【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
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0153話『狭霧の意識調査とこれから』
前書き
更新します。
遠征艦隊の一つの部隊が帰ってくる帰投ラッパの音が鳴り響いてくる。
それで私は執務室の窓から帰投したみんなの姿を確認する。
その中には今回の大規模作戦で仲間になった狭霧の姿も見える。
まだ狭霧は練度を満たしていないので改装練度になるまで遠征で上げていくつもりなんだけど、それは天霧と旗風も同様の事である。
狭霧はまだ自身の練度が低い事を自覚しているのか遠征に専念しているけどそのうち他のみんなのように練度を上げてくれという要望を言ってくるかもしれない……いや、言ってくるのはどちらかというと天霧の方か?
狭霧は大人し目な性格だから真面目に遠征を取り組んでくれると思うし。
……そうだな。
少し狭霧の意識調査でもしてみるか。
それで私は遠征帰りのみんなの所へと顔を出しに行く。
そして港へと到着してみればドラム缶の中に大量の資材を入れて少しご満悦の遠征艦隊旗艦の球磨が笑みを浮かべていた。
「ぬふー……今日も遠征完了だクマ!」
「お疲れ、球磨」
「あ、提督。どうしたクマ?」
「うん。ちょっと狭霧の遠征中での球磨から見た評価を聞いてみたいんだけど、いいか?」
「いいクマよ」
それでまだみんなと色々と話をしている狭霧を横目に私は球磨に色々と話を聞く。
「そうクマねー……狭霧は真面目な性格をしているからとってもとっつきやすいクマ」
「そうだろうなー」
「でも真面目が高じて集中しすぎるきらいがあるクマ」
「なるほど……遠征中もずっと集中を続けているのか……?」
「うむ。何回か話しかけた時にまだ慣れない作業なのか返事が返ってこない事があるクマ」
「そうか。わかった……球磨、そこら辺は球磨の采配に任せるよ」
「分かったクマ! 狭霧はしっかりと出来るように頑張らせるクマ」
それで球磨との会話を終わらせて私は狭霧の方へと向かう。
「狭霧、少しいいか?」
「はい? なんでしょうか提督?」
「うん。まだ練度が低いから遠征で苦労していないか聞いておきたいと思ってな」
「そうですか。そうですねー……まだまだ学ぶべきことが多い事は確かです。生前にも輸送作戦はしたことはありますけど人の姿で輸送するというのは意外と大変でして……」
「そうだな。まぁそこら辺はこれから慣れていけばいいさ」
「はい。それとですが遠征中に何度か球磨さんに注意される事がありますのでもう少し気持ちに余裕を持たないといけないと思っています」
そこら辺は球磨の言う事と一致しているな。
狭霧も自身で分かっているのなら別段注意しておくこともないかな?
自身で気づいているのなら勝手に改善していくだろうしな。
「わかった。これからも頑張ってくれ」
「はい! 狭霧、これからもつとめを果たしますね」
そう言って敬礼をしてくる狭霧。うん、真面目で結構だけどまだまだ硬いかな……?
それで私はもう少し言っておくことにした。
「狭霧。もう少し第七駆のみんなのように柔軟にとは言わないけど肩の力を抜いた方がいいんじゃないか……?」
「え、そうですか……? これでも結構普段通り話しているつもりなんですけど……」
「なるほど。朧タイプかな、狭霧は」
「そうなのかもしれません。朧ちゃんとは割と気が合いますから」
「そうか。他には気兼ねなく話せる友達とかはいるか?」
「あ、はい。天霧さんはもちろんの事ですけど暁ちゃんとかはよくお話しますね」
おっと、ここで暁の事が出てきたか。
そういえば狭霧は漣と暁と第10駆逐隊を組んだ仲だったな。
それなら仲が良いのも頷けるな。
「暁とは昔組んだ駆逐隊の仲だったな」
「はい。暁ちゃんは今でも立派なお姉ちゃんですから私も見習わないとと思います」
それで嬉しそうに狭霧は笑う。
うん。こういう仕草も出来るなら私の心配も杞憂かもしれないな。
「そうか。それじゃこれからもみんなと仲良くな」
「はい」
そして私との話が少し長かったのか一緒の艦隊にいる朝雲と山雲から声が聞こえてきた。
「狭霧さーん。早く次の遠征のスケジュール表を見ましょう!」
「そうね~。山雲も朝雲姉さんと一緒の遠征は楽しみ~」
「あ、はい。わかりました! それでは提督、ここらへんで失礼しますね」
「ああ」
それで狭霧は遠征部隊の中へと入っていく。
そんな後姿を見送りながらも思う。
まだまだ硬いけど狭霧もうまくこの鎮守府に溶け込もうと努力しているんだなと。
これならゆっくりと見守っていけばいいな。
そう思い、私は満足したのか執務室へと帰ろうと踵を返す。
その帰り道に、
《提督は新しく着任した艦娘の方々には色々と気を配っていますけど、なにか心配事でもあるのですか……?》
「そうだな。別にいじめとかの心配はこの鎮守府に限って一切していないんだけど、なにかと不慣れな事も多いだろう? 狭霧とか日本の艦娘はいいとしてアークロイヤルとかリシュリューとかの海外艦はまだ日本の鎮守府に溶け込めていないだろうし……」
《そうですね。でも、その分ウォースパイトさんとかコマンダンテストさんとかが助けてくれていますから特に心配はないのではないでしょうか?》
「そうだといいんだけどな。私の心配性なところが少し出ているんだろうから新しく着任した艦娘のみんなも早く慣れてもらいたいとは思っているし……」
《そうですね。でもきっと大丈夫です。皆さんはもう提督の人柄には触れていますから自然ともう溶け込んでいると思いますから》
「そうか? そうだと、いいな……」
それで私はこれからも増えていくだろう艦娘のみんなについてあれこれと考えを馳せていた。
そういえば、
「一応榛名も新しい子達とは一回か二回は挨拶は交わしているけど改めて話し合う機会でも入れてみようか? 大規模作戦終了の宴会の席とかで」
《そうですね……。私もそうしていただけると嬉しいです。まだ戸惑っている子も少ないないですから》
「よし、決まりだな」
それで大規模作戦が終わったら改めてみんなと話し合う機会を予定するのであった。
他のみんなが親しくなっていく中で榛名だけのけものはいけないからな。
みんな平等にしていかないとな。
後書き
今回は前半は狭霧で後半は榛名について書いてみました。
また一日イベントが延期されましたから繋ぎの話を考えないと……。
それとトラブっているリンガ泊地の提督さん達は頑張ってください。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
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