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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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815部分:第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその五


第六十六話 バイスとマチュア、闇の中で話すのことその五

「御二人は今は」
「うむ、曹操は乱を平定したばかりじゃ」
 その黄巾の乱だ。それによってだ。
「新しく兵を得たとはいえその統率や出兵の疲れがあるのう」
「ですから曹操殿を洛陽に入れるのは気の毒です」
「袁紹は袁紹でまだ異民族征伐の後始末があるか」
「それは孫策殿も同じです」
「袁術も黄巾の乱に出した直後じゃ」 
 各地の牧達もそれはそれで動かしにくい事情があるのだ。
「後は劉備だけじゃな。徐州の」
「牧になったばかりですから」
「結果として董卓だけか」
「そうです。あの方だけです」
「そうじゃな。ではそうしよう」
 自然とだ。司馬慰によって選択肢を狭められていることに気付いていない何進だった。そうしてそのうえでだ。彼女は話すのだった。
「ではわらわはじゃ」
「どうされますか、これからは」
「まずは董卓とその兵を洛陽に入れる」
 細かい話をしたのだった。
「そしてそのうえでじゃ」
「宦官達を倒されますね」
「どちらにしてもあの者達は退けなければならん」
 真剣な顔でだ。こう言うのだった。
「漢王朝の為にもな」
「そうです。国はようやく落ち着いてきました」
 弱まっていた権威がだ。そうなってきたというのだ。
「乱も収まりましたし」
「そうじゃ。ここで帝を惑わす宦官達を一掃すればじゃ」
「国の憂いは消え去ります」
「漢は再び完全に力を取り戻すからのう」
 こう言ってだ。彼女は国の為に動こうとする。しかしであった。
 司馬慰は彼女の前から去るとだ。すぐに。
 闇の中に消えた。そしてその闇の中でだった。
 そこにはバイスとマチュアがいた。彼等と話すのだった。
「戻って来たのね」
「如何にも」
「その通りよ」
 妖しい笑みでだ。こう答える二人だった。
「あの三姉妹のところからね」
「気付かれないようにしてね」
「そう。乱は不首尾に終わったわね」
 司馬慰はそのことについても言及した。
「残念だったわね」
「いえいえ、そうではありませんよ」
 于吉がだ。闇の中に来た。
 そしてそのうえでだ。こう司馬慰に述べるのだった。
「あの娘達はかなりの力がありましたから」
「それで書にはなのね」
「はい、かなりの念が溜まりました」
 そうなったというのである。
「その通りです」
「そう。ならいいけれど」
「そして宜しいでしょうか」
 今度は于吉が司馬慰に問うた。
「貴女の方はどうなのでしょうか」
「私ね」
「はい、そちらの首尾はどうでしょうか」
「あの将軍はあれで」
 何進のことだ。彼女が今仕えているその主のことだ。
「慎重なのよ。そして無能ではないわ」
「一介の肉屋の娘だったのに?」
「妹のお陰で大将軍にまでなったのになのね」
 バイスとマチュアが話す。
「無能ではないの」
「そうなの」
「皇后の姉というだけで大将軍にはなれないわ」
 司馬慰はこのことを指摘した。
「大将軍は国の柱石よ。三公と並ぶかそれ以上のね」
「そこまでにはなのね」
「無能では決してなれないのね」
「そうよ。ただね」
 また言う司馬慰だった。
 
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