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おぢばにおかえり

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第四十一話 神戸でもその六

「ですから安心して下さい」
「それならいいわ。妹達はまだ何も知らないから」
 恋愛のことはです、かく言う私もですが。
「変なこと言ったり教えたりしないでね」
「そういうこともしないです」
「本当にね、とにかくね」
 私は阿波野君にあらためて言いました。
「今からお家の教会に行くから」
「天理教の教会っていっても色々ですね」
「そりゃ一万六千以上あるから」
 しかもあるのは日本だけではないです。
「布教所もあるし」
「そうですよね」
「色々な教会があるわ」
 本当に教会それぞれです、一口に天理教の教会といってもです。
「それこそ教会でそれぞれよ」
「そうしたことも勉強したいんですよね」
「それでなのね」
「はい、是非です」
 この時の阿波野君は結構真剣なお顔でした、そのお顔で私に言ってきました。
「先輩の教会も見せて下さい」
「それじゃあね」
「確か奥華の直属ですよね」
「ええ、そうよ」
 奥華という大教会の直属になります。
「そのうちの一つよ」
「奥華の直属って三十二か三はありますよね」
「教会はね」
「全部で二百六十四位あるわよ」
 奥華の系列の教会はです。
「それで直属がそれだけで」
「それぞれの直属の下にさらに教会があるんですよね」
「それが天理教の教会のあり方なの」
 系列の上の教会は親教会と呼ぶこともあります、理の親という意味です。 
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