恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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703部分:第五十六話 劉備、張角と会うのことその三
第五十六話 劉備、張角と会うのことその三
「妖怪が化けた」
「まさか」
「お化けなの?」
チャムチャムも二人を見ていぶかしむ。
「これって」
「ええと、姉さんが二人」
「妙なことになってるわね」
張梁と張宝も今の事態に戸惑っている。
「この状況は」
「何が何だか」
「私がもう一人!?」
「これってどういうこと!?」
そして二人もだ。こう言い合うのだった。
「ええと、私はここにいるけれど」
「私もここに」
「それでどうして私が」
「目の前にいるの!?」
お互いに顔を見合わせて言い合う。二人の顔は突き付け合うまでになっている。その状態でさらに言い合うのだった。そうなっていた。
「まさかと思うけれど」
「ここに」
二人同時にだ。両手を上にやった。同じ速さで同じ動きをしたのだった。
今度は両手で壁をつく動作をする。これまた二人同時であった。
そうした動作を続ける。何をやっても二人同時だった。
それを見てだ。関羽達はいぶかしみながら言うのであった。
「どちらが姉上だ?」
「わからないのだ」
張飛も困り果てた顔になっている。
「何もかも一緒ではないか」
「そうなのだ」
「胸も同じだにゃ」
孟獲は二人の胸を見ていた。動く度に大きく揺れる。
「凄く大きいにゃ」
「おっぱいが増えたのにゃ」
「凄くいいことにゃ」
「お姉ちゃんが二人になったのにゃ」
トラ、ミケ、シャムはこのことを喜んでいるだけであった。
「だからいいことにゃ」
「おっぱいが二つから四つにゃ」
「お茶もいいけれどこれもいいにゃ」
「素直に喜んでいいのか?」
馬超はそんな彼女達を見て首を捻る。
「本当にどっちが桃香さんかわからねえぞ」
「そうだな。ここまで何もかもが同じだとだ」
趙雲も区別がつきかねていた。
「私にもだ」
「困ったわねえ、こんなことになるなんて」
「そうね」
張梁と張宝もそれぞれ腕を組んで困った顔になっている。とはいっても張宝は表情ではなく目の色でそれを見せているのだった。
「また舞台があるのに」
「どちらかわからないと」
「剣も同じだな」
関羽は二人の腰にある剣を見た。するとそれもだった。
「これでは本当にどちらが姉上か」
「ええと、何か」
「思うんですけれど」
だがここで孔明と鳳統が言うのだった。
「右の劉備さんのお声と左の劉備さんのお声が」
「違いますけれど」
こう指摘するのだった。
「それに目の色も」
「違いますよね」
二人がそれに気付いたところでだ。神楽達が戻ってきたのだった。
「よかったわね」
「ああ、確かにな」
「見つかってよかったですね」
ほっとした顔の神楽に笑顔の二人が左右から話していた。
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