おぢばにおかえり
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第四十一話 神戸でもその十一
「すぐそんなこと言う子で真面目な子いないわよ」
「いやいや、根っこはですよ」
「絶対に違うわね」
「そこは信じて欲しいですね」
「一学期の始業式から観てるけれど何処がよ」
おぢばがえりの時も一緒にいましたし。
「全然真面目じゃないじゃない」
「ですから根っこの部分が」
「根っこまでいい加減じゃない」
そうとしか思えないです、今だって適当で能天気な空気が全開です。私の方を見てにこにことしているお顔にそれが出ているとしか思えないです。
「全く。どのお口で言うのよ」
「このお口で」
「そこでそう言うのが何なのよ」
私は阿波野君に八重歯を出して怒りました。
「そこでそう言うから駄目なのよ」
「駄目ですか」
「駄目よ、とにかくね」
「とにかく?」
「もっと真面目に生きなさい、さもないとね」
「先輩みたいなしっかりした人が一緒じゃないとですね」
「困るわよ・・・・・・んっ?」
阿波野君の今の言葉がふと引っ掛って聞き返しました。
「今の言葉どういう意味なの?」
「ですから先輩みたいな」
「私なんて全然しっかりしてないわよ」
「そうですか?」
「そうよ、何言ってるのよ」
こんな変な子いません。そもそも何で私はこの子と何かあると一緒に会ってそしてこうしてお話をしているのでしょうか。
このことがわからないで、です。私は阿波野君にまた言いました。
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