恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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735部分:第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその六
第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその六
まずはだ。袁術がこう曹操に問うのであった。
「あの三姉妹は元々旅芸人だったそうじゃな」
「ええ、一介のね」
「最近物凄く売れてきておるのは聞いておった」
それはだというのである。
「わらわのところにも来ておったしのう」
「そうだったのね」
「中々いい歌を歌いおる」
袁術は納得している顔で述べる。
「わらわ程ではないがのう」
「あんた昔から歌は上手いからね」
曹操は何気に袁術のその歌は認めていた。それを言葉に出す。
「そっちの張勲もね」
「有り難うございます」
「それで話は元に戻すけれどね」
曹操はここでそうしてきた。
「その只の旅芸人が反乱を起こしたのよ」
「考えてみれば妙な話じゃな」
「そうなのよ。何か役人が言い掛かりをつけてきたのが理由らしいけれど」
「その役人はどうなったのですか?」
関羽が曹操にそのことを問うた。
「事件の元凶は」
「これがさらに妙なことになっててね」
曹操は言いながらいぶかしむ顔を見せていた。
「その時のことを覚えていないのよ」
「まさか、そんなことが」
「それが事実なのよ」
荀彧も今は困惑したものをその顔に見せている。そのうえでの言葉だった。
「何かね。何をしていたのかも覚えていないみたいで」
「だとするとそれは」
孔明はその話を聞いてすぐにあることを察した。
「操られていたんですか?誰かに」
「ええ、そうみたいなのよ」
荀彧も孔明に応えてこう話す。
「これだけでもおかしなことよね」
「誰かが反乱を仕組んでいるんでしょうか」
鳳統も言う。
「だとすると」
「あの三姉妹を使って?」
「それも妙な話だ」
今度は夏侯姉妹が言う。
「無害な三人にしか思えないが」
「ただの旅芸人に反乱を起こさせてどうするのだ」
「大体あれだろ?」
馬超も姉妹に続いて話す。
「反乱軍、名前は何ていったかな」
「黄巾賊です」
張勲がその名前を話す。
「自分達では黄巾党と言っています」
「そうなのか。黄巾賊っていうのか」
馬超はその名前を聞いてそれを頭の中に入れた。
「あの三姉妹の色をそのまま使ってるんだな」
「しかもそもそも只の観客達だったな」
趙雲はこのことを指摘した。
「数は多いが質は大したものではないな」
「はい、それはです」
程昱が趙雲のその指摘に答える。
「既に戦術は決定しています」
「どうするのかしら、それは」
「袁術さんと劉備さんの軍で敵の注意を引き付け」
まずはそうするというのである。
「そして後方から我々が回り込み一気に中央を攻略します」
「それで簡単に終わる話なのよ」
曹操もここで言う。
「実際のところね」
「そうか。それならすぐにね」
黄忠もその話に乗る。
「準備に入りましょう」
「では作戦開始じゃな」
袁術も言う。
「取り掛かろうぞ」
「あの、それでなんですけれど」
「いいでしょうか」
ここで孔明と鳳統が問うてきた。
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