ギャル巫女
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第一章
ギャル巫女
新深江友美は肌をわざと日焼けさせて髪の毛は伸ばしたうえで金色に染めそこに赤のメッシュも入れている、メイクは実に派手である。
所謂ギャル系の外見だが案外身持ちは固くしかもお菓子をはじめとした料理も出来て友人達からの評判はいい、だが。
今友美が話したことについてへだ、その友人達は全員驚いて言った。
「えっ、あんたが巫女さんになるの!?」
「嘘でしょ」
「アルバイトでも」
「そうなるって」
「いや、私部活しないしね」
友美は外見からは想像出来ない落ち着いた口調で友人達に答えた。
「アルバイトしようって思って」
「それで神社の巫女さんのアルバイト募集したら」
「採用されたの」
「そうなの」
「その格好で」
「そう、この格好で面接に行ったけれど」
ギャルそのもののそれでだ。
「見事採用されたの」
「友美ちゃんの内面見て?」
「友美ちゃん外見はこうだけれど中身はいいからね」
「結構真面目で身持ち固いし」
「普通の娘よりもむしろだから」
それならとだ、友人達も頷いた。
だがここでだ、こうも言った彼女達だった。
「けれどね」
「その外見でだからね」
「友美ちゃんの場合は」
「それで巫女さんに採用されるって」
「ちょっと有り得ないけれど」
「まあね、けれど今日からね」
早速というのだ。
「アルバイトに入るから」
「その神社でなのね」
「そうなるのね」
「そう、アルバイト頑張るから」
言う言葉は至って普通の感じだった。
「そうするからね」
「本当によく採用されたわね」
「ガングロ金髪にそのメイクで」
「本当に」
友人達はどうにもという顔で言う、だが友美が巫女になったのは事実で学校の帰りにその神社に入ってだった。
すぐに巫女の服に着替えた、すると若い神主さんが友美に笑顔で言った。
「じゃあ今から宜しく頼むよ」
「どんなお仕事ですか?」
「それはね」
神主さんは友美に巫女の仕事を細かく話した、それは主に雑用であり友美も聞いて仕事の内容を細かくメモをしてから言った。
「じゃあメモしましたし」
「メモを見ながらね」
「やらせてもらいます」
「そうしてね、お掃除が一番多いね」
「そうですね」
メモを見ると神社の何処を掃除してくれだのそうした話ばかりだった。
「見れば」
「半分そうだね」
「神社のお仕事はお掃除ですか」
「うちは広いからね」
「余計にですか」
「うん、お掃除の人手が欲しくてね」
それでとだ、神主さんは友美に話した。
「新深江さんに来てもらったんだ」
「そうだったんですか」
「そうだよ、だからね」
「メインはお掃除ですね」
「それで宜しく頼むよ」
「わかりました」
友美は神主さんの言葉に素直に頷いて神社の境内の掃除をはじめた。アルバイトをはじめたその日にだった。
神社にお参りに来たおばさんにだ、いきなり言われた。
「うわ、派手な巫女さんだね」
「はじめまして」
友美はそのおばさんに境内を掃きつつ笑顔で応えた。
「アルバイトに雇ってもらいました」
「そうなのかい」
「はい、宜しくお願いしますね」
「ふうん、派手な外見だけれど」
それでもとだ、おばさんは友美と話してすぐに気付いた。
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