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ギャル巫女

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第三章

「こうした性格になったと思います」
「そうなんだね、どんなお母さんなのかな」
「普通のお家ですよ」
「普通の?」
「はい、本当に」
「どんな普通のお家かな、よく見たら爪は奇麗だし」
 ネイルアートはしていない、見れば。
「一体」
「これは家事とかの時邪魔なんで」
「お家じゃ家事もするんだ」
「お料理とか。お母さんとお祖母ちゃんに教えてもらってます」
「本当にどんなお母さんとお祖母さんなのかな」
 神主さんはこのことがどうにもわからなかった、だがこの時はこれ以上聞かなかった。
 友美は学校でもそのメイクで制服も派手な感じで着こなしている、スカートはかなり短く折っていてスタイルのよさも目立つ。
 その格好で雑誌を読んでいるがその雑誌はというと。
「料理雑誌読んでるの」
「ひょっとして友美ちゃんのお母さんのお料理出てるの?」
「そうなの、それで読んでるの」
 友美もこう答えた、友人達に顔を向けて。
「こうしてね」
「そうなのね」
「友美ちゃんのお母さん料理研究家だからね」
「時々東京にも出て雑誌に出るお料理作ってるしね」
「それでその雑誌にもなのね」
「作ってるの、お祖母ちゃんも食べものの家だしね」
 そちらの生まれだというのだ。
「うちもね」
「そのお祖父さんが居酒屋の旦那さんでね」
「お家も昔からの居酒屋で」
「それでよね」
「色々厳しいのよね」
「ファッションは何も言わないけれど」
 それでもというのだ。
「居酒屋って接客でしょ」
「そうそう、礼儀正しくないとね」
「それで真面目なところは真面目でないと」
「やっていけないわね」
「私もお店に入ったら」
 普段は違うがというのだ。
「髪の毛まとめて三角巾付けてね」
「アクセサリーも全部取って」
「そうしてるわね」
「邪魔だし衛生のこともあるから」
 家の仕事の時はというのだ。
「そうしてるの」
「それで躾も厳しいのよね」
「結構大きな居酒屋さんだしね」
「しかも繁盛してる」
「しっかりしたお店だから」
 友美の家が経営している居酒屋はというのだ。
「だからね」
「実は礼儀正しい」
「そういうことね」
「真面目で」
「そうなの。しっかりしないと」
 それこそというのだ。
「お母さんに怒られるわ」
「あの厳しいお母さんに」
「そうされるのね」
「お祖母さんにも」
「そうなの、自由なところは自由でいいけれど」
 その母の言葉だ。
「締めるところは徹底的に締める」
「例えギャルな外見でも」
「そういうことよね」
「そうなの、私もそれでいいと思うしね」
 友美自身もというのだ。
「アルバイトもしていってね」
「このままでっていうのね」
「やっていくのね」
「そのつもりよ」
 笑顔で言う友美だった、そのうえでだった。
 ギャルメイクのままアルバイトを続けていき学校での生活を楽しんだ、外見は確かに派手だが中身は全く違うままで。


ギャル巫女   完


                   2017・9・27 
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