恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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782部分:第六十三話 劉備、牧になるのことその七
第六十三話 劉備、牧になるのことその七
「およそ三百万です」
「それが徐州の人口です」
「わあ、多いね」
劉備はその人口を聞いて驚きの声をあげた。
「幽州の倍近くいるんじゃないの?」
「そうですね。徐州は土地がいいですし」
「住みやすい場所ですから」
軍師二人は人口が多い理由をそこに求めた。
「寒く土地が痩せた幽州とはやはり」
「かなり違います」
「じゃあ治めるのは」
「はい、それなりに難しいです」
「それは注意して下さい」
「そうよね。異民族はいないけれど」
それでもなのだった。
「この州は長い間牧がいなかったですし」
「それで政治が滞っていました」
「それをしっかりと立て直すことがです」
「桃香様の務めです」
「大変ね」
それは劉備にもわかることだった。
「けれどやらないとね」
「はい、頑張って下さい」
「及ばずながら私達も」
「皆もいてくれるから」
「ですから。本当にです」
「頑張って下さい」
こうしてだった。軍師二人は劉備の政治を助けるのだった。
それは彼女達だけでなくだ。関羽達もだった。
五人で兵を連れて見回りをしている。その中でだ。張飛が言うのだった。
「結構荒れているのだ」
「そうだな。長い間牧がいなかったからな」
関羽もだ。少しぼやきながら話した。
「そのせいか。どうもな」
「田畑も街もだな」
趙雲もいる。
「どうもな。長い間ほったらかしにされていたせいか」
「寂れてるな」
馬超は関羽と同じ顔になっている。
「どうしたもんだよ」
「けれど。荒廃というところまではいかないから」
黄忠は少し楽観的に述べた。
「それに人もそんなに減っていないし」
「何とかなるか」
「ええ、少し時間はかかるけれどね」
それでもだというのだ。
「この州は上手にまとめられるわ」
「けれど鈴々は政治のことはわからないのだ」
実に張飛らしい言葉だった。顔も困ったものになっている。
「街造りも感慨もできないのだ」
「それあたしもだよ」
馬超もだった。ぼやく顔になっている。
「政治って言われてもな」
「そうなのだ。さっぱりわからないのだ」
「田畑とかな。そういうのどうやれば」
「それは安心していいわ」
その二人にだ。黄忠が微笑んで話す。
「朱里ちゃん達がいるし」
「あの二人がなのだ」
「しっかりしてるからか」
「ええ。それに私や星も政治のことは少しはわかるから」
「そうだな。私も公孫賛殿のところで多少していた」
趙雲もここでそれを話した。
「あの方のところには人材がいないからな」
「言葉は現在形なのだな」
「そうだ。幽州は実質あの方が一人で切り盛りしている」
そうした状況だというのだ。
「それなりに優れた方だが」
「目立たないのだ」
「どうしてもだよなあ」
張飛と馬超も話す。
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