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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:南條 綾
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5部 Sweet Songs Forever
3章 コンサート
  コンサート当日

 ・・・そうして、やってきた。運命の日が。
で、開場された会場をとにかく、恭也さんと美由希さんと一緒に練り歩く。

「・・・犯人に心当たりがある?」

「恭ちゃん、それ本当なの?」

「・・・あぁ」
 
 警戒しながら恭也さんから出された話はそんなビックリな話題だった。
流石恭也さん。

「やり口が似ているんだ。・・・アルバート・クリステラさんと、
父さんが巻き込まれた爆破テロの犯人とな」

歩きながら、気付いた。美由希さんの表情が重くなったと。
つか、士郎さんに、アルバート・クリステラ?
クリステラって、まさか・・・
俺は恭也さんの顔を驚いてみた。

「そうだ、フィアッセの父親だ。そして父さんの最後の仕事だな」

 ・・・士郎さんはその昔に護衛の仕事中に瀕死の重傷を負った事件で引退になった事件でもある。
その護衛対象がアルバート・クリステラ上院議員
フィアッセさんの父親らしい。
アルバートさんと士郎さんは昔からの親友同士で、
その関係で護衛していたんだけど、アルバートさんをかばう為に重傷を負ったそうだ。

「恭也さんの推理では、その時の犯人と今回の一件が同一人物と」

「正解だ」

 またまた因縁めいてるね。父に続いて娘ですか。


「私達は、フィアッセさん達を護るそうですよね」

「あぁ。美由希、綾ちゃん、気付いているか?」

「・・・うん」

「私でも気付くってどんだけですか。おかしいでしょ」

 こんな話をしながらも警戒していた甲斐はあった。
物騒なものを持ったお客様にはイカレタパーティにご招待しなくちゃ

「美由希、お前はフィアッセに」

「分かった。恭ちゃん達は?」

「俺達は目ぼしいのを片付ける。・・・いけるな?」

「はい」

 フィアッセさんは美由希さんにエリスさんが居るなら、大丈夫だ。

魔法抜きで私に勝てる数少ない、多分
俺は、しっかりやりましょ。恭也さんの指示を聞きながら。

「分かった。恭ちゃん、綾ちゃん気をつけてね」

「はい。・・・美由希さんも、気をつけてくださいね」

「・・・ありがと。フィアッセは私達に任せて」

「お願いします」

 俺達はそれだけ言うと、逆方向に走り出した。
・・・今度顔を合わせるのは、全部終わった時かな。

「・・・あれ?」

「どないしたん、フェイトちゃん」

「今、綾が・・・」

「あ、本当だ。というか、お兄ちゃんも居るっ!!

「あんなに慌てて・・・どうしたんだろ」


 ・・・地下3階のコンサート会場の駐車場。
恭也さんと二人で色んなもんを引き連れつつ、ここまで来た。
つか、思った以上に相当居る。
気配、中途半端な殺気がゴロゴロしてる。
駐車場の中央まで来て俺達は、揃って足を止める。
そうすると、ゾロゾロ出てきた。
車や駐車場の柱の影から、スーツを来て青竜刀やら銃器やら持った奴等が。

「お掃除・・・ですね」
「そうだな」

 本当にイカレタパーティになりそう
で、そいつらは妙な仮面を付けていた。

「中華マフィアの関係だろう」

「なるほど、確かにそれっぽいや」

 青竜刀もってるしそんな感じっぽいね
俺は、鉄甲を装備して、恭也さんも、小太刀を抜く。

「・・・御神・不破流を敵に回した不幸を、呪え」

「・・・」

 このフレーズ格好いい
俺もこんな感じのフレーズ使ってみたいかも
そうして、始まった。
いつもとは違う、命のやり取りがゼロとの戦いを思い出す。
駐車場に響くのは、『パンっ!!』という乾いた音の数々。
いわゆる一つの銃声。
その中を、俺と恭也さんは駆け抜ける。
恭也さんのすごさを改めて気づいた
どこに目がついているんだろう
まず離れている、もしくは撃ってこようとする敵には飛針を複数投げつけ、
動きを止める。動きを止めるのは当然、その全てが命中する。
そして、相手がその痛みで怯んだ所に一気に近付き、斬り、仕止める。
または、綱糸を用いて捕縛。その後に斬る。
その行動の全てが迅速。敵方は誰も恭也さんを捉えられない。
古流剣術って忍者の末裔か何かかな?
でも戦場剣術だからそうなのかも
武芸百般に通じるっていう言葉があるぐらいだし
・・・かく言う俺も、頑張ってはいる。

