地上の楽園
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第四章
「マンセーーーー!!」
「マンセーーーー!!」
「今度は何?」
桜子は叫んでいる彼等に問うた。
「将軍様の真似はわかるけれど」
「はい、この前テレビ観てたらやってました」
「こんなことしてました」
「マンセーーとか叫んでて」
「あんまり変だったんで」
「ちょっと真似してました」
「どうですか?」
「何でまたあの国なのよ」
飽きるかと思えば相変わらずなので突っ込みを入れた。
「最近行進しなくなったって思ったら」
「だって面白いですから」
「あんまりにも変なんで」
「皆集まって人文字作ったり」
マスゲームだが子供達はまだこの言葉を知らない。
「人が集まって絵になったり」
「それでマンセーって叫んでましたから」
「真似してるんですけど」
「ああ、そういえばね」
桜子も生徒達の話で何かわかった。
「テレビでそういうのもよくやってるわね」
「そうですよね」
「何か地上の楽園とか言って」
「変なお祭りよくしてるんで」
「面白いですから」
「地上の楽園って」
この言葉自体にもだ、桜子は言った。
「誰もそう思ってないから」
「何ですか?この言葉」
「地上の楽園って」
「そんなのあるんですか?」
「ないわよ」
この言葉自体をだ、桜子は否定した。
「というか少なくともあの国は違うから」
「そうなんですね、そういうのないんですね」
「それで北朝鮮は地上の楽園じゃないですか」
「そういうのじゃないんですね」
「あんな楽園はないから」
こう言ってあくまで否定するのだった。
「だから変なこと覚えないの」
「変なことって」
「そんなにですか?」
「変ですか?」
「面白いじゃないですか」
「そうじゃないですか」
「だから何でまたその国なのよ」
北朝鮮ネタだというのだ。
「次から次に」
「だっていつもテレビに出ますし」
「その度に変なことしてますから」
「面白いですから」
「私達も真似します」
「だから他に物真似出来る人いるでしょ」
桜子がここで挙げるそうした人はというと。
「お笑い芸人とか特撮とかアニメとか」
「だってそういうのより面白いですから」
「北朝鮮の物真似って」
「物凄く変ですから」
「ですから私達もやってます」
「そりゃ先生が子供の頃もね」
思えばその頃からだった、北朝鮮はというと。
「独裁とか将軍様とかミサイルとかばかりで」
「変ですよね」
「とんでもない国ですよね」
「やりたい放題で」
「もう無茶苦茶ですから」
「インパクトはそのままだったわよ」
桜子が小学生の頃からそれで有名だった。
「だから真似もしたけれど」
「先生もじゃないですか」
「やっぱりそうじゃないですか」
「それじゃあですよ」
「物真似しますよね」
「そうですよね」
「それはそうだけれど」
それでもとだ、ここでまた言った桜子だった。
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