恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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768部分:第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその五
第六十二話 三姉妹、書から離れるのことその五
「追い出して。ここから!」
「追い出すって」
「ちょっとなあ」
「あの娘達も歌上手いし」
「可愛いしな」
「そこまではなあ」
「そうだよな」
しかしだ。元々只の追っかけである彼等はだ。そう言われてもすぐには動かなかった。好戦的な人間は殆どいない状況なのである。
「仲良くやればいいじゃないか」
「そうそう」
「御互いの歌を聴いてさ」
「楽しくさ」
こう言う有様だった。しかしだ。
袁術達はだ。術が切れてあたふたとなっていた。
「ど、どうするのじゃ!」
「ど、どうしましょう」
流石に張勲も今は焦ってどうしようもない。
「このままですと」
「そうじゃ、あの連中に捕まってしまうぞ!」
「捕まったらそれこそですよ」
「ええい、わらわはまだ死にたくないのじゃ!」
袁術は真っ青になって叫ぶ。
「とにかくじゃ。どうにかするのじゃ!」
「撤退しかありません!」
郭嘉は流石に軍師だった。冷静さを保ちながら言う。
「今のうちに」
「それしかないな」
「今はな」
草薙と八神が彼女の言葉に頷く。
「とりあえず後詰は任せろ」
「容赦はしない」
それぞれの手に赤と青の炎を出しての言葉だった。
「大抵の奴ならな」
「幾ら来ても問題ではない」
二人も覚悟を決めていた。しかしだ。
黄巾軍はまだ動かない。張梁もそれを見て焦りを感じていた。
そしてその焦りを顔に見せてだ。また宝貝を使って叫んだ。
「皆、やっちゃえーーーーーっ!!」
するとだ。張梁を中心としてだ。黒い波動が湧き起こった。
そしてそれが黄巾軍を覆いだ。そうして。
彼等がだ。明らかに変わった。
「そうだよな」
「ああ、あの連中な」
「追い出そう」
「歯向かうならな」
「やってやろうか」
「ああ、そうしような」
こうしてだった。車を徐々に取り囲んでだ。迫ってきていた。
「あいつ等、敵だ」
「俺達の敵だ」
「それならだ」
「追い出せ」
「最悪殺してもな」
「構うものか」
虚ろな声で言いながらだ。迫って来る。それを見てだった。
「まずい、このままじゃあ」
「ああ、そやな」
「これ以上ここにいては危険だ」
李典と楽進が華陀に応える。
「今ならまだ間に合う!」
「ほな、全速力で行くで!」
「真桜、頼んだぞ!」
車を出そうとする。そしていざという時に備えて。
関羽達も得物を手にする。草薙達が身構える。
「今日、無様な姿を晒すか」
「へっ、それは手前が一番許さねえことだろ」
「当然だ。貴様を倒すのはだ」
二人は車のすぐ後ろに立ちそれぞれの炎をたゆらせながら話す。
「この俺だ」
「ああ、手前を倒すのもな!」
草薙も八神に言い返す。
「この俺だからな」
「どちらにしてもやるか」
テリーも出て来ている。
「手荒な真似はしたくないがな」
「この場合そうも言ってはいられぬ」
「やるしかないな!」
趙雲と馬超もそれぞれ槍を手にしている。全員戦うつもりだった。
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