「はっ」

 ダガーを飛ばしてフランケンシュタイナーで上方に行ったら相手を飛ばして他の人に当てる。
投げ飛ばさないとこれ殺し技だし、頭をそのままコンクリにぶつける技だから
リングのマットでは死なないかもしれないけれど・・・
このようなコンクリだとね。
これの利点は遠心力が着くので次の移動がしやすい
そしてそのまま同時打ちになるように接近しての攻撃
多対一で飛び道具を持っていた場合
超接近戦になればいい
でも弾丸がかすったり生々しい音が聞こえてくるけれど、
やっぱりなれないし、いうかやっぱり恐怖を感じる。
これが本当の生死をかけた場所だというのを改めてね

≪綾様なれる必要はありません。ロボットじゃないんですから、
でもそれを乗り越えてください≫

≪ありがとうティア≫

 そうこうして居ると、左後方からオートマチック式の銃を構えたのが二人出てきた。
俺は前転した。
その次の瞬間、僕の居た場所を銃弾が何発も突き抜ける。
そのまま腰に差してあったダガーで突き刺す
すごいやはり感触が気持ちが悪い。
でもフィアッセさんやスクールの少女たちの笑顔を守るために、
その力があるのなら動きたい。
息つく間もなく後ろに飛ぶ。左の真横から、
銃撃。車の影に隠れていた。
そいつが影から出てきつつ俺に撃ってくる。
だから、腰を落として低く屈むようにして銃弾を回避しつつ飛び込み、
その右わき腹を斬り抜ける。
・・・また、血が流れる。
まさしく俺の周りには血の雨が流れ出していた
ゼロとの戦いもこんな感じだったかな
恭也さんも、ぶっ飛ばしてる。
俺がちょこまかやってる間にその倍は片してた。
でも・・・数が多い。僕も恭也さんも、10人以上は斬ってるのに、
まだ減らない。
でも、止まれない。考えつつも、銃弾を避け、走り、ダガーを振るう。
そうして悪意を潰す。
すると、背中に暖かい感触。・・・恭也さんだった。

「・・・まだ行けるな?」

 敵が俺達の前に立ち塞がる。それぞれの獲物を構え、鉄の弾を放つ。

「もちろん」

 呪文が使えればこんな奴らは簡単なのに
すごく頼っていたことが分かる。
男が構えていた銃を、飛び込みながらもけり上げハイキックであごを砕く。

「綾ちゃん!!」

この声は・・・
その声の方向を見るとなのは、フェイト、はやての将来監理局をしょって立つだろうと思われる3人娘が呆然と立っていた。
それを見た近くの奴が三人に銃を向けた。
三人も、それを見る。だけど、そこから無反応。

ちっ呪文をつかうしかない

『跳空転移(ディメンジョナル・リープ)』

 毎度おなじみの近距離瞬間移動呪文
ダガーによる両腕での裂旋
合計10回攻撃により相手を沈没させた。

「三人とも、無事っ!?」

「・・・あ、うん」

「なんとか・・・」

「恭也さんっ! すみません、一旦抜けますっ!!」

「・・・わかったっ! なのは達を頼むっ!!」

「了解しました」

 戦いながらも、状況を見ていてくれていたのか、
恭也さんが剣を振るいながら答えてくれた。
それを聞いてから俺は、未だに呆けている三人を連れ出して、非常階段へと走った。
・・・で、螺旋式な非常階段を上に走りながら、事情説明となった。

「・・・フィアッセさんが狙われてるっ!?」

「で、さっきうちらに撃ってこようとしたんがその一味。
それで・・・アレか」

 俺はは、なのはとはやての言葉に頷く。

「なるほどな、せやから恭也さん達はいきなりイギリス行ったわけか」

「そうだよ、恭也さんと美由希さんが、フィアッセさんに護衛を頼まれたの。
俺はその手伝い。・・・つか、なんでなのは達はあんなとこに居たの?」

「アンタと恭也さん見かけて、追っかけてきたんよ。久しぶりに会ったんだし」

「それで、アリサとすずかは? 一緒に来てるんだよね」

「二人なら、暇潰しに会場を散策中や。うちらとは別口でな」

「・・・とにかく、話した通りだから、すぐに二人と合流して、安全が確保されるまで会場の外に出てて」

「待って、綾ちゃんはどうするの?」

「なのはちゃん、聞くまでも無いやろ、こういう時の綾ちゃん決まってるやん」

「俺は戻る。言ったでしょ? 手伝ってるって」

まだ伏兵が居る可能性は充分にある。
そして、美由希さんにエリスさん達はフィアッセさんに回ってる。
当然ここは外していけない。

「うんわかった、綾ちゃん」

「解ってる必ず戻るから、みんなね」

そうなのはに答えた瞬間、端末に着信が来た。・・・恭也さん?

