恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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798部分:第六十五話 孔明、姉と再会するのことその一
第六十五話 孔明、姉と再会するのことその一
第六十五話 孔明、姉と再会するのこと
孔明はだ。この日も徐州の政務にあたっていた。
劉備を助けてだが。それでも実質には彼女と鳳統がかなりの部分を担っていた。
木簡や竹簡を手にしてだ。それに書いたり読んだり運んだりしてだ。あちこちを動き回っていた。
「はわわ、今日も大忙しです」
「そうよね」
その彼女に共にいる鳳統が声をかける。二人共その両手に山の如き木簡を抱えている。
「御仕事を幾らしても」
「次から次に来るし」
「それをやっていかないといけないから」
「大変ですう」
そんな話をしながら劉備のところに向かう。そこでだった。
劉備がだ。にこりと笑ってこう孔明に言うのであった。
「あのね、孫策さんのところからね」
「揚州からですか」
「うん、使者の人が来るそうなの」
こう孔明に話すのだった。
「今そのお話が来たわ」
「使者がですか」
「何か私が徐州の牧になったことのお祝いみたい」
表向きの理由をそのまま話す。劉備も細かい話はまだ聞いていない。
「前の陳琳さんや夏侯淵さんと同じでね」
「それと楽就さんとですね」
鳳統は袁術配下のその人物の名前も出した。
「その人達と」
「うん、お祝いの使者みたい」
こう話すのだった。
「だから。応対の準備をしないとね」
「わかりました。それじゃあ」
「そちらの用意も」
「ええ。あと今日のお仕事は?」
劉備は二人に自分の仕事のことを尋ねた。
「どれだけあるのかしら」
「はい、これだけです」
「宜しく御願いします」
出されたのはだ。二人が抱いているその木簡全てであった。
どさりと机の上に置かれたそれ等の木簡をだ。劉備はうっとした顔になって見た。そうしてそのうえで二人に対して尋ねるのだった。
「これだけあるの!?」
「はい、これだけです」
孔明が答える。
「これが今日の分です」
「こんなにあるなんて」
「昨日もこれ位でしたけれど」
今言ったのは鳳統であった。
「違いましたか」
「昨日大変だったし」
その仕事がだという劉備だった。
「それで今日もなんて」
「けれど御願いします」
「民の為に」
仕事に関しては引かない二人だった。
「それぞれの政への対策はまとめておきましたので」
「桃香様はそれを参考にされて」
「決断を下すのね」
「はい、そうです」
「後はそれだけです」
軍師二人はこう劉備に話した。二人は既に全ての政治について見てだ。そのうえで的確な対策を決めてそれをまとめてだ。劉備には決断だけをすればいいようにしているのである。
「そういうことで」
「御願いします」
「わかったわ。私頑張るわ」
劉備は気を取り直してだ。真剣な顔になって述べた。
「皆の為に」
「はい、是非」
「御願いします」
こうしてだった。劉備もまた仕事に取り掛かるのだった。そうした意味で彼女も他の群雄達と肩を並べる存在になっているのであった。
孔明と鳳統は劉備の前から退室してだ。牧の屋敷の渡り廊下を歩きながらそのうえでこんな話をしていた。右手には緑の庭が見える。
「それにしても揚州の使者の人って」
「そうよね。誰なのかしら」
「ううん、若しかして黄蓋さんとか」
「あの凄く胸が大きいっていう人?」
「あの人が来られたら負けそう」
孔明はこう鳳統に弱った顔で述べた。
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