俺のペットはアホガール
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<番長を引き連れた不良生徒の場合>
時刻は8時、一般生徒達が登校してくる時間ですね。
この時間帯に登校してくる生徒達は、真面目な生徒も少し悪い生徒も半々なのでよく見ることが大切です。
一般とに混じって不良生徒が何食わぬ顔で校門を通過してしまうかもしれませんからね。
「あー!! 見てくださいっ会長! あの生徒!!」
「あの生徒…?」
という後輩の足田さんが指さす方向を見ると
「あん? なに見てんだコラァあん?」
「あっあれは!」
フランスパンのような長いリーゼントに一昔前の不良が着ていた長い学ラン、そして何故か下駄を履いている、ホニャララ高校(まだ決めてない)の
「番長さん!?」
「あん?」
不良の中の不良、キングオブ不良である番長さんがこの時間帯に登校してくるだなんて…めずらしい…生徒会に入ってから初めて見ました。
どうして、番長さんがこんな時間帯に…? 一般生徒の皆さんが怖がっています。
「長岡さん、うるさいんですが~もっと静かに歩けません?」
「す、すみませんっ兄貴!!」
番長さんの後ろに隠れていて、気づきませんでしたが…小さい男子生徒のことを「兄貴」と呼んでいます。
あの番長さんを後ろに引き連れての登校!? これはもう確定です! 前2話のような、間違いありません!
「ちょっとそこの貴方! 止まりなさい!」
「あん?」
「ッ!」
番長さんの怖い顔がち、近くに!! で、でも怖がってはいけない、私!
「どけ」
「すいませんっ兄貴!」
「大丈夫ですか~? 会長さ~ん?」
ニヤニヤと人を小バカにしたようないやらしい笑顔……クラスメイトの飯野大和くん。
先生方からはとても高評価されているようだけど、なんだか少し怖い男子生徒です。
黒い噂話もよく耳にしますし、今日だって番長さんを後ろに引き連れての登校です。
「生徒会による抜き打ちチェックです。鞄の中を見せてください」
「いいですよ~」
「え?」
意外とあっさり了承するのね…普通の他の不良生徒だったら、すごく抵抗したりするのだけど…。
「どうしたんですか~? 見ないなら行ってもいいです? 僕も遅刻はしたくないので~」
「え? あ、ごめんなさい…すぐに終わりますから、少し待ってて」
チャックを開けて鞄の中身を確認します。
・
・
・
普通です。これといっておかしな物はありません。漫画本やゲームなど大体の不良生徒はそういった物を持ち込むんで来るのですが…。
「もういいですか~?」
「もう少し待って」
「(チッ、ザコ会長癖に)」
「え? なにか言いました?」
「いいえ~なにも~??」
「?」
番長さんの鞄の中身も一緒にチェックしましたが、彼もおかしな物は入っていませんでした。
…いえちょっと待ってください! 不良の中の不良、キングオブ不良である彼の鞄の中がおかしくないのはおかしいです!
「会長ー!!」
「は、放してくださいー!!」
「足田さん…その男子生徒は?」
校舎の方から足田さんがある男子生徒を連れて来ました。見たことがない生徒なのできっと下級生でしょう。
「チッ」
「あん? テメェ!」
「ヒィィィ!!」
「お知り合いのようですね」
「さあ?」
「しらばっくれるても無駄っすよ!! こいつが、抜け道を使って侵入して漫画やゲームを持ち込んだことはバレてるっす!」
「ゲ! あ、兄貴! どうしようぜ、あん?」
「少しはその空っぽの頭を使えば? じゃあ俺はこれで~「待ちなさい」チッ」
飯野くんの腕を掴み逃がしません。
「持ち込んだ漫画とゲームは没収させていただきます。この件は校長先生にも報告させてもらいますから、そのつもりで」
「へぇ~そうなんだ? 大変だね、長岡&下級生くん。ま、俺には関係ないけどね?」
「え…」「兄貴…」
「本当にそうでしょうか? 全くの無関係とは思えませんけど?」
「さあ? どうだろうね、校長先生は会長さんと俺、どっちの味方をするのかみものだね~あははっ♪」
「………」
飯野大和くん。彼は要注意人物のようです。
この後、校長室へ向かい彼らの事を報告しましたが処分されたのは番長さんだけでした。
内容も3日間の自宅謹慎というあまいものでした。
飯野大和くん! 次こそは貴方にお灸をすえてあげます!! 覚悟してくださいね!!
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