが怖いので心の中でしか読みません。
孤児院と併設されている教会にやって来た私達。
直ぐさま孤児院の庭の方へ顔を覗かせると…居るわ居るわ、子供達の集団が!
私より遥に年下の子供もいれば、もう喰べ頃(パパ流)な子供もごちゃ混ぜ状態で居りますわ!
「あ、リュカさん!」
子供達と一緒に遊んでいた1人のシスターが、お父さんに気が付き駆け寄ってきた。
綺麗な金髪に青い瞳、そして褐色の肌…
オッパイ・ボヨンボヨンでお父さんに抱き付き頬擦りをする。
「や、やぁミカエルさん。相変わらず美人だね…」
うん、美人だ。
腹違いのお姉ちゃんのお母さんみたいに美人で巨乳でシスターだ!
しかも人目も憚らず抱き付く緩さ…
「シ、シスター・ミカエル…た、ただいま!」
少し恥ずかしそうに挨拶をするウルフ。
でもシスターには1人の男しか見えてない様子…
お父さんを見詰めウットリしている。
流石の私も、こんな扱いのウルフにジェラシーを感じない。(むしろ泣けてくる…)
「あ、あの…みんなが見てるよ…」
凡そ1年会えなかった愛しの男性に、久しぶりに会う事が出来た乙女の気持ちは暴走特急。
「それでは誰も居ない所へ…」
そう言う意味では無いのだけれど、止まる事のない欲望という名の恋心。
「はぢめましてシスター…私はビアンカ。リュカの妻です!」
私のママは臨戦態勢。この時既に臨戦態勢。負けてなるかと臨戦態勢。
修羅場だ、修羅場だ、シュラシュシュシュ♪
きたわぁ~…遂にこの男に天誅を喰らわす瞬間が…
認めたくないけどお父さんはイケメンだ。
こんなイケメンを手放す事は出来ないだろう…どちらも!
………となれば、起こりうる事は1つ!
後書き
“修羅場だ、修羅場だ、シュラシュシュシュ”って、サンドウィッチマンのネタにあったので使わせてもらいました。
ところで私はガチでシスターという存在に会った事がありません。
実在するのですか?
コスプレじゃなくてだよ!
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