恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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711部分:第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその一
第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその一
第五十七話 豪傑達、荘に戻るのこと
長い旅の末にだ。ようやくであった。
劉備達は懐かしい桃家荘に戻った。するとだ。
「ああ、戻ってきたな」
「待っていたぞ」
まずはテリーとリョウが出迎えてきた。
「結構時間がかかったな」
「やっぱり国を端から端はそうなるな」
「皆さんお元気でしたか?」
劉備は彼等に優しい笑顔で応えた。
「どなたか病気には」
「ああ、その心配はないぜ」
「病気になるようなやわな奴は一人もいないからな」
二人は気さくな笑顔で劉備に返した。
「それは安心していいぜ」
「そういうことだ」
「そうですか。じゃあ安心していいですね」
「ああ。ただな」
「ちょっと妙な話が出てるな」
ここで二人はこう劉備に言ってきた。
「何でもここに牧さんが入るらしいな」
「あの袁紹さんだ」
「ああ、それは聞いてるぜ」
馬超が二人のその話に応えた。
「匈奴とか烏丸討伐の功績でだな」
「あの姫さんもあれで結構やるからな」
「この州にとってもいいことだな」
二人も袁紹を評価することは評価していた。
「確かにおかしなところの多い人だけれどな」
「それでもやることはやるんだな」
「まあこの州は今まで牧がいなかったしな」
「いいことだな」
だが、だった。二人はここでこんなことも言うのだった。
「これでこの州もな」
「万全の統治が行われるんだな」
「あの、実はですね」
「もう牧さんおられるんですけれど」
その二人にだ。孔明と鳳統はこう話すのだった。
「ちゃんとおられますよ」
「公孫賛さんが」
「誰だよ、それ」
「聞いたことないんだが」
二人はいぶかしむ顔で軍師二人に返した。
「公孫賛!?」
「朝廷の将軍の人か?」
「だとしても相当影の薄い人だな」
「ああ、俺達が知らないんだからな」
挙句にはこんなことを言う彼等だった。
「朝廷が荒れてるのは知ってるさ」
「残念な話だな」
「これが冗談ではないからなあ」
関羽も溜息をつくしかなかった。
「公孫賛殿も不憫だ」
「悪い人じゃないんだけれどね」
黄忠も関羽の言葉に同意して言う。
「それでもね」
「しかも無能でもないのだな」
魏延も実は彼女のことを全く知らない。
「それでなのか」
「個性がないのであろうな」
厳顔は一言で本質を突いた。
「それではどうにもならぬわ」
「そもそも公孫賛って誰なのだ?」
張飛に至っては忘れていた。
「何か聞いたことのある名前なのだ」
「だから袁紹さんのところに行く時に一緒にいたじゃない」
馬岱がその張飛に話す。
「あの人よ」
「神楽は覚えているのだ」
彼女のことは忘れる筈がなかった。
「けれどそんな奴は」
「実は私もね」
ここでその神楽が苦笑いと共に話す。
「あの人のことはあまり」
「そうなんですか」
「どうも存在感がないのよ」
月に核心を話す。
「だから。ちょっとね」
「何か可哀想な人ですね」
「そうね。私達外から来た面々は皆目立つけれど」
「そうですね。私達も言われます」
「確かにね」
ミナもそれは同じだった。
「私もそうだから」
「それにしても白桃ちゃんは」
ここでまた真名を間違える劉備だった。
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