恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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752部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその十二
第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその十二
「積極果断だ。それこそがいいのだ」
「竹を割った様にだな」
王虎はそれだというのだった。
「成程な」
「さて、それでなのだが」
楽進がここで述べる。
「冷めないうちにだ」
「ああ、そうだな」
フランコが笑顔で応えた。
「熱いうちに食べるか」
「それでこれはどういった料理なのだ」
狂死郎は怪訝な顔で楽進に問う。
「鶏肉に魚に野菜、それに豆腐が入っておるのう」
「唐辛子に山椒か?」
フランコは鍋から漂う香りからそこまで察した。
「この香りは」
「そうだ、私の好みの味にさせてもらった」
実際にそういったものを入れているとだ。楽進も話す。
「口に合うかどうかはわからないが」
「辛いのは事実よのう」
それはすぐにわかるという狂死郎だった。
「ふむ。それではその辛さを楽しむとしよう」
「そうだな。それではな」
夏侯淵も頷いてだった。こうして一同で楽進が作った鍋を食べ始めた。その味は。
「美味いな」
「はい」
まずは秦兄弟が言った。
「確かに辛いがな」
「非常にいい味です」
「楽進さん、やっぱりあんた料理上手いぞ」
「いい奥さんになりますね」
「お、奥さんか」
そう言われるとだ。楽進の顔が桜色に染まった。
「私はそんな」
「いや、これだけのもの作れるしな」
「その心根もいい」
ガルフォードと王虎も秦兄弟の言葉に頷く。
「絶対になれるさ」
「よい奥方になれる」
「いや、全くよ」
狂死郎も太鼓判を押す。
「貴殿を妻にできる者は。まことに」
どうかとだ。立ち上がって言った。
「果報者よのう」
見得を切っての言葉だった。そんなやり取りをしながらだ。一行は今は食事を楽しんでいた。楽進が作ったその辛い鍋をである。
第六十話 完
2011・2・8
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