「もしもし」

『綾ちゃん、今どこに居る』

「非常階段です。こっちはなのは達をなんとか安全圏までには。ただ・・・」

『なにかあったのか?』

「すみません、全部話しました」

『そうか・・・。いや、まぁそれは仕方ないだろ』

だよなぁゴマキシきかないし

『あぁ、こちらはなんとか片付いた』


はぁ?確か20人以上いたよね。終わらした!

『それよりも問題だ。・・・フィアッセがさらわれた』

「はいっ!?」

 美由希さんもエリスさんも居るし警護の人達も沢山いたでしょうが!!

『美由希は現在交戦中だ。フィアッセには引き続きエリスが付いていたが・・・』

「そこを突かれて・・・ですか」

『そうだ、美由希がやりあっている奴は、相当な手練れ。そちらが片付いても、当然援軍も期待は出来ん。
フィアッセは俺達でなんとかするしかない』

「分かりました、すぐに向かいます」

 恭也さんに犯人とフィアッセさんが向かったと思われる場所を聞いて、
通話を終える。

「じゃあ、行ってくる」

「綾ちゃん、待ってっ!!」

「待つ余裕なんてない。今すぐ行かないと間に合わない」

「必ず帰ってきて」

なのはがもう一度心配そうに言ってきた

「うん」

「綾が行かないといけないの」

「フェイトわかるでしょ出来ることをしたいんだ、
フィアッセさんは私の友達だしね。」

「んっ気を付けて」

「それにここでリタイアするとフェイトの一人勝ちになっちゃうし」

「綾!!」

フェイトは顔を赤くしながら抗議しようとしていたが時間がないのが分かっているので引いてくれた

「綾ちゃんきいつけてな」

「うん、はやてみんなの事頼むね、あとはやての騎士たちにお願いしたい。よろしくね」

 こういう時ははやてかいるなのらすずかに頼むのが一番いい

「了解や、任せとき」

 そうして、俺は走り出した。囚われた歌姫を取り戻すために。
・・・とにもかくにも、全力疾走。賊は俺がさっき使っていたのとは別の非常階段を降りて、地下に向かっているらしい。
でも、殺すんじゃなく、連れ去ろうとするとは・・・
フィアッセさんをどうするつもりだよ。

≪普通に考えれば・・・遺産を手に入れるためだと思います。
やはり、フィアッセさんがなにかしらのキーになっているんでしょう。
よくありがちなパターンですが≫

≪だよね≫

 これもさっき美由希さんと別れる前に恭也さんから聞いたこと。・・・なんとまぁビックリ。フィアッセさんには、狙われる理由があった。
恭也さんの話では、ティオレさんがフィアッセさんに残した『遺産』とやらを狙って、今回の事件は起きたそうだ。
そして、ここで重要な事がもう一つ。
その遺産の事は、フィアッセさん自身も今回の件が起きるまで、全く知らなかったらしいし、現在でも何かは知らないみたい。

≪いくら位だと思います?≫

≪普通に考えたら数百億は堅いんじゃないの。世紀の歌姫って言われた人の遺産でしょ。そして騒動起こしても欲しいとなればね≫




「・・・というわけで、お転婆はここまでだよ。エリス・マクガーレン」

・・・悔しい。目の前に、居るのに・・・!!

「動かないでもらえると、私としても非常に助かる」

 そう言って、男は私から離れフィアッセに近づく。左手に持った拳銃の銃口は、私を向いている。
黒いコートに銀髪。右手にはトンファー型の刀剣。そして・・・見ているだけで寒気を覚える瞳。
コイツが今回の一連の事件、そして・・・10数年前に起きた、
アルバート・クリステラ議員を狙った爆破テロの実行犯。
私も、フィアッセと共にそこに居た。
そして・・・子どもだった私は、コイツに会っている
あの時、キョウヤの父親であるシロウ・タカマチがいなかったら、
どうなっていたか。
いや、そこはいいか。とにかく、今の状況だ。
・・・悔しい。私では、コイツに対処出来ない。二度も背中を取られた。
悔しい。私は・・・何も守れないのかっ!?

その時だった。おそらく、奴が逃走用に用意していた車だろう。
それがいきなり真ん中から真っ二つになり、爆発した。

「・・・え?」

 その場に居た全員の動きが、そこで止まる。当然の反応だ。
車が真っ二つに切れるなんて普通ならあり得ない。
そんな私達の反応にはお構い無しで、爆風の熱と衝撃が、
この辺り一帯を駆け抜け、支配する。
当然、それは黒いコートの男にも迫る。
フィアッセと男との間に割り込むようにして。
男が、右手の獲物の刃で受け止める。
そこで、風は止み、その姿を表した。
 
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