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シークレットガーデン~小さな箱庭~

作者:猫丸
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 第二章 汚された草競馬大会-3- 

暗く沈んだ顔をしていたおばさんはパァアと明るくなりルシアの手を両手で包み込み上下に上げ下げ。よっぽどの嬉しかったようだ。何度も「それは本当かいっ!?」と確かめる。ルシアも何度も「僕に出来ることなら」と強めの口調で答えた。
ありがとうありがとう、と涙をポロポロ流しながらお礼を言うおばさんを前にシレーナがルシアの肩をツンツンと叩いた。
なにかと思い振り向くと、シレーナは耳元でおばさんに聞こえないようにひそひそと

「馬…乗ったことあるの?」

ルシアに尋ねた。ルシアは苦笑いし、申し訳なさそうな面持ちでひそひそと

「実は一度もないんだ…えへへ」

でも頑張ればなんとかなるんじゃないかな!? と、変に前向きなルシアにシレーナは呆れ顔。
故郷の村では馬を飼っていた人が何人かいたが、貧しいかったルシアに馬、動物を飼う余裕はなく自分たちの食料を手に入れるのだけで精一杯だった。
そのため、馬を見たことはあっても、触った事、ましてや乗った事なんて一度もなかった。

「ありがとねぇ、ありがとねぇ」

何度もルシアにお礼を言うおばさん。
さすがに一度も馬に乗った事のないド素人だということを黙っているのは酷な話しなので、正直に言うことにしました。
おばさんは少々驚いた顔をしていたが、それでも実家を救ってくれようとしたルシアの気持ちが嬉しいと、やっぱり何度も何度もお礼を言われてしまった。

そしてその数分後。

「この子がフレアだよ。ルシアちゃんと同じ男の子だよ」

おばさんの実家の牧場に案内してもらいました。宿からはそんなに離れていない距離。歩いて二時間程の距離にありました。
牧場には馬以外にも牛や羊、姿は見えないが声は聞こえる鶏、沢山の動物たちが生き生きと暮らしていました。

今度の競馬大会でルシアがお世話になる相棒の馬は、漆黒の肌色がかっこいい筋肉ムキムキでとても速そうな馬でした。

「よろしくね、フレア」

ルシアはフレアの目線に立って優しく話しかけ、友好の証と人間でいうところの握手的な意味でフレアの鼻の前に手を差し出したところ

「フッ」
「……っ」
「わー。第一印象で嫌われたー」

鼻で笑われました。見た目はかっこいい馬だけど性格に難あり。
改めておばさんによくよく聞いて見ると、フレアはとっても誇り高き馬。用はプライドが高く誰よりも負けず嫌いで自分よりも格下の相手だと判断すると、命令なんて絶対に聞かないし、見下され舐めてかかるらしいのだ。
こんな変な馬でもう数時間後に迫る草競馬大会に出ないといけないのかと、考えたら憂鬱になる。
チェンジでお願いします! と、駄目もとでおばさんに頼んでみたものの、あいにくこの牧場には若くそして元気一杯でしかも足の速い馬、といったらフレアしかいないそうだ。
もうこうなったら腹をくくるしかないっ! 開き直り練習場へフレアと共に向かおうとすると
 
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