レーヴァティン
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第十八話 素材その三
「飲んだ時はいいけれど」
「後は疲れるんだな」
「それよりも飲んでエネルギーを得てな]
「若い嫁さんと夜ウハウハやれるか」
「その表現凄く感情的だね」
「やっぱり腹が立つからな」
嫉妬を感じてだ、久志のこの感情は今も収まっていなかった。
「本当にその人の姉妹の人紹介してもらわないとな」
「納得医出来ないんだ」
「ああ、それまではな」
「まあ今は我慢してね」
「俺だったらそうした薬使わなくてもな」
「夜はだね」
「何度でも出来るさ」
若さ故にというのだ。
「中一の時からそうしたくて仕方なかったしな」
「完全に向こうの世界のお話だね」
「そうだな、とにかくだな」
「うん、そのお金持ちさんの為にね」
「大蒜やら自然薯なりか」
「集めて」
そしてというのだ。
「作るから」
「じゃあそうしてくるな」
「それぞれの素材は手に入れることは難しくないから」
それ自体はというのだ。
「ある場所もわかってるし」
「そこに行って手に入れるだけか」
「危険なモンスターが出る場所もないし」
「それはいいな」
そう聞いてだ、久志は安心して言った。
「やっぱり楽に手に入れられるとな」
「それだけでだね」
「いいしな、じゃあ行って来るな」
「うん、頼むね」
「誰が何を探して手に入れるか」
「そうしたことも決めてね」
そしてとだ、源三も久志に応えた。
「頼むよ」
「それじゃあな、しかしな」
「しかし?」
「いや、何気にな」
こうも言った久志だった。
「大蒜とかってこっちの世界でもそうした食いものなんだな」
「精力増強のね」
「鰻とかもな」
「蒲焼きや鰻丼はなくてもね」
「あるんだな、じゃあな」
「お願いするよ」
こうした話をしてだ、そのうえでだった。
久志と順一、智はそれぞれ薬の素材を集めるちょっとした旅に出ることになった。それぞれの素材の場所は源三からメモを受け取って把握した。
久志は蝮と鰻を手に入れることになりヨハネスブルグから少し離れた場所にある湖に赴いた、だが。
湖のほとりでだ、彼は近くの村の者にこう言われた。
「この時期この湖にいたら危ないぜ」
「モンスターが出るのかよ」
「ああ、ウォ―ターリーパーが産卵してな」
「ウォーターリーパーってあれか」
デルフォイで読んだ書に書いてあったその魔物のことを思い出した。
「ガマガエルの身体で脚の代わりに鰭があって」
「尻尾もあるな」
「水面も飛ぶあれか」
「そうだよ、普段は普通なんだけれどな」
「この季節はか」
「産卵で気が立っていてな」
それでというのだ。
「攻撃的なんだよ」
「確か大声出すよな」
「そうだよ」
「それで相手を気絶させて水の中にでも落ちたら」
「ぺろりだよ」
村人は笑って言った。
「それでな」
「そうだよな、難儀だよな」
「だから今そこで釣りは止めておきな、蛇も出るしね」
「蝮あるよな」
「こっちじゃ角縄って言うけれどな」
「蛇が縄、それで角があるから角縄か」
何故その呼び名になるかだ、久志も納得して頷いた。
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