恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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772部分:第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその九
第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその九
「テリーさんに似た感じでね」
「じゃあいい人なんだ」
「元々あっちの世界でテリーさんと一緒にいたらしいし」
「だからなんだ」
「そうだよ。あっちの世界も色々ある世界みたいだけれど」
「そうだよね。あっちの世界は格闘家が多くて」
このことは二人もよくわかっていた。実に多くの格闘家達が来ているからだ。その彼等と実際に会いそして話をしているからだ。
そのことを話していた。するとだ。
許緒がだ。二人のところに来た。そしてこう言った。
「向こう終わったよ!」
「あっ、終わった!?」
「凛さん達上手くいったの」
「うん、狼煙があがったよ!」
こう二人に言うのだった。満面の笑顔で。
「成功の赤い狼煙がね」
「そう、じゃあ」
「そうね。すぐに私達もね」
馬岱と典韋は顔を見合わせてだ。満面の笑顔で言い合った。
そしてそのうえでだった。彼女達も狼煙をあげたのだった。
それを本陣で見た曹操はだ。満面の笑みでだ。こう傍らに控える程昱に話した。
「成功したわね」
「はい。凛ちゃんやってくれました」
「そうね。あの娘は鼻血と策だけじゃなかったのね」
「彼女の歌は絶品ですから」
程昱は穏やかな笑みで曹操にこのことを話した。
「そう簡単に負けることはないと思っていましたから」
「そうね。袁術と張勲も上手だったし」
「草薙さんの作詞もよかったかと」
「彼ね。私はそっちの趣味はないけれど」
それは前置きしてからの言葉ではあった。
「けれどそれでもね」
「いいと思われますね」
「大事を成すことのできる者ね」
草薙をだ。こう評するのだった。
「必ずね」
「はい。華琳様とはまた違う日輪かと」
「ええ。彼もまたね」
「それでなのですが」
ここでだ。程昱は曹操にこう言ってきた。
「黄巾軍の処罰ですが」
「それね。ちょっと詳しく話し合いましょう」
「わかりました。それでは」
「ただ、ね」
曹操はここでだ。程昱にふとした感じで述べた。
「あの三姉妹だけれど」
「彼女達ですか」
「黄巾軍の面々も含めて簡単に処罰するのもね」
「よくないというのですね」
「首を切るのは簡単よ」
一応この処罰も述べはした。
「けれど、ね」
「そもそも三姉妹はあの書をどうして手に入れたのでしょうか」
「それも気になるし」
「思うのですが」
程昱の目が少し顰めさせられた。
「あの三姉妹が書を手に入れた訳ではないと思います」
「自分達で望んでではなくね」
「誰かに手渡されたのでは」
こう述べる程昱だった。
「そんな気配がしますが」
「あの書はそれこそ天下を左右できるだけの力があるわ」
「しかし彼女達にそんな野心はありません」
「ただ。旅芸人として有名になりたいだけよね」
「そして美味しいものを食べて人気者になりたいだけです」
「そんな娘達が天下を乗っ取るとか」
「考えられません」
程昱は三姉妹のことを読みきっていた。まさにその通りだった。
「張角に鉈や刀を持たせたら危険でしょうが」
「けれどそれ以外はなのね」
「はい、何の危険もない娘達です」
まさにそうだというのであった。